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【WCS2019 Ultra Series】 日食ネクロレック | PJCSシニアカテゴリ ベスト16

構築紹介(SDテキスト)と導入

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こんにちは、Lacquer(@is26yk)です。アクセスありがとうございます。

今回のパーティは、Meさん式ゼルネレックの強みを更に引き出すのに必要だと感じたことを、PJCS中にメモに書き留め、それを基に再構築したものとなります(SDテキスト / Link to Paste)。

また、本構築をシュウ君(@haramaiu)に提供したのですが、彼はPJCSシニアカテゴリにてベスト16という成績を収めてくれました!


戦績

  • PJCS2019ライブ大会シニアカテゴリ ベスト16
  • 某down! レート1位(1798)


構築経緯


軸となる4体について

(オリジナルのパーティとは唯一異なる)最遅レヒレの水Zを最大限活かすため、そして以下に挙げた「Meさん式ゼルネレック」の課題を解決するため、まずゼルネとツンデを抜き、日食ネクロズマを採用しました。その具体的な根拠は以下の通りです。

  • 「レック+最遅水Zレヒレ+脱出ガエン+トリル」の並びこそ、Meさん式ゼルネレックにおける最大の強みであり、ゼルネを立てる必要があまり無い。
  • トリル要員のツンデがグラに弱い一方、グラに対応するためのレックがゼルネに弱い。それにより、レックの切り返しが安定しない場面が多々見られ、トリル要員自体のスペックを底上げする必要があった。
  • ツンデを抜く以上、高耐久かつゼルネキラーのトリル要員が欲しい。
  • トリル下でバレルに高打点を持つアタッカーが必要(ガエンは脱出ボタン持ちでありバレルの処理を任せられない)。
  • メガゲンガーを早々処理できる駒が少ない。
  • テテフミュウツーの並びが重い。

この時点で、f:id:ykhr7:20190512182732p:plainf:id:ykhr7:20190512182740p:plainf:id:ykhr7:20190512182807p:plainf:id:ykhr7:20190512182818p:plainの4体の組み合わせが非常に強いことに気付きました。
なおソルガレオを採用しなかったのは、モロバレルカイオーガへの打点が不足するだけでなく、トリル前提の基本選出を作るうえで安定しないからです。ソルガレオでは、その素早さの高さや耐久値の関係上、サイクルの中で動かすのがメインであり、トリルは、相手のS操作への切り返しだったり隙を見て使ったりする程度に留まります。


課題を克服するために

上で述べた4体の並びは、5月上旬現在、環境に出回る多くのパーティに対応できます。しかしその一方、以下のような課題も見えてきました。

  • 攻防双方に渡りソルガレオネクロズマディアルガ等の鋼タイプが重い。
  • ガエンが脱出ボタンを、レヒレが水Zを持っているため、ルナアーラを相手取るのが非常に難しい。
  • カイオーガ軸にトリル展開から必ずしも入る必要がない。むしろ、本来オーガを縛る役割を持つレックが、トリル下では後攻でオーガに制限をかける形となるため分が悪い。
  • オーガの行動を許す場面が多く、水技の通りの良さが気になる。
  • bo3の試合形式に持ち込む、更にレヒレの水Zの対象がトップメタのガエンであるということを考えると、毎試合、トリルかつZ濁流に頼ってガエンを崩すには無理がある。

これらの問題点を解決するため、残りの2枠にどのポケモンを採用するか(過去に扱ったポケモンを以下にまとめました)、また選出を改めて考え直すことに。

  • f:id:ykhr7:20190513234616p:plainf:id:ykhr7:20190513234718p:plainf:id:ykhr7:20190513235020p:plain
    レックのサポートになる追い風を持ちながら、自身もオーガやルナに有効な技を使えるバルジーナやサンダー、カミツルギ
  • f:id:ykhr7:20190514044318p:plain
    Keiさん(@VivaLaVlade)の案。特性呼び水で水技の一貫を絶ち、トリル下であればガエンを上から一撃で処理するレヒレの役割を代行することまで可能。また鋼タイプにも強い。
  • f:id:ykhr7:20190518001211p:plain
    こちらもKeiさんの案。高い素早さを活かした先制バークアウトと光の壁でルナやオーガの攻撃を弱体化する。またボルチェンでレックやネクロに繋ぐことも可能。
  • f:id:ykhr7:20190513234823p:plain
    水技を特性貯水で無効化したり、大地の力で鋼枠を、草結びでオーガを殴ったり。トドンとは異なり、追い風に合わせて動ける素早さを持つ。
  • f:id:ykhr7:20190513234837p:plain
    オーガを縛りつつ、ルナの行動をフリーフォールで妨害し起点を作れる。専用技である自然の怒りは鉢巻レックの神速と相性が良い。
  • f:id:ykhr7:20190513234847p:plain
    高い素早さと広い攻撃範囲を持ち、持ち物次第ではルナやゼルネすら一撃で葬れる。
  • f:id:ykhr7:20190513234919p:plain
    日食ネクロやディアルガにタイプ的に有利であり、ルナやゼルネにバークアウトを入れることもできる。
  • f:id:ykhr7:20190813224701p:plain
    メガシンカ前の特性の肝っ玉や噛み付く等の悪技、ゴースト耐性によりルナアーラに強いメガガルーラ。しかしメガシンカ枠でレックウザと被る点が気になる(PJCSシニアカテゴリー本選では、シュウ君にメガガルーラ入りの本構築を託しました)。

どのポケモンも高いポテンシャルを持ち優秀でしたが、3種(鋼、ルナ、そしてオーガ)全ての対策を2体で行うのは困難を極めました。

特にルナアーラについては、一言で「ルナ構築」と言っても、ルナゼルネ、テテフ入り、そしてルナグラの3種類が存在し、各々への対策を講じなければなりません(テテフが入るか否かでレックの使いやすさに大きな違いが出るため敢えて分けています)。そのため、単純にルナ単体を意識するのではなく、他のメンバー(ゼルネ、テテフ、ガエン、グラなど)まで意識してメタを張らなければならないため、非常に苦戦しました。

しかし、6月に行われたPJCSでカ・エールさんのソルガレックが優勝する一方、NAICを初めとする海外の大会でソルガレオの使用率が伸びている様には感じられなかったり、バーストしない日食ネクロやディアルガの数も少なかったりしたことから、鋼タイプの禁伝とのマッチアップをそこまで重要視しないという方針に切り替えました。

そこで、オーガとルナに的を絞ってそれらに強くするため、最終的にf:id:ykhr7:20190703100130p:plainf:id:ykhr7:20190703100110p:plainを採用しました。詳しくは続く個別解説にて説明します。


個別解説


メガレックウザ


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拘り鉢巻
デルタストリーム
意地っ張り
181-255-120-×-120-167
4-252-×-×-×-252 (努力値)
画竜点睛
神速
噛み砕く
滝登り


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Rayquaza-Mega @ Choice Band
Ability: Delta Stream
Level: 50
EVs: 4 HP / 252 Atk / 252 Spe
Adamant Nature
- Dragon Ascent
- Extreme Speed
- Crunch
- Waterfall

天候に左右されることなく、またZ技に頼ることなく超高火力を叩き出せる禁止伝説。本構築の表のエースアタッカーであり、後述の脱出ガオガエンのサポートを前提に動かします。

トリル展開が本命ということもあり、ルナアーラ等の最速99族まで抜ける準速で十分役割は果たせますし、オーガのほか、Bに厚く振っていないイベルやレヒレ、ガエンを画竜点睛の一撃で倒したかったため、意地っ張り個体を採用。

拘り鉢巻を持たせることで縛れる範囲を底上げし、ネクロでトリルを起動する際の懸念要素を取り除くことができます。

タイプ一致技の画竜点睛、体力の削れた相手を削り切る神速、アローラの禁伝やドータクンに刺さる噛み砕く、そしてグラを一撃で突破する滝登りの4つで技は決まりました。
特に滝登りは、レヒレの水Zをグラではなく、ガエンに向かって撃つために温存させるという重要な役割を担っています(水Zのベースとなる技が命中不安な濁流であり、レヒレでグラを確実に倒したいときはZ技化させる必要があるが、その場合、肝心のガエンに対して水Zを撃てなくなる)。

レック自身の攻撃を通すのももちろん強力ですが、レヒレの水Zをグラ入りの構築相手にも通すため、体力の管理をしっかり行わなければならない、という意味で慣れるまで扱いにやや苦労しました。具体的に言うと、威嚇要員を裏から投げられそうなシーンで、画竜点睛を選んで突っ張ってしまうと、対象のポケモンに耐えられ、かつ返しの攻撃でレック(画竜点睛の代償として耐久が下がっている)が落とされてしまい、裏に控えているグラに詰まされます。このように、レックウザを扱うのにあたり、攻撃して良い場面と引くべき場面をしっかり判断する必要があります。




日食ネクロズマ


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イアの実
プリズムアーマー
勇敢
204-206-147-×-151-83
252-84-×-×-172-× (努力値)
フォトンゲイザー
メテオドライブ
トリックルーム
守る


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Necrozma-Dusk-Mane @ Iapapa Berry
Ability: Prism Armor
Level: 50
EVs: 252 HP / 84 Atk / 172 SpD
Brave Nature
IVs: 22 Spe
- Photon Geyser
- Sunsteel Strike
- Trick Room
- Protect

トリル要員兼ゼルネアスキラーであり、パーティ全体の軸となります。

S83(個体値22)ですが、これは、トリル起動後にレヒレから先に動くことで「レヒレの黒い霧→ネクロの攻撃」という流れが可能になり、威嚇に行動保証を見出した相手のプランを崩すことを狙いとしたもの。S実数値は82でも構いません。同様にトリル下であれば「ネクロの攻撃→ガエンの攻撃」の行動順になるため、ファントムガードを崩されたルナアーラをガエンが捉えることができるようになります。

持ち物について。レックやゼルネ、オーガ、マンダ等を相手に殴り合う場面が非常に多く、ダメージが蓄積しやすかったり、その耐久性を活かして後投げしたりするため、回復ソースがないと場持ちが存外良くないと感じ、イアの実を持たせました(発動機会を考えればオボンの実の方が遥かに良いです)。

技は、オーガやバレルに撃つフォトンゲイザー、カプやゼルネに刺さるメテオドライブ、コンセプト上必要なトリックルーム、そして盤面を整えてから動くための守るの4つを採用。

隣をガエンに交換しその猫騙しと併せるか、もしくは、ガエンからの交代で繰り出したレックの攻撃で敵の圧力を避けるかしてトリルを起動します。後はレヒレやレックの攻撃圏内に収まるよう動かしていくのがいつもの流れです。
またレックとの補完に優れているため、下手にグラの前で突っ張らなくて良いと判断できる場合はレックに引き、次のターン、逆に相手を縛り返す動きを取れます。




スイクン


f:id:ykhr7:20190703100714g:plain
ウイの実
プレッシャー
控えめ
206-×-143-128-148-112
244-×-60-52-100-52 (努力値)
熱湯
凍える風
バークアウト
追い風


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Suicune @ Wiki Berry
Ability: Pressure
Level: 50
EVs: 244 HP / 60 Def / 52 SpA / 100 SpD / 52 Spe
Modest Nature
IVs: 0 Atk
- Scald
- Icy Wind
- Snarl
- Tailwind

対ルナ、オーガレック枠かつ追い風要員。高い耐久だけでなく、妨害要素と2つのS操作を持つため、トリル要員のネクロズマと比べ、カミツルギレックウザの行動をより通しやすいのが特徴です。

技構成は、レックと併せてグラやガエンに撃つ熱湯、ルナ等の特殊アタッカーの火力を下げるバークアウト、挑発持ちの前でもS操作できる凍える風、そして追い風となっています。

調整、持ち物はMisterGX(@MrGX_VGC)の構築記事から拝借しました。




ガオガエン


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脱出ボタン
威嚇
慎重
200-136-111-×-154-84
236-4-4-×-236-28 (努力値)
フレアドライブ
DDラリアット
蜻蛉返り
猫騙


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Incineroar @ Eject Button
Ability: Intimidate
Level: 50
EVs: 236 HP / 4 Atk / 4 Def / 236 SpD / 28 Spe
Careful Nature
- Flare Blitz
- Darkest Lariat
- U-turn
- Fake Out

Meさん(@kuronoboss)考案の脱出ガエンです。強力な一手になる反面、本構築の課題を増やす原因ともなっています。

ガエンの脱出ボタンは、相手の威嚇によりレックの下がった攻撃力を元に戻す、レックの一度拘った技を変更する(弱った相手を次のターンに神速で縛る)、そして天候を取り返してその上昇補正を打ち消すことを可能にしてくれます。つまり、鉢巻レックウザをグッと扱いやすくするためのカードと言う訳です(レックとガエンのタイプ相性補完が優れているため成せる業)。また、相手の蜻蛉やボルチェンの効果を打ち消せる点も強力です。
しかしその一方で「脱出ボタンを持たせる」ということは、持たせたポケモンが遅い場合、本来の役割対象に干渉し難いという大きな欠点を抱えることと同じです。それゆえ本構築ではルナや鋼の禁伝枠が重くなってしまいました。

技は、鋼タイプに撃つフレアドライブ、ルナに最高打点となるDDラリアット、脱出ボタンが発動しなかった場合でも手元に戻る(脱出ボタンを温存することにも繋がる)蜻蛉返り、トリル展開を助けたり積んだゼルネを前に無理矢理レヒレの黒い霧を通したりするための猫騙しの4つ。脱出ボタンの発動機会と猫騙しを撃つタイミングを上手く調整する必要があります。




カプ・レヒレ


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Z
ミストメイカ
冷静
177-×-141-154-152-81
252-×-44-196-12-× (努力値)
濁流
ムーンフォース
黒い霧
守る


f:id:ykhr7:20190518075727p:plain
Tapu Fini @ Waterium Z
Ability: Misty Surge
Level: 50
EVs: 252 HP / 44 Def / 196 SpA / 12 SpD
Quiet Nature
IVs: 0 Atk / 0 Spe
- Muddy Water
- Moonblast
- Haze
- Protect

裏のエースアタッカー、最遅水Zレヒレ。一般的にウルトラルールで使われるサポーター気質の個体とは異なり、Z濁流でガエンを倒し相手のサイクルを崩すのがこのレヒレの役割です。もちろんミストフィールドを広げるのも重要な仕事です。

トリル下でグラに致命傷を与えたり水Zのベースとなったりする濁流、マンダやレック、イベル、ゼルネに高打点となるムーンフォース、ゼルネのジオコンや味方のネクロの下がったステータスを元に戻す黒い霧、そして守るを採用しました。
熱湯やハイドロポンプではなく濁流を選んだ理由ですが、単体技を主軸とするネクロレックに足りない全体技の要素を少しでもカバーするためです。
また、レヒレの守るはやや珍しい技ですが、これはピンチベリーを持たず耐久面に難のある遅い個体であることから採用しました。敵に集中を掛けられがちなレヒレの守るは初見殺しであり強力です。




カミツルギ


f:id:ykhr7:20190706103947g:plain
格闘Z
ビーストブースト
意地っ張り
145-245-151-×-83-129
84-72-×-×-252-× (努力値)
リーフブレード
聖なる剣
身代わり
守る


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Kartana @ Fightinium Z
Ability: Beast Boost
Level: 50
EVs: 84 HP / 172 Atk / 252 SpD
Adamant Nature
- Leaf Blade
- Sacred Sword
- Substitute
- Protect

対オーガ、ガエン、ディアルガを担います。特に、カイオーガに対面で(避雷針の有無に関わらず)大きな圧力をかけられる点を評価しています。
基本の動きとして、スイクンのS操作を軸に上から攻撃をしかけたり、ガエンの猫騙しや隣のレックウザの圧力を盾に身代わりを張ったりします。

これだけ多くの努力値をAに割いているのは、威嚇込みでも多くのガオガエンを格闘Zの一撃で倒し、ステータス低下分をチャラにするためであり、これにより身代わり込みで相手を詰めるための駒になり得ます。
なお、このカミツルギの役割、調整共にてふさん(@tefu_starkazu)から頂きました!



選出


基本選出

先発: f:id:ykhr7:20190519060257p:plainf:id:ykhr7:20190519060312p:plain
後発: f:id:ykhr7:20190519060325p:plainf:id:ykhr7:20190519060338p:plain

ガエンの猫騙しでネクロのトリル展開をサポートする基本的な投げ方であり、ゼルネレックやグラゼルネ、イベル入りの構築、クロバット入りオーガレックと対戦するときにこの選出を行います。
まず、ガエンの猫騙しと合わせてトリルを張れるかどうか判断。それが出来そうになければ、次のターン、威嚇の入っていないレックの火力で相手の一体を縛りながらトリル起動に繋げられれば望ましいです。なおトリルをすぐに張らずとも、タイプ相性補完を活かしたサイクルとレックの火力を上から押し付けていくスタイルでやり過ごす場合もあります。


ルナアーラ入りの構築

先発: f:id:ykhr7:20190814090717p:plain+f:id:ykhr7:20190814090800p:plainorf:id:ykhr7:20190814091000p:plain
後発: f:id:ykhr7:20190520015348p:plain+f:id:ykhr7:20190814090800p:plain, f:id:ykhr7:20190814090922p:plain, orf:id:ykhr7:20190814091000p:plain

バレルやドーブルといった催眠要素を含まないルナアーラ構築相手にはこれで行きます。
ヒレを先発に投げた場合の説明をします。相手がガエンを初手に投げてきた場合、こちらのレヒレとのS関係を確認。こちらが速ければ守るを挟んで2ターン目にガエンに水Zを決めますし、遅ければガオガエンに引きます(どちらにせよその間スイクンはバークアウト)。後者の動きでは、相手の後発テテフによるサイコフィールド展開とルナアーラの対策を同時に図れます。


対オーガレック

先発: f:id:ykhr7:20190814092757p:plain+f:id:ykhr7:20190814092812p:plainorf:id:ykhr7:20190814092843p:plain
後発: f:id:ykhr7:20190814092902p:plain+f:id:ykhr7:20190814093155p:plain, f:id:ykhr7:20190520015348p:plainorf:id:ykhr7:20190814093225p:plain

追い風や凍える風でs操作を図りつつ、レックウザカミツルギを通せる盤面を目指します。カイオーガを突破もしくは神速で縛ることができれば、ネクロで詰めることも可能です。なお、相手の初手レックウザ投げに備えてスイクンの隣にガエンを置くのも良いかもしれません。


最後に

このパーティにはまだ幾つかの欠点が残されており、世界大会に持っていくには不安が拭えなかったため、今回公開に踏み切りました。しかし、それでもPJCSで結果を残してくれたシュウ君には(もちろんハラサんにも)感謝しています!

数日後に開かれる世界大会ではどのようなパーティ、プレイヤーが活躍するのか、そしてケイさん(@vivalavlade)と僕が彼に託したあるパーティが今年はどれくらい通用するのか。ワクワクドキドキしています……!

世界大会に参加する側のプレイヤー、観戦する側のプレイヤーも共に思い切り楽しみましょう。

ここら辺でお開きにしたいと思います、最後まで読んでいただきありがとうございました。

【WCS2019 Ultra Series】 Meさん式ゼルネレック | PJCSオンライン予選抜け

構築紹介と導入

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ゼルネレック(SDテキスト / Link to Paste)を使い、友人に借りた3DS(ロムは自分のもの)で潜ったPJCSオンライン予選では、27勝3敗、最高最終レート1813で予選を突破することが出来ました。
サブロムを持っていないうえ、ゲーム機を借りて大会に潜っていたことが家族にバレると、レートどころか3DSごと破滅されかねないという、独特の緊迫感に負けることなく上記の成績を残せて嬉しかったです。

なお個別解説や選出につきましては、次の記事やMeさんの記事に任せようと思っていますので、今回は割愛させてもらいます。


戦績



構築経緯


Meさんからの構築提供と改善

全く手応えを掴むことのできないウルトラルールに絶望していたとき、Meさん(@kuronoboss)がDMで声を掛けて下さり、本構築の原案(Link to Paste)を提供してくれたのが今回のスタートです。

原案のメンバーf:id:ykhr7:20190512133059p:plainf:id:ykhr7:20190512133128p:plainf:id:ykhr7:20190512133200p:plainf:id:ykhr7:20190512133208p:plainf:id:ykhr7:20190512133220p:plainf:id:ykhr7:20190512133229p:plain

詳しい構築経緯につきましては、本項目末にあるMeさんの記事をご覧下さい。

ゼルネレックを初手に投げ、鉢巻レックの攻撃が通るか、ゼルネのジオコンが通るかに応じてプランを立てていくのがコンセプトであり、裏に控えることの多いツンデが相手のゼルネに隙を見せた場合の保険となることと、遅いレヒレでトリル下のグラカイを強く睨めることを含めて、とても完成度の高いものでした。

ゼルネやレヒレについて変更は無かったものの、本番に向けMeさんと調整していく中で、以下のような要変更点が挙がりました。

  • レックウザの性格を意地っ張りに(なお最終的にMeさんは陽気に落ち着いた模様)
  • ガエンの持ち物を脱出ボタンに
  • ツンデのワイガを守るに
  • スカーフツルギ(※スカーフテテフ、スカーフオーガに対し奇襲を仕掛ける役割)の枠を別のポケモンに。ゼルネレックが苦手とするメガゲンガーを強く睨めるようなポケモンであれば理想的

上記のような改善が求められた詳しい理由につきましても、本項目末の記事にありますので、是非そちらをご覧下さい。

こうして出来上がったパーティがこちら。カミツルギの枠がメンタルハーブモロバレルになりました。

Meさん式ゼルネレックf:id:ykhr7:20190512184000p:plainf:id:ykhr7:20190512184218p:plainf:id:ykhr7:20190512184229p:plainf:id:ykhr7:20190512184235p:plainf:id:ykhr7:20190512184243p:plainf:id:ykhr7:20190512184254p:plain


ご本人のパーティとの主な違い①

Meさん本人は残りの一枠にサンダーを入れましたが、私はモロバレルのままにしました。というのも、追い風に合わせる形でゼルネレックを運用するより、スイッチトリルを意識した選出に寄せた方が遥かに強かったほか、相手のトリルに引きずり込まれた時、オーガに対応する駒が欠かせないと判断したためです。


ご本人のパーティとの主な違い②

耐久値を高めたレヒレを採用したMeさんに対し、せっかくトリル下で動きやすいレヒレを厳選するのであれば、味方のサポートに回るより、自らアタッカーとなれる個体の方がトリルターンを有効に使えるのではないかと考えました。そこで、Z枠が空いていたこともあり、HD特化ガエンを確1で倒せるラインまでCを高めた水Z型を採用。ガエンを倒すということは、相手のサイクル、テンポを崩すことと同義であり、これが非常に強力でした。


Meさんの構築記事のリンク🔻
count.hateblo.jp

【WCS2019 Moon Series】 INC February パルカニオーガ

はじめに

SDで調子がすこぶる良かったものの、友人に借りた実機で潜った本番のINCでは奮わなかった構築について書いていきたいと思います。
構築名は「猿蟹合戦」をもじって付けました()

また、構築の出来が満足のいくものではなかったため、選出等については省かせてもらいます。

構築紹介


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環境の雑感と構築経緯

ムーンルールが始まった当初、前回のサンルールに引き続く形で環境が作られていました。具体的に言うと、トルネオーガやグライベルが増えており、新たに解禁されたZ技を備えたルナアーラもよく見かけました。
その後、イベゼルネや地面zランド、グラゼルネが数を一気に増やし、グライベルの殆どが淘汰され、環境から消えていくことに……。
そして、ほぼ同時期に開催されたDallas Reogionalや日本の某オフ会にて、sd上位に居座っていたリザードンウルガモス入りの構築が結果を残し、一気に増えていきました。

ここまでの間、壁展開を含むソルゼルネや、ガモス入りのグラゼルネ等をよく使っていたのですが、対グラゼルネやルナゼルネに苦戦しがちだったので、方針を変えることに。

エレキネットや追い風に頼るグラゼルネに対し、トリルからオーガにうまく繋げることができる構築を作れば勝ちやすいのではないかと考え、当初はトリルルナオーガに手を出していました。
ルナアーラは高い耐久・攻撃性能を持つことから、初手に投げた時の安定感は素晴らしいですし、トリルもキッチリ起動してくれるのですが、最大の課題、ルナアーラミラーをどうしても解決することができませんでした。カシブを持たせフリーフォール持ちチョッキコケコ等を横に並べても、相手の追い風軸のルナコケコや、サイドチェンジテテフ入りルナアーラ、相手のトリルルナアーラ等、どうしても対面で不安定となる組み合わせで投げられることが多く、ルナアーラ以外の勝ち方も模索したのですが、自分には厳しかったです。

そこで、ルナアーライベルタルに弱くなく、グラードンカイオーガに圧力を掛けられるトリル要員を探した結果、パルキアに行き着きました。もちろんパルキアの苦手なポケモンとしてゼルネアスが挙がりますが、その素のムーンフォースを耐える程度に耐久を調整すれば、様々な敵を前にしてトリルを張ることができます。

トリル要員ではありますが、sを下げることなくプレッシャーを初手で発動させると、相手のグラードンガオガエンに上から水Zを叩き込ませるような威圧感を与えて、トリルを張る隙を生み出すことができる点を特に評価しています。また、環境に増えていたWolfeのパルオーガに偽装できるところもありがたかったです。

しかし、ゼルネアスと対面すると、十中八九、パルキアのプレッシャーより相手の特性フェアリーオーラから発動するため、トリルを疑われるのが痛いところ。この特性発動順を見て、ゼルネアスにジオコンを先に積ませようとするプレイヤーと、ムーンフォースからパルキアを殴って来るプレイヤーで、経験上、五分五分に分かれていました。

そこでパルキア以外にトリルを張ることができ、大抵のガエンゼルネに後だしから間に合うツンデツンデを採用することにしました。

ここまででパルキアカイオーガ、そしてツンデツンデが確定しましたが、重たいカミツルギ等の物理アタッカーから味方を守り、すぐに後続のトリルアタッカーに繋げられるポケモンが欲しいということで、脱出ボタンガオガエンを選択しました。

残りのカプ・コケコとケケンカニですが、

コケコについては、環境に多くいたチョッキイベルタル、チョッキドクロッグ、ホウオウ、HDガオガエンを不意の一撃で飛ばせるよう物理Z型で、

ケケンカニは、トリル後の草タイプやディアルガ等を処理するための第2のエースとして(当初は適当に)採用しました。


個別解説


カイオーガ

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バンジの実
雨降らし 冷静
207-×-110-222-150-85 252-×-×-252-4-× (努力値)
潮吹き
熱湯

守る


最遅に設定したHC特化型カイオーガです。
技構成は、最大火力となる潮吹き、体力が削れても一定の火力の出る単体水技の熱湯、ミラー意識の雷、そして体力を管理する等の目的での守る、となっています。
メインのトリルアタッカーということで、重しを持たせて相手のガエンやネクロより速く動かし、潮吹きの火力を高く保たせておきたかったのですが、そのようにすると、後述の(第2のトリルアタッカーである)ケケンカニとともに、後攻蜻蛉返りやボルトチェンジからでしか出せないうえ、トリルを起動する前のパルキアの水技の火力を上げるために後出しし辛くなることから、それらを解決するために泣く泣くピンチベリーを持たせました。
(この時点で本構築の欠陥ぶりが滲み出てますね)
ムーンルールは、上向きのs操作やサイクル戦を特徴とするグラゼルネ系統のパーティと、追い風やスカーフを軸に上から攻撃してくるトルネオーガ、ルナゼルネなど、トリックルームとは逆の性質のs操作技を備えたパーティが多く、それらに有利をとりやすい遅いオーガはとても強力でした。



パルキア


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ウイの実
プレッシャー
控えめ
196-×-120-203-159-120
244-×-×-116-148-× (努力値)
ハイドロポンプ
亜空切断
トリックルーム
守る


グラカイやガエンに圧力を掛け、ルナやイベル、ルンパオーガに押し負けない、そしてフリーフォールで妨害されないトリル要員。高い特防と優秀な耐性をもってトリックルームを起動します。また、ピンチベリーを持たせているため、一度体力が削られるとファントムガードを失うルナアーラとは異なり、再度トリル展開を図りやすいのも特徴です。
雨天候の下でグラやガエンを一撃で倒せるハイドロポンプ、そしてタイプ一致技の亜空切断(概ね当たる主力技)をメインウェポンに選びました。電気や炎、氷といった様々なタイプのサブウェポンを覚えられる点もパルキアの強さではありますが、そのような攻撃範囲は毛ガニやコケコに任せ、タイプ一致による等倍の火力を優先しました。しかし、両技共に命中率に不安を抱えていますからオススメはしません()



ガオガエン

f:id:ykhr7:20190302074108g:plain
脱出ボタン
威嚇
腕白
202-136-132-×-119-94
252-4-76-×-68-108 (努力値)
フレアドライブ
叩き落とす
蜻蛉返り
猫騙

  • H-B:
    1. 222グラードンの75%断崖の剣を確定耐え
  • H-D:
    1. 残り
  • S:
    1. 最遅98族抜き、無振り75族抜かれ


相手のガエンより先に猫騙しを撃ち、トリル起動後は後攻蜻蛉返りを決めるためSは高めに設定。またパーティ全体を見ると、地に足の着いたメンツで固められていることから、少しでもグラに対して延命できるようH-B基調に調整しています。
脱出ボタンについて。本構築の2体のトリルアタッカーは後出しに向かないことから、蜻蛉返りの他に脱出ボタンを持たせることで、それらを無傷のまま場に送りだし易くなります。さらに脱出ボタンは、蜻蛉返りとは異なり、1ターンの間に猫騙しを決めつつ味方に引くことが可能となるため、限られたトリルターンを有効に使うのに大きく貢献してくれます。環境中にバークアウトを覚えたガエンがそこそこ多かったこともあり、猫騙し+脱出ボタンの発動という一連の動きはよく決まりました。
最後に悪技の叩き落とすについて説明します。脱出ボタンを持っていることから、このガエンが場に残る時間はあまり長くなく、前述の通り、敵の攻撃をなるべく受けたくないトリルアタッカーが裏に控えていることが多いため、相手の火力を削ぐバークアウトより、ルナアーラへの打点がより大きく、場合によっては敵の突撃チョッキを除いてオーガの攻撃を通しやすくなる叩き落とすの方が適当だと考え採用しました。



ケケンカニ

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黒い鉄球
怪力バサミ
勇敢
177-202-98-×-114-43
36-252-4-×-212-× (努力値)
インファイト
アイスハンマー
ワイドガード
守る


まず、ケケンカニとはどういうポケモンなのか。毛ガニについて綺麗にまとめてあるへきさんのツイートを、許可を頂いたので、以下に掲載させてもらいます。

上のメモの内容をまとめると、ケケンカニとは、トリルオーガで突破し難い草や鋼タイプに強く、威嚇が効かない超鈍足アタッカー、ということです。しかし、氷と格闘の複合タイプであることから耐性が乏しく、元々の耐久値も高くないことから、後出しをしたり受けに回ったりするのが非常に苦手です。つまり、体力が削れると潮吹きの火力が下がるカイオーガ同様、場に投入するタイミングを図るのがとても難しく、欠点として、短いトリルターンを上手く活用し切れない可能性があります(その点は後述の脱出ガオガエンで解決しています)。

さて、本構築の毛ガニについてですが、重しを持たせることで、トリル下でナットレイモロバレルよりも速く動いたり、相手のツンデツンデからのジャイロボールの火力を下げたりしました(以前はチョッキドクロッグディアルガを一撃で葬るために命の珠を持たせていましたが、それ以外の役割対象に対しては確定数が変わらないことが多かった)。味方のカイオーガの潮吹きを通すため、厄介な敵を上から一撃で倒せる点は評価できますが、トリルターン中に毛ガニとオーガを並べること自体難しく、やはり課題が多かったと今振り返ってみても感じます。
なお、ワイドガードは、トリルの切れた状態でコケコを通したり、再度トリルを使ったりするために採用しましたが、殆ど出番がありませんでした(雨乞いや投げ付けるをこの技枠に入れていたこともあります)。




カプ・コケコ


20180808115819
電気Z
エレキフィールド
陽気
152-154-106-×-119-181
52-148-4-×-188-116 (努力値)
ワイルドボルト
ボルトチェンジ
挑発
守る


HDガエン、チョッキイベルタル、チョッキドクロッグ、壁レヒレなどの厄介な敵を不意の物理打点で一掃するコケコです。トリルオーガ軸に組み込むため、耐久を底上げし、トリル状態での後攻ボルチェンを決めやすいチョッキを持たせるかどうか悩みましたが、前述のポケモンたちの突破手段が乏しかったので、電気Zでの採用を優先しました。また、相手のオーガを睨んだり、催眠対策をしたりする役割もあります。
調整は、物理方面は日本の某強プレイヤーさんのものを、特殊方面は南米プレイヤーAgatiが教えてくれたものをそれぞれ参考にし、HDガエンをZワイルドボルトでギリギリ倒せる範囲で配分。
技は、主力のワイルドボルト、少しでも交代際にクロバットトルネロスを削るボルチェン、そしてゼルドーの並びに起点にされないための挑発を選びました。



ツンデツンデ

f:id:ykhr7:20190302075418g:plain
メンタルハーブ
ビーストブースト
勇敢
168-169-231-×-151-16
252-20-×-×-236-× (努力値)
岩雪崩
ジャイロボール
トリックルーム
ワイドガード


基本選出となる先発のパルガエンやパルコケコ投げでは、トリルを張っても、相手のゼルネアスに裏に控えている毛ガニやオーガの攻撃が通り辛いということと、相手のガエンゼルネ先発に苦戦するということを考え、それらへのフォローが効きやすいツンデツンデを採用しました。
かつてルナオーガで組んでいたとき、敵のルナコケコに翻弄されないトリル要員として調整していた個体なので、ここまでD方面に厚く振ってあります(本構築では、最初のトリル起動をパルキアに任せるため、先の調整が活きる場面はあまりありません)。

【WCS2019 Sun Series】 グラゼルネ 後編 (選出方法/試合の感想)

選出方法

基本選出①

ゼルネアスを通せる時の投げ方。
先発: f:id:ykhr7:20181130004302p:plain+f:id:ykhr7:20181130004225p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181130004200p:plain+f:id:ykhr7:20181130004313p:plain

カイオーガが相手のパーティにいるときは、ガオガエンから交換することで、カイオーガに圧力をかけて切り返したり、猫騙しでゼルネアスをサポートしたりできるルンパッパを裏に仕込んでおきます。ガオガエンを引いている間、下手にジオコントロールを積もうとするのではなく、守るを挟みつつ、猫騙しに合わせられるタイミングで積むのが基本です。
グラードンは攻撃の要になったり、耐久の高さを生かした防御の要(サイクル中のクッション)になったりします。
なお、ゼルネアスにメタをガッツリ張っている(バレルやツンデなどを採用している)パーティに対しても、イベルタルが採用されていればこの選出でいきます(ジオコントロールではなくムーンフォースから選択)。


基本選出②

ゼルネアスがなかなか通らないパーティを相手にするときの投げ方です。
先発: f:id:ykhr7:20181130004455p:plain+f:id:ykhr7:20181130004506p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181130004412p:plain+f:id:ykhr7:20181130004437p:plain

これは、テテフツルギ(有名なカ・エールさんのディアオーガ構築に入っているものは、テテフがサイコシード、ツルギが襷を持っている)や、日食ネクロズマなどの採用されたパーティと戦うときの投げ方です。ゼルネアスが積んでも耐えられるうえ、すぐに殴り負けるようなパーティにはグラガエンから入りましょう。
試合の最中、ゼルネアスの苦手とするポケモンがこちらのグラやガエンを前にして手持ちに引いていく、もしくはグラとガエンの攻撃によって倒されていった場合、空かさずガオガエンの蜻蛉返りからゼルネのジオコンに繋げることもあります。




対オーガゼルネ


https://t.co/LBP6JOhlM4
先発: f:id:ykhr7:20181130083312p:plain+f:id:ykhr7:20181130083326p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181130083349p:plain+f:id:ykhr7:20181130083442p:plain
別の人のリプレイですが、対トルネロス入りゼルネオーガと戦うときにとても参考になります。
この選出では、ツンデは相手のトルネに挑発を誘いながら守り、コケコはオーガ方向にボルトチェンジを当て潮吹きの威力を大きく下げつつ、ガエンに交換します。2ターン目にはツンデツンデを引く、あるいは、相手のカイオーガが引いてかつトルネロスに挑発を撃たれるのを読み、岩雪崩を撃たせるのが良いと思います(というよりむしろツンデの持ち物をメンタルハーブに変え、ガエンの猫騙し+トリルを狙うべき)。
なお注意事項として、ツンデツンデトリックルームを起動するのには、どうしてもカイオーガの水技とトルネロスの挑発が障害になるので、猫騙しと合わせたりカイオーガを縛ったりする必要があります。気をつけたいところです。


もしくは、
先発: f:id:ykhr7:20181202151030p:plain+f:id:ykhr7:20181202151041p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181202151117p:plain+f:id:ykhr7:20181202151130p:plainorf:id:ykhr7:20181202151140p:plain

以下、相手の先発によって場合分けして解説します。

トルネオーガ:
ルンパッパでトルネロス猫騙しを撃っている間に、ゼルネアスでジオコントロールを決めます。なお、この構築のゼルネアスはカイオーガの最大火力75%潮吹きを確定で耐えることができます。次のターンは、ゼルネアスのムーンフォースとルンパッパの凍える風を集中し、トルネロスを確実に落とします(この時ゼルネアスがカイオーガに落とされても構いません)。相手のトルネロスを落としさえすれば、積んでいない相手のゼルネアスにルンパッパが縛られることはないため、残ったカイオーガに圧力をかけ続けることができます。相手のゼルネアスについては裏のツンデツンデで詰めます。

ガエンゼルネ:
ルンパッパは猫騙しを相手のゼルネアスに、こちらのゼルネアスはジオコントロール。仮に相手のガオガエンが蜻蛉返りでモロバレルに戻ったとしても、次のターンにゼルネアス守る、ルンパッパ凍える風から入れば、ゼルネアスの+2サイコショックモロバレルを縛れるようになります(ウタンバレルを考慮していないので考察不足です)





対ディアオーガ


(テテフツルギ入り)
https://t.co/Z2mCxU3MSZ
https://t.co/N0gDeiiHsh
https://t.co/zJhcGFqZfL
先発: f:id:ykhr7:20181130004455p:plain+f:id:ykhr7:20181130004506p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181130004412p:plain+f:id:ykhr7:20181130004437p:plain
1つ目と2つ目のビデオの対戦相手は、現在sd1位Siswetのサブアカウント……かもしれません。
テテフツルギの入ったディアオーガには、選出②でいきます!テテフに下げられて猫騙しが通らない可能性があることと、相手のガエンにとんぼ返りからカイオーガへ引かれて次のターンに苦戦する危険性に備えることを考えると、こちらのガエンには猫騙しでなく蜻蛉返りをグラードンの炎技と集中するよう指示し、早急に襷ツルギを処理するのが得策です。この時、次のターンのディアorオーガの展開に備え、蜻蛉返りからルンパッパに引くと良いと思います。
また2つ目の試合では、ルンパッパが落とされた後、繰り出したゼルネアスにジオコントロールを積ませていますが、これは前のターンでカイオーガが雷で拘り、テテフとの集中を耐えられると踏んだからです(カ・エールさんの構築に入っているオーガは眼鏡持ちの時が多いので、なるべく覚えておきたい)。
4つ目の試合は、相手のディアルガトリックルームに巻き込まれる、かつモロバレルに対抗する場合の戦い方です。ガオガエンをルンパッパと切り替える、かつ味方の守るをしっかりと挟むことができればトリル状態のモロバレルの前でも動かせます。


(テテフツルギなし)
https://t.co/RlNS6RaO4m
https://t.co/ciCqiJyabA
先発: f:id:ykhr7:20181130004302p:plain+f:id:ykhr7:20181130004225p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181130004200p:plain+f:id:ykhr7:20181130004313p:plain
テテフツルギがいなければ選出①で大丈夫です!トリルを許しても粉の通らない猫騙し持ちのルンパをガエンと回すことで、ゼルネアスを延命しながら戦えます。それゆえトリル中はゼルネアスの守るのタイミングと、隣のガエンルンパの猫騙しの回し方に気を払ってもらえれば、と思います。


(テテフツルギなし)
https://t.co/edfC7P1Mmz
先発: f:id:ykhr7:20181130004302p:plain+f:id:ykhr7:20181130004225p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181130004200p:plain+f:id:ykhr7:20181130004313p:plain
いわゆるトルネオーガとディアルガの組み合わせです。こちらもテテフツルギが入っていないので、基本選出①でいきましょう。
本試合のような戦い方でなく、1ターン目にガエンをルンパに下げつつ(蜻蛉返りではなく普通に交換)ゼルネは守る、そして2ターン目にトルネロスの挑発を猫騙しで防ぎながらジオコントロールと動くのが良いです。なお今回のリプレイにヘドロ爆弾を覚えた珍しいトルネロスが出てきますがあまり気にしないでください。




対ルナオーガ


https://t.co/BzkVtzpYR0
先発: f:id:ykhr7:20181130004302p:plain+f:id:ykhr7:20181130004225p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181130004200p:plain+f:id:ykhr7:20181130004313p:plain
ルナアーラカイオーガに刺さるバークアウトを撃てるガオガエンと、一度ジオコントロールを積めれば一気に削れるようになるゼルネアスから先発します。しかし今回の相手のパーティは、ツンデツンデモロバレルでゼルネアスを強烈にメタっているので、積むことから入るのではなく、ムーンフォースでの削りから入るのが良いと思っています。下手に積んだせいでゼルネアスを引くに引けなくなり、サイクルが止まってしまう方が脆い展開になりやすいからです。


https://t.co/JKAPQE21ys
ギリギリでした。1ターン目は相手のガエンがとんぼ返りや猫騙しを挟まずにラランテスに引いてくることを恐れて、ガエン方向にフレドラを撃ちました。試合終盤のジオコン後のゼルネvsルナオーガとなり、オーガが守っている間にルナアーラで再度トリルを張りに来ると予想し、オーガを放置しましたが、ムーンフォースのCダウンを追加で引いてなかったら負けてました……。


(テテフツルギ入り。ただしガエンゼルネ先発)
https://t.co/oSpmG7UD39
https://t.co/ABwPBD8QMR
https://t.co/oSpmG7UD39
テテフツルギも入っていますが、この場合はルナテテフ先発を警戒します。グラードンを出すと上からエスパー技が2つ放たれ、一気に削られるのが気に入らない(グラードンはHP管理を丁寧にしてサイクル中のクッション材にもできる)ので、泣く泣く選出①で行きます。
ゼルネアスはジオコントロールを選択しても、相手のルナアーラが追い風を選ばない場合、つまりエスパー技をテテフと重ねて殴ってくる、もしくはトリルを起動してくるとまるで役に立ちません。そこでゼルネアスには、やや捨て気味にテテフ方向にムーンフォースを撃たせながら隣のガエンでバークアウトを浴びせます。このように、テテフを瀕死すれすれまで弱らせておくと、後々雨下のルンパや、(相手のルナアーラが起動した場合の)トリル下のガエンがテテフを縛れるようになります。ルナアーラはバクアで弱らせれば引くか、腐ったまま場に残すしかないのであまり意識しなくて大丈夫です(ガエンで詰ませられるため、敢えてゼルネの攻撃を集中させずに火力を腐らせておく)。

それか、1ターン目にゼルネアスを捨て気味に動かすのではなく、ゼルネアスが守りつつガオガエンでバークアウトを撃つのも良いかもしれませんね!

総括ですが、ルンパで弱ったテテフ、カイオーガを縛れるように、事前にテテフを弱らせ、ルナアーラの火力を弱体化させ、ツルギを仕留めておけば勝てます。




対日食ネクロオーガ


https://t.co/pHJm13tTpe
先発: f:id:ykhr7:20181130004455p:plain+f:id:ykhr7:20181130004506p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181130004412p:plain+f:id:ykhr7:20181130004437p:plain
基本選出②にも書いた通り、日食ネクロズマやツルギテテフ(大抵の場合、前者が襷、後者がサイコシード)が見えている場合はゼルネアスが殆ど通らない、投げたとしてもムーンフォースを一発撃ち込むだけで出落ちする形になりますので、グラガエン先発でいきます(初手の対面で相手の威嚇をグラードンに浴びせたくない場合、ガエンゼルネを選出後、すぐにゼルネをグラに引く動きを取るのはアリ)。カイオーガが来たときのケアはルンパで十分です。さらに言えば、物理アタッカーからの打点はガエンの威嚇で事前に下げておくべきです。万が一トリルから来てもグラガエンルンパで的確に回していければ勝てます。


https://t.co/Th3tJY2NEs
クロバットカイオーガ先発を警戒して空振った投げ方をしましたが、悪くなかったですね(笑)。トリルの切れた7ターン目にゼルネにジオコンを積ませれば勝てていた試合だったので、僕のプレミです。なお、クロバットの入らない日食ネクロオーガに対しては、選出②を採用してガエンのとんぼ返りから盤面を整えていくことが大切です。




対イベルオーガ


https://t.co/xSfEjSGdpW
https://t.co/OKgBlmY3Y4
先発: f:id:ykhr7:20181130004302p:plain+f:id:ykhr7:20181130004225p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181130004200p:plain+f:id:ykhr7:20181130004313p:plain
ゼルネアスを通しやすい相手であるため、ガエンゼルネを先発に。カイオーガライチュウのような並びが来た場合に備えて裏にルンパを仕込むことで、ガエンバックから次のターンにゼルネアスを展開できるようにします。2ターン目は、後投げされたルンパッパでカイオーガに圧力を与えつつ、ライチュウ方向に猫騙しをしアンコールの縛りを解除しています(カイオーガが引かない可能性もあるため最善策とは言えないかもしれませんが、こちらのゼルネはオーガからの最大火力の潮吹きを耐えられます)。レッドカードメタモンやほっぺすりすりライチュウなど、ゼルネアスの障害になるポケモンが相手のパーティ内には多いですが、積んだ後のゼルネアスを守らせている間にルンパッパで削りを入れさえすれば、ライチュウやバレルなどに怯えることなくゼルネアスを通せます。




対オーガレック


https://t.co/u7oNlbZeSz
先発: f:id:ykhr7:20181130090330p:plain+f:id:ykhr7:20181130090341p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181130090356p:plain+f:id:ykhr7:20181130090409p:plain
このルールのレックウザにはあまり詳しくないのですが、チョッキを持った両刀型に何度か遭遇しています。広い攻撃範囲で弱点を突き、弱ったところを神速で倒すといった動き方でした。
上の試合ではコケコとルンパを先発させ、レックウザのエアロックが発動するしないに関わらず、オーガに苦戦しないようにしました。オーガが引いたタイミングでツンデを投げてトリルを張ることができれば、グラードンと並べて一気に片付けられたのですが、レックとグロスの攻撃範囲に縛られてしまい苦しい試合でした。




対グラゼルネ


(ドータクン入り)
https://t.co/F6Vk1fO1Rg
先発: f:id:ykhr7:20181130004455p:plain+f:id:ykhr7:20181130004506p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181130004412p:plain+f:id:ykhr7:20181130004437p:plain
グラゼルネにドータクンが入っているタイプのパーティだったので、初手にゼルネアスは置かず(置いてドータクンを誘うのもアリだったかもしれません)、基本選出②をしました。この試合のように、バークアウトを相手のゼルネアスに一度でも入れられると、ジオコン後のムーンフォースをも耐えられるポケモンが増える(というよりそう調整してます)ので、覚えておいてもらえると助かります!


ドータクンなし
https://t.co/nzUd48iuja
先発: f:id:ykhr7:20181130004302p:plain+f:id:ykhr7:20181130004225p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181130004200p:plain+f:id:ykhr7:20181130004313p:plain
この試合は、相手が裏にオッカバレルを控えていたことに驕りを持っていた、というよりこちらのゼルネアスのサイコショックが隠し玉として刺さったのですぐに決着が付きましたが、実際そんな簡単にいかないことの方が多いです。


この構築のメンバー的に大変悩ましいのですが、グラゼルネのミラーでは、
先発: f:id:ykhr7:20181130004302p:plain+f:id:ykhr7:20181130004225p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181130103515p:plain+f:id:ykhr7:20181130103527p:plainorf:id:ykhr7:20181130103544p:plain
が望ましいのかなぁと考えています。
普通に基本選出①に倣ってゼルネアスを立てていくか、トリルをちらつかせて相手のゼルネアスの処理を速めるか。基本選出①では、できれば相手のゼルネアスにバークアウトを入れたいところ。スイッチトリル狙いの選出では、ガエンゼルネ対面でツンデを後投げすればトリルを起動しやすいですが、グラガエンをいかに崩すかがポイントになりそうです。




対グライベル


https://t.co/UHJxTcznri
先発: f:id:ykhr7:20181130004302p:plain+f:id:ykhr7:20181130004225p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181130004200p:plain+f:id:ykhr7:20181130004313p:plain
グライベル自体についてはサイクル戦を制する、そして欲張らずに適宜守るを挟むことで勝てることが多いのですが、上の試合のようにピンチベリー持ちのクロバットが入るとかなり手前取ります。というよりむしろ、ゼルネアスのサイコショック2発で落とせるように、威嚇の入ったガエンで攻撃を重ねるべきではなかったかもしれません。クロバットには挑発や黒い霧があるので、下手にジオコントロールを選択することなく、攻撃していきましょう。




対グラルナ


https://t.co/kmciejTNer
先発: f:id:ykhr7:20181130004302p:plain+f:id:ykhr7:20181130004225p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181130004200p:plain+f:id:ykhr7:20181130004313p:plain
Wolfeのパーティを模したものかもしれません。Wolfe式の場合、瞑想と月の光でルナアーラが要塞化してきますが、ガエンでバクアを適宜加えていけば腐ります。問題は相手のグラードンであり、こちらのガエンを落とされると後の展開が危うくなってきます。そこで今の構築であれば、カミツルギではなく、ルンパッパを裏に控えておくべきです。ルンパは、ガエンの威嚇で弱った地面技を半減で受けつつ、バレルの胞子の一貫を切りながらゼルネアスのジオコントロールをサポートできます。




対グラパル(ヌケニン入り)


https://t.co/7ZAQU8uGuT
先発: f:id:ykhr7:20181130004302p:plain+f:id:ykhr7:20181130004225p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181130004200p:plain+f:id:ykhr7:20181130004313p:plain
ヌケニン入りのグラードン構築が最近流行っていますが、鉢巻グラードンで相手のガエンを早々と失わせヌケニンで詰ませにいくのが狙いです。つまり、ガオガエン入りのパーティに対しては、威嚇を入れればグラードンからの打点は怖くないというプレイヤーの心理を逆に利用するため、グラードンを間違いなく初手に投げてきます。そこで基本的に、先発のガエンで威嚇を入れ、後発のルンパでグラードンの断崖の剣を半減で受けていくのがベストなやり方になります。しかし、今回の相手はサンパワーリザードンが控えているパーティであったため、ガエンの隣にコケコをおくことで、初手に投げられるかもしれないリザードンを縛ろうとしていました(偶然にもあっけなく試合が終わった)。




対ルナゼルネ


https://t.co/uw4o27RLjl
先発: f:id:ykhr7:20181130085325p:plain+f:id:ykhr7:20181130085309p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181130085337p:plain+f:id:ykhr7:20181130085349p:plain
先発の2匹についてですが、コケコでドーブルの催眠を対策しつつルナアーラのファントムガードを剥がし、ガオガエンルナアーラやゼルネアスの火力を下げます。隙を見て、というより上の試合のように、ガエンをツンデに交換→コケコのボルトチェンジ先にガエンを選ぶ動き方をすれば、ゼルドーにはとても対応しやすいです




対イベゼルネ


https://t.co/o3psgEigZ7
先発: f:id:ykhr7:20181130004302p:plain+f:id:ykhr7:20181130004225p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181130004200p:plain+f:id:ykhr7:20181130101842p:plain
イベルタルに素でも良いのでムーンフォースを初手から撃ち込めるよう、ゼルネアスは先発に置きたいです。というよりむしろ同速負けして叩き落とされる可能性があるくらいなら、普通に殴ってください。
(この時のパーティにはツンデツンデが入っていなかったのですが)イベルタル、ゼルネアスは共にツンデツンデに弱いため、ツンデを後ろに置くのが得策です。おそらく、ツンデツンデを見てカポエラーを選出してくると思いますが、こちらもガオガエンの威嚇と蜻蛉返りでサポートしたり、ゼルネアスでうまく睨めんだりできるよう、しっかりパーティを回したいです。

なお、上の対戦では、カポエラーはこちらのガエンに先手を取って猫騙しを撃てるポケモンということで、さらにその上を取ろうと選出①のガエンをルンパに変えて投げたのですが、これがダメでした。バレルやイベルタル相手に苦しくなりますし、ガエン程場持ちが良くありません。リプレイのような選出を真似しないでください(笑)




対ジガルデソルガレオ


https://t.co/6w45GPFrbW
先発: f:id:ykhr7:20181130083713p:plain+f:id:ykhr7:20181130083726p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181130083745p:plain+f:id:ykhr7:20181130083757p:plain
珍しい投げ方ですが、これは、ジガルデに打点が取れたり敵の凍える風と相殺が効いたりするルンパと、威嚇で相手のジガルデの攻撃のスタートを送らせるガエンを先発に投げたものです。削りをうまく入れてからゼルネアスに引けばジオコンを積むことなくムンフォでジガルデを落とせますし、レヒレは少しダメージを負わせればジオコン後のムンフォで落とせます。あと、この手のソルガレオは、メテオドライブ馬鹿力トリル守るという技構成を採っていることが多いので、ガエンとグラードンを温存してトリル展開にも気を配りましょう。グラードンは相手にとって厄介なポケモンなので、ジガルデソルガレオにはフシギバナが入ることも多く、その場合はフシギバナを早く落とすようダメージを蓄積させましょう(襷持ちの可能性が高いるため、ガエンのフレドラやゼルネのジオコン後のサイコショック一発では怪しい)。




対ゼルネアスソルガレオ


https://t.co/4P2VaLpG2P
先発: f:id:ykhr7:20181130083835p:plain+f:id:ykhr7:20181130083847p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181130083902p:plain+f:id:ykhr7:20181130083916p:plain




対日食ネクロレック


未定。。。日食ネクロズマを警戒して基本選出②になりそうだが……




ディアルガホウオウ


https://t.co/O9BZ3rY5pV
先発: f:id:ykhr7:20181130092521p:plain+f:id:ykhr7:20181130092534p:plain
後発: f:id:ykhr7:20181130092615p:plain+f:id:ykhr7:20181130092627p:plain
先発にグラツンデを投げて、ツンデ守せつつグラをガエンにバックしてからトリルを決めるのもありですし、このリプレイ通り、ゼルネでホウオウ以外を潰した後にコケコで詰めるのも良いと思います。ただ今の構築のコケコはこの対戦時と異なりチョッキ持ちですから、火力面に不安が残ります。コケコの選出は、飽くまで催眠対策と、そこそこホウオウを削れる点くらいに意味を見出だすべきです。

【WCS2019 Sun Series】 グラゼルネ 前編 (個別解説まで)

はじめに

2019ルールでの投稿になります、Lacquer(ラッカー)です。今回はshowdown!でうまくいったことを報告したいと思います、よろしくお願いします。
大会前に身内に使い方を徹底的に伝えるにあたってこのブログを使ったため、選出方法の項目が長くなり過ぎてしまい、構築の個別紹介までの前編と、選出についての後編に切り分けています。
なお今回のデザイン編集は、雨サナツンデ簡略版の記事のそれに寄せて少し見易くしているつもりです。


構築紹介とSDテキスト


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【Groudon Xerneas: Link to Paste

一般的なグラゼルネとグライベルのパーティを足し合わせ、そこにルンパッパを差し込んだ形になっています。


構築経緯

サンルールが始まった頃、Keiさんが構築したイベルオーガ軸のパーティをひたすらアレンジしていった結果行き着いたものです。そのパーティのコンセプトは、イベルとガエンで相手の火力を削ぎ落とし、オーガとツンデの火力をもって殴っていくというものでした。

環境の中心にいるガエンとゼルネに強いツンデに着目し、どのような取り巻きでまとめていけば強いのか。そのことを考えていく中でオーガよりもグラと組ませた方が、対ゼルネオーガが安定する(その他諸々)といった利点が多いことに気付きました。
そして、グライベルで組んでいた頃は、相手のソルガルデやイベルタルが重くなりがちである点に嫌気が差し、イベルタルをゼルネアスに変更。
ここまでで手薄くなってしまったオーガ軸と催眠技に備えるため、ルンパとコケコを加え完成しました。



戦績

2018年11月27日現在、INC直前期の違法バトルシミュレータのレートです。今回の構築に至るまでの長い間、強くないパーティでひたすら迷走していたので総合のGXEが低いです、ご容赦願います。

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パーティコンセプト

オーガ軸を中心に様々なパーティが入り乱れているサンルールですが、それらのほぼ全てに対応できることを目指して作った構築です。最終的にガエンゼルネを通せるよう、サイクル戦を勝ち抜きます(無理にジオコントロールを積まない姿勢が大切)。苦手なオーガ軸は選出段階のルンパやコケコで惑わし、鋼枠やトリックルームなどについてはガオガエングラードンで対応します。それゆえ、火力の高さを重視した配分や、上から押し倒すような戦い方は今回採用していません。

詳しくは個別解説や選出方法(後編へ)の項目にて詳しくお伝えします。



個別解説


グラードン

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持ち物: オボンの実
特性: 日照り
性格: 意地っ張り
実数値: 190-200-162-×-131-126
努力値: 116-92-×-12-164-124
技: 断崖の剣 炎のパンチ 剣の舞 守る

H-B:
A233カミツルギリーフブレードが76.8%〜91.5%で確定耐え、-1状態のA233カミツルギリーフブレードが51.5%〜61%でオボンの実込みで確定3発、A154ガオガエンの晴れフレアドライブが52.1%〜61.5%でオボンの実込みで確定3発、A222グラードンの拘り鉢巻き75%断崖の剣をオボンの実込みでほぼ2発耐え(ワイルドさんの記事より引用)
H-D:
C156ルンパッパの命の珠晴れハイドロポンプとC222カイオーガの晴れ75%しおふきをオボンの実込み耐え(ワイルドさんの記事より引用)、C157ルンパッパの草結びを最高乱数以外耐え、c201ゼルネアスの+1(ジオコン後にバクア一回込み)ムーンフォースを最高乱数上2つ以外耐え
S:
※準速70族抜きを抜く実数値124程度で良かったのですが、その場合の余った努力値の有効的な振り分け方が思い付かず、参考元の配分のままになっています。

グラードンは、元々ツンデツンデをメインに構築を作っていたとき、カイオーガと比べグラードンの方がより石垣の苦手な相手に対応しやすい、と考えて使い始めたポケモンです。
調整については上にも書いてありますが、ワイルドさんのレシラムグラードンの記事から拝借したものです、ありがとうございました。持ち物のオボンの実は、絶妙に威嚇込みのカミツルギリーフブレード+αをうまく耐えられる場面を作ってくれることが多く、これに大変助けられました(ピンチベリーでは発動前に押し切られてしまう)。
グラードンと言うポケモンがどのように強いのか、サンルール当初はこれがよく分からなかったため、カイオーガを軸にしたパーティばかりを使っていました。しかしグラードン軸を回してみた結果、地面技の通りの良さとその高い耐久値のおかげで、カイオーガとは異なり、攻撃と防御の要として機能するということが分かりました。また、雨から天候を書き換えることで、トリル下のルンパッパの素早さをコントロールしたり、ガオガエンの炎技の火力を底上げして不意の一撃を与えさせたりと、味方のサポートを兼ねられる点も嬉しいです。
メインウェポンの断崖の剣は、その命中に難があるため物議を醸していますが、両方に外しさえしなければ良しという場面が多いので僕はあまり気にしていません(そもそも、メインのアタッカーとしてグラードンを採用していないからなのかもしれないが)。



ゼルネアス

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持ち物: ゼルネアスナイト
特性: フェアリーオーラ
性格: 臆病
実数値: 205-×-116-176-122-166
努力値: 28-×-4-196-28-252
技: ムーンフォース サイコショック ジオコントロール 守る

C:
220-103モロバレルへの+2サイコショックが93.6%〜110.9%で中乱数一発(62.5%)、192-101クロバットへのジオコン無しサイコショックが55.2%〜65.6%で確定2発、200-154ガオガエンへの+2ムーンフォースが81%〜96%
H-D:
C222カイオーガの雨75%潮吹きが83.9%〜99.5%で確定耐え
S: 最速

"ゼルネアスナイト"はパワフルハーブのことです。
グライベルを参考にしていた頃、レヒレ入りのジガルデソルガレオクロバットの黒い霧で誤魔化すやり方に嫌気が差したり、イベルタルに対して打点を持てるポケモンが多めに欲しいと考えたり……。その結果、イベルタルが抜けてこのポケモンが加わりました。
控えめでなく臆病最速型を選んだのは、ミラーで少しでも上からムーンフォースを撃ち込んでcダウンを狙ったり、より多くのイベルタルを何もさせずに倒したりするためです。相手の盤面を見て、ジオコントロールを積むべきか、積まずにムーンフォースで殴るべきかをしっかり判断する必要があります。
サイコショックを採用したのは、マジカルシャインを切り身代わりを入れる個体に感化されたものであり、タイプ的な攻撃範囲を増やすのはアリかもしれないと考えたからです。エスパー技に本来弱いはずのモロバレルは、ウタンの実を持っていることが多々あるため、サイコショックの役割対象とは言い難いです。しかし、チョッキドクロッグクロバットフシギバナウツロイド(そしてオッカバレル)といった毒タイプのポケモンに対し、ジオコントロール後であればゼルネアス単体で対応し易いという意味で非常に強力でした。



ルンパッパ

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持ち物: ウイの実
特性: すいすい
性格: 控えめ
実数値: 176-×-91-126-131-118
努力値: 164-×-4-36-84-220
技: 熱湯 草結び 凍える風 猫騙

C:
175-161カイオーガに草結びが61.7%〜73.1%、200-156ガオガエンに雨熱湯が確定2発
H-B:
c182テテフのフィールド込みサイコショックが76.7%〜90.9%で確定耐え(ピンチベリーが必ず発動)、c189ルナアーラのフィールド込みサイコショックが80.1%〜94.3%で確定耐え、a154ガオガエン-1蜻蛉返りが34%〜40.9%
H-D:
c183ゼルネアスの+1ムーンフォースを84%〜99.4%で確定耐え、c222眼鏡カイオーガの雨75%潮吹きが確定3発
S: スカーフ最速カイオーガを雨状態で抜ける

相手のカイオーガに後出しできること、そして最大火力の潮吹きを撃たせないことを両立しやすいポケモンとして組み込みました。
持ち物にピンチベリーを選んだのは、猫騙しの施行回数を稼いだり、サイクル戦の中で相手の水、地面、鋼、草技を受ける回数を増やしたりするため。

グラードン入りのパーティだと、草タイプの枠としてフシギバナカミツルギモロバレルが採用されがちですが、対雨性能に怪しさを感じる場面が多いです(オーガの隣にいることの多いルナアーラや日食ネクロズマに苦戦するほか、オーガ自身の強力な特殊技にs操作も相まって押されがち)。モロバレルについてはウタンの実を持たせれば問題なさそうですが、草結びでダメージを与えて潮吹きの火力を下げる、もしくは眠らせて行動不能にするまで行動に猶予を与えてしまいます。

また、猫騙しを挟みつつ、ガオガエンとサイクルを回すことで、トリル下でも相手のモロバレルの胞子を適宜シャットアウトしたり、ディアルガカイオーガなどの攻撃をいなしたりしながら、味方のサポートやトリルターンの時間稼ぎができる点も高評価です。



ガオガエン

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持ち物: フィラの実
特性: 威嚇
性格: 慎重
実数値: 200-135-116-×-152-80
努力値: 236-×-44-×-228-×
技: フレアドライブ バークアウト 蜻蛉返り 猫騙

H-B:
a222珠グラードンの-1(威嚇込み)75%断崖の剣が最高乱数以外耐え
H-D:
c183ゼルネアスの+2ムーンフォースを最高乱数以外耐え(6.3%で確定1発)、c222カイオーガの-1雨75%根元の波動が69%〜82%で確定耐え

威嚇、猫騙し、後攻蜻蛉返りといったパーティに欲しい要素を一匹で満たしてくれるポケモンです。ゼルネのジオコンやツンデのトリルをサポートしたり、天候を持続するのに欠かせませんでした。また、グラードンの項目で既に述べたことですが、攻撃面では、グラードンの日照りでフレアドライブの火力を一気に高めることができるため、晴れ状態の間はアタッカーとして役割をシフトさせられます。

持ち物のフィラの実は、ゼルネがジオコンを使う以前にバークアウトを当てることで、体力が少し削れても+1状態のムーンフォースを耐えられることから、その発動機会は多く、特殊耐久だけ底上げする突撃チョッキよりも使い勝手が良いと感じました。

このパーティにおけるガオガエンのメインの役割は、相手の火力を下げながら受け回すことなので、火力面ではなく耐久面に調整の重きを置いています。元々はジオコントロール後のc183ゼルネアスのムーンフォース確定耐えにしていましたが、珠グラードン相手に苦戦した過去の経験から調整をやや変更しました。



カプ・コケコ

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持ち物: 突撃チョッキ
特性: エレキメーカー
性格: 臆病
実数値: 169-×-106-125-106-187
努力値: 188-×-4-76-84-156
技: 10万ボルト エレキネット ボルトチェンジ 目覚めるパワー炎 (フリーフォール)

C:
残りの努力値を振り切ったもの。192-101クロバットにフィールド補正込み10万ボルトが最低乱数切り(93.8%)で確定1発、175-161カイオーガに同条件下の10万ボルトが68.5%〜82.2%、201-126イベルタルに同条件下の10万ボルトが75.6%〜90.5%、142-72チョッキカミツルギに目覚めるパワー炎が76%〜90.1%
H-B:
a222グラードンの-1(威嚇込み)75%断崖の剣が82.8%〜99.4%で確定耐え
H-D:
c222カイオーガの雨75%潮吹きが78.6%〜92.8%で確定耐え、c167フシギバナの珠ヘドロ爆弾が82.8%〜98.2%で確定耐え、c201ゼルネアスの+2状態の75%マジカルシャインが 66.2%〜78.6%で確定2発
S: 最速エンニュート抜き

グラゼルネガエンルンパで回していたところ、フシギバナドーブル入りルナゼルネ、トルネ入りゼルネオーガ、そしてクロバットトルネロスファイアローといった浮いているポケモンに苦戦することが多発。そこで、催眠対策と大きい電気打点を兼ねられるコケコに着目しました。上に列挙した中でも、特に対トルネオーガについては、ルンパッパがトルネロスに弱いことからカイオーガのメタとして機能し辛かったのですが、飛行技に耐性を持つコケコを入れたことにより、その弱点をカバーできるようになりました。

カイオーガフシギバナなど、強力な特殊打点を持つポケモンを前にすることが多かったり、ガオガエンとサイクルを何度も回したりするため、突然チョッキを持たせています。

なお、極端に火力の乏しい配分となっていますが、これは飽くまで、コケコを削りや締めの一押しのための駒として使うことを意識した結果です。



ツンデツンデ

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持ち物: 防塵ゴーグル
特性: ビーストブースト
性格: 勇敢
実数値: 167-201-231-123-16
努力値: 244-252-×-×-12-×
個体値: S0
技: 岩雪崩 ジャイロボール トリックルーム 守る

H-B: a233カミツルギの聖なる剣を確定耐え
S: 最遅

カプ・コケコ同様、ゼルネアス入りのトルネオーガを睨むために加えたポケモンです(詳しくは選出方法の項目で)。

ツンデツンデの最大の強みは、パーティに全く異なる動き方、選択肢を与えられる点と考えています。これは、ゼルネアスに耐性がある、トリックルームを自身で起動できる、さらに岩と鋼タイプの大きい打点を持つため、ツンデ1体だけでガエンゼルネに強くスイッチトリルの展開まで匂わせることができるようになるからです。もちろん相手のガオガエンの威嚇は苦しいですが、こちらもガオガエンを出すことで、そのとんぼ返りや猫騙しのプレッシャーでツンデツンデを十分サポートできます。

なお持ち物についてですが、某プレイヤーさんがブログで公開されていたように、メンタルハーブにした方が断然使いやすいです。(詳しくは次の記事へ)

【WCS2018】 雨サナツンデ | 世界大会34位 Day2 (4-3)

はじめに

VGC2018の構築記事を出すのは今回が初めてになります、Lacquer(@is26yk)と申します。かなり長い文章です、目次のリンクから気になる所へ飛んでお読みください。

今回の構築「雨サナツンデ」はいわゆる雨パーティですが、他の方が公開している雨パの構築記事とは異なる、やや奇抜なメンツを取り入れたものですので楽しんでいただけるかと思います。

本構築は、今年の1月、オーストラリア在住のVGCプレイヤーAlister Sandover選手(@vivalavlade ―以下ケイさん)に提供したものです。

彼は各国の大会でこのパーティを使用し、WCS2018のDay2予選へ招待されるのに必要なCP数(アジア太平洋地域にて3位)を獲得しました。さらに、世界大会直前の大規模な大会(北アメリカインターナショナル)でも好成績をとれたことを踏まえて、Day2でも引き続き使用してもらい、世界ランク34位(4-3)を修めてもらいました!

RankRecordCountryNameTeam
344-320180828191127Alister Sandoverf:id:ykhr7:20180828190236p:plainf:id:ykhr7:20180828190247p:plainf:id:ykhr7:20180828190306p:plainf:id:ykhr7:20180828190324p:plainf:id:ykhr7:20180828190341p:plainf:id:ykhr7:20180828190421p:plain


それゆえ戦績の殆どがケイさんのものであり、自分のものではありません(自分はINC Marchを迎える前に実機と本ロムが再び使えない環境に置かれてしまったため、それ以後は完全にケイさんのサポートに回っていました)。

なお、情報が漏れる(特に海外勢に知られる)ことを避けるため、僕がこのパーティを使って Showdown! に潜ったことは一度もありません。




使用者ケイさんから

はじめまして、ケイ([twitter:@VivaLaVlade])と申します。1月にラッカーさんに雨サナツンデの構築の詳細と立ち回りについて丁寧に教えて頂き、同月に開催されたシンガポールオープンから世界大会まで色んな公式大会で雨サナツンデを使用させて頂きました。雨サナツンデを使用した大会で800cpを稼げたことは、Day2の出場権を獲得できた大きな理由だったと思います。ですから、まずはラッカーさんに感謝の言葉を申し上げたいと思います。改めて本当にありがとうございました。
ちなみに私は1月に渡されたときのサーナイトの配分、H252/B140/C116、この使用感を気に入り今シーズンほぼそのままで使用していました。しかし、Dに振ることによって対雨ミラー、テテフリザYなどへの安定感が湧いてくることに気付き、世界大会に向けてDに振った配分で行くことにしました。
この構築は雨展開だけでなく、サーナイトによるトリックルーム展開もあり、戦術の選択肢が増えたということでBo3にも向いていると思います。オセアニアICが終わった時期に雨サナツンデが勝てる希望が薄くなってしまったが、威嚇ガオガエンの解禁によって強化されたと考えられます(詳しくはブログ後半で)。今年の大会で当たったまともな構築の中で、勝てる気がしなかったのはカエールさんのリザYカビクレセ構築だけがあげられます。それ以外であれば、マンダツルギトドンであろうが、テテフグロスバンギトドンであろうが、無論厳しめな相手ではありますが、プレイング次第で勝てると思います。というわけで、雨サナツンデはWCS2018ルールの一つの強力な構築であり、世界大会に持っていくことは間違ってなかったと信じています。
他にあげられる雨サナツンデの魅力的なポイントは、個人的にコケコの型だと思っています。コケコの役割は、主にボルチェンで削りながら有利な盤面を作ること、そして終盤のスイープであるということから、10万ボルトやかみなりを入れる必要がなかったという発想が天才的だと思っています。また、NAIC(北米国際大会)で雨サナツンデにとって重い耐久型ツルギ(特に草Z 持ち)の増加を感じて、これを縛れたり、初見殺しできたりするめざパ炎を世界大会に向けて入れることにしました。本番で3回ツルギを狩れたので、この選択は正解だったと思います。一方、それまで採用していたエレキボールのおかげで助かった盤面(対カビゴンナットレイなど)も何回もあったので、環境次第で変更するのが良さそうです。
最後に世界大会で自分にとって少し残念な結果(3連敗からの4連勝)で終わってしまいましたが、全力で頑張ったので悔いはありません。今シーズン全体からみて、雨サナツンデを使用した時の勝率が良かった、そして今まで5年間WCSルールに取り組んできたなかで最も使いこなせたパーティなので、ラッカーさんと共に戦えて本当に良かったです。



目次とサムネイル画像

※繰り返しますがかなり長い文章です。目次から気になるところへ飛んでお読みください。



f:id:ykhr7:20180831164103j:plain



簡略版記事の紹介


hazemomizi.hatenablog.com

あまりにも本記事が「長文で読み辛い!」という方のために、パーティコンセプトと個別紹介だけをざっくりまとめたものです。



構築紹介とSDテキスト


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【Until NAIC: Link to Paste
【WCS2018 DAY2: Link to Paste

※なお個人的な都合上QRパーティは用意していません。ご理解よろしくお願いします。

※NAICとは北アメリカインターナショナルという、世界各国からVGCプレイヤーの集う大規模な海外の公式大会(世界大会直前の7月開催)のことです。




戦績 / Results


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※PJCSや赤字以外の大会結果についても
Trainer Tower | Your Journey to the Top
VGCStats
などから確認することができます。



(↓北アメリカインターナショナル)
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(↓WCS2018 Day2)
f:id:ykhr7:20180831174140j:plain




パーティコンセプト

勝海さん([twitter:@Kaaaaatsumii])から教わった雨ビートダウン(メガラグラージ+ペリッパー+ルンパッパ+コケコ)と、メガサーナイト+ツンデツンデを絡めたトリル展開の2つを相手のパーティや選出に応じて使い分けます。もちろんサーナイトを雨追い風展開に組み込むこともあります。
水技を通すか、サーナイトのフェアリー技を通すか。両者ともに通りが良く火力もあります。

サーナイトが苦手とする環境トップのメガメタグロスメガリザードンYに雨展開が強い一方、雨パの苦手なメガボーマンダ軸やナットレイカミツルギにサナツンデの並びが比較的強く出られるという仕組みです(等倍で通る火力の高い物理技は受かりませんが、立ち回りで誤魔化しています)。

~詳しくは"選出"の項目へ~




作成経緯


パーティ原案について

昨年の12月頃、勝海さん([twitter:@Kaaaaatsumii])がSDで1位を達成された構築の改良をTwitter上で呼び掛けていました。それを見てパーティの原案を教えてもらったのが本構築作成のきっかけです。

「初期のメンバー」f:id:ykhr7:20180517052804p:plainf:id:ykhr7:20180517052829p:plainf:id:ykhr7:20180517052840p:plainf:id:ykhr7:20180517052848p:plainf:id:ykhr7:20180517052940p:plainf:id:ykhr7:20180517052906p:plain

原案のメンバーのうちメガクチートゴチルゼルが見せポケということだったので、その2枠の改良を考えることになりました。


原案の特徴など

数人のプレイヤーが勝海さんからもらった原案を元にして作った雨パーティの記事を公開しているため、今では目新しいものではないかもしれませんが、原案を教えてもらった当時の自分はこれらの点を斬新に感じました。

  • ルンパッパの冷凍ビームを切り守るを採用
  • メガラグラージのサブウェポンに冷凍パンチ(後述の限界雨のイメージが強すぎて岩雪崩がメジャーかと思っていた)を採用
  • コケコが眼鏡エレキボール型



www.emolgame.jp
また雨パーティと言うと上のパーティのイメージがあり扱うのが大変苦手でした。しかしこの「限界雨」と比べ、原案には以下に挙げたような強みがあり、とても回しやすかったです。

  • 対ジャラ、他天候性能がボルチェンを覚えたコケコを入れることで向上
  • 対雨パとして有効なメガガルーラ+ギルガルドの並びに守るルンパッパが刺さる(身代わり採用のギルガルドは依然怪しい)



一方しばらく回してみたところ、原案において次の問題点 が浮上してきました。

  • 当時流行り始めていたバンギ入りのレヒレグロス軸、テテフグロス軸に苦戦しがち。前者のパーティにはバレルが加わることが多く、砂下でそれを処理するのが難しい。また後者のパーティには特性呼び水を持つトドンが加わることが多く、水Zを使用するまでにワンテンポ遅れがち
  • 当時散見されたクレセによる日本晴れトリルが厳しい
  • 基本的にペリルンパラグコケコで選出するため、一度トリル展開を決められるとナット、カビゴン、レヒレの処理が難しい。またトリルを起動されるのを防ぐ手段が火力で押し込む程度
  • 雨パのミラーマッチ、特にキングドラ入りの雨パに苦戦しがち
  • ライボルトコントロール系に避雷針をちらつかされるとコケコが動かし辛い
  • 同上の理由でリザYとトゲデマルの並びの処理も厳しい
  • 対砂パーティにおいて、(そもそも悪手だが)ペリを後投げして雨天候に変えたとしても、メガラグがドリュウズに1ターン目の初速では負けるので地面zで上から飛ばされるか、そこから転じてラグの守るを読みドリュウズに身代わりを張られるかなどの択になり安定しない



アレンジへ。サナツンデについて

先で挙げた点のいくつかはコケコの技やメガラグの調整を変えて解決できたものの、依然厳しいものが多かったです。
残りの2枠を考える過程で、HBウツロイドハッサムガマゲロゲ、ブルル、両刀ランドロスギルガルドトルネロスヒートロトムナットレイ、雨乞いメガボーマンダカミツルギガオガエンなど色々と試しましたが、最終的な案は以下の2つに絞られました。


2018082215520720180822151717

1つ目がこちら。HDに大きく割いたメガボーマンダには対雨ミラーとリザY、草タイプを、鉢巻ナットレイには対雨パとトリルを任せています。また2匹ともにペリルンパコケコと比べて耐久値と耐性に自信があるため、サイクル戦もある程度こなせるようになります(参考記事: ワイルドさんの「現実雨」)。


2018081818493320180822151839

雨展開とは大きく異なるトリル展開を設けています。雨パの天敵であるナットレイのほか、カビゴンをもトリル下で上から一撃で葬れる格闘Zツンデツンデに目を付けたのが始まり。また不毛な雨ミラーマッチを制するのにあたり、積極的にトリルを狙うことが有効に働くと考えたのもサナツンデ作成に至るきっかけとなりました。
元々はツンデ自身にトリックルームを覚えさせていました。しかし、弱点となるタイプにはメジャーかつ高火力の技が揃っているため、トリル起動前に落とされることが多かったり、トリルアタッカーがツンデ一匹だけであった(サーナイト採用前はボーマンダを入れていた)ため、かかる負担が大きくトリルを活かし切れなかったり……。これらの問題点を踏まえた結果、トリル起動役(兼トリルアタッカー)を別のポケモンに任せようと考えました。
その肝心のトリル要員の決め方ですが、トリルを抜いたことでツンデの余った技枠にサイドチェンジを組み込もうとしたところから考え始めました。ツンデがいくら遅いポケモンであるとはいえ、優先度のついたサイドチェンジを持たせておくことで、非トリル状態でも先手を取って味方のサポートが可能になる場面を作れると考えたからです。さらに以下に挙げたような要素を満たすポケモンを探した結果、メガサーナイト(メガシンカ前の特性はテレパシー)に辿り着いたという訳です。

  • トリル要員である
  • ツンデのサイドチェンジを考えた時に横のタイプ相性補完が優れている
  • ツンデとは逆にDの数値が高い
  • 雨パのミラーマッチ戦においてトリル展開が期待できるだけの耐久値を確保できる
  • トリックルーム下でレヒレの上を取り、ツンデのジャイロボールとの連携で落とせる
  • 全体技を持つ
  • メガラグを選出しづらいトリル下では火力不足に陥りがちという欠点を補うため、火力のあるメガシンカ枠である
  • ツンデの苦手なバレルやジャラに大きい打点を持つ
  • ボーマンダに大きい打点を持つ
  • いざという時にコケコの放電に巻き込める味方がラグ以外に欲しい
  • 追い風展開でもラグの代わりに選出できる素早さを持つ

雨パーティとしてはメジャーで動かしやすいマンダナットを採用しようかと当初は考えました。しかし、雨展開とは大きく性格が異なるトリル展開を設けた方が自分にとっては扱いやすい、そして不意をつき相手の算段を狂わせることで勝ち試合に繋げやすいと考えてサナツンデの並びを選びました。また、ケイさんの参加する海外の大会は、予選からBo3で勝ち上がらなければならないのですが、追い風と雨の展開一筋かつビートダウンの性格が色濃く残るマンダナット入りでは、それをなし得ないと判断したのもあります。




個別解説



メガラグラージ


20180808120928
ラグラージナイト
すいすい
意地っ張り
193-222-130-×-130-105
140-252-×-×-×-116 (努力値)
滝登り
地震
冷凍パンチ
守る

流行りのカプ+グロス構築やメガゲンガー、雨パの天敵バンドリマンダに比較的強いポケモン。そして、本来物理アタッカーの火力を削いでくる威嚇枠のランドロスガオガエンが雨パーティ相手に選出され辛いことを受け、高い火力を維持しやすい点が評価できます。ただ、このパーティには浮いているポケモンペリッパーだけであるため、撃てる場面がやや限られる地震は良くなかったかもしれません。しかし、使用できる全体技のレパートリーが少ないパーティということを考えると、地震を単体技の地団駄に変更することはできませんでした。また、メガシンカに伴う素早さ変化の判断仕様が大きく変わったことにより、過去作と比べてかなり扱いやすくなりました。
以前はドリュウズの地面Zやバンギラスの悪Z、ギルガルドのゴーストZを確定で耐えてくれる程度の配分を取っていました。しかし当時(USMのWCSレートのシーズン7)アギルダーがやや多かったので、その命懸けを耐えられるところまでHPに努力値を割きました。その後、せっかくそこまで振るのであればということで、最速スカーフウルガモスギガドレインムクホークの命懸けまで耐えられるようにもう少し厚くしました。
素早さは後述のメガサーナイトと同じく雨下で最速135族抜き、そして最速スカーフ75族(主にカプ・ブルル)抜き。トリル展開を別に設けてある以上、雨展開で相手をしたいパーティの幅が狭まり、準速にまで引き上げる必要を感じなかったのでこのような素早さ調整となっています。
また、このポケモンの拡散地震がHP252振りレヒレに最低でもおよそ4割 (38.9%〜46.3%) 入るので、それをよく意識してレヒレにダメージを蓄積させていました。なお先述のレヒレのほかメガボーマンダなどへのダメージ量を確保するためにA努力値は削れません。


メガラグラージ (Day2)


20180808120928
ラグラージナイト
すいすい
意地っ張り
179-222-131-×-131-118
28-252-4-×-4-220 (努力値)
滝登り
地震
冷凍パンチ
守る

雨パーティ相手でも、ラグラージの火力さえ削げば問題ないパーティにDay2で出くわすかもしれないと考え、最速スカーフランドロス抜きまで素早さを高めた形です(実際にスカーフランドロスはいたが当たっていないか)。下手にランドに上を取られてとんぼ返りからの威嚇サイクルを許すと、流石のラグラージも簡単に腐るため、この変更は悪くなかったと思っています。また、ギルガルドのゴーストZを耐えられる可能性をなるべく高めようとHPに残りの努力値の多くを割きました。対リザY性能を高めるため、冷凍パンチを岩雪崩に替えようかと検討したときもありましたが、対(テテフ)レヒレグロスの際にバレルやサンダーの処理が重たくなるため取り止めました。




ペリッパー


20180722115201
気合いの襷
雨降らし
控えめ
135-×-120-161-91-117
×-×-×-252-4-252 (努力値)
塩水
暴風
追い風
守る

隠れた大技、塩水。ポリ2やクレセといった耐久のあるポケモンに対しても、残り体力が50%以下であれば高火力を叩き込むことができます。
「雨サナツンデ」はトリックルームを起動する機会が多いのですが、このことを踏まえると、同じ雨始動要員でも素早さが低いニョロトノを採用した方が良さそうに思われるかもしれません。しかし、パーティ内に浮いているポケモンがいないこと、モロバレルカミツルギなどの草タイプへの打点が不足しがちであること、そして雨展開で試合を運ぶ際、こちらに追い風がないと相手のS操作技への切り返しができなくなることを避けるため、ペリッパーを原案に引き続き採用しています。雨選出には基本的に上から畳み掛けるビートダウンの動きを期待しているため、追い風なくして戦うことは考えられません。


ペリッパー (Day2)


20180722115201
気合いの襷
雨降らし
控えめ
136-×-121-160-91-117
4-×-4-244-4-252 (努力値)
塩水
暴風
追い風
守る

2度目の登場になります、ワイルドさんの「現実雨」。こちらから拝借させてもらいました。あまり得意ではないBo3のガルーラスタンを意識し、少しでもその不安を和らげようと、上の調整を真似させてもらうことに決めた次第です。一方、ルンパの調整はNAIC以前のものと変更していないため、それと並べたときにトレースポリ2と対面すると確実にCを上昇させてしまいます()




ルンパッパ


20180808121434
Z
すいすい
控えめ
155-×-96-156-120-122
×-×-4-252-×-252 (努力値)
ハイドロポンプ
エナジーボール
猫騙
守る

2枚目の雨エースポケモン。雨キラーとして選出されることの多いレヒレトリトドンに対応できるため採用しました。また、猫騙しでサーナイトのトリルをサポートできる点も評価できます。
守れるルンパッパを最初に使用したときとても画期的に感じました!その理由も併せてここからはルンパッパの「守る」について自分なりに解説させてもらいます。
WCS2015の時にメジャーであったチョッキ持ち4ウェポン型の流れからか、今年度ルールの環境初期までに見られた多くのルンパッパは、水Zを持ちながら、 ハイドロポンプor熱湯/エナジーボールorギガドレイン/冷凍ビーム/猫騙し という技構成で採用されていることが殆どでした。ダブルバトルでチョッキや襷を持たない(かつ蜻蛉帰りまたはボルトチェンジを覚えていない)低耐久のポケモンを守る無しで運用する……。このようなシビアなプレイングを要求するポケモンの扱いは自分にとって大変難しいことであり、雨パーティそのものの運用が苦手だった原因の1つでもありました。だからこそ、守るを覚えさせたルンパッパは、従来の4ウェポン型と比べ、水Zを使用するタイミングを含めてプレイングに幅が広がるなど、柔軟性の増した個体であり、自分でも簡単に扱うことができました!なお、冷凍ビームを除くとマンダが重たくなりますが、その弊害を避けるためラグに冷凍パンチを採用しています(ダブルの現環境にはHDマンダが多いため、仮に冷凍ビームを覚えさせていたとしても耐えてから返しの飛行打点を許す、つまりマンダから行動を制限される立場にあります)。
(語る必要があるのか微妙なラインではありますが)調整について。Bに残りの努力値4を振ることでカミツルギリーフブレードを確定で、オニシズクモの珠補正込みの虫食いを最高乱数以外で耐えられるようになります。しかしこの配分では、ペリッパーと横に並ばせた時に相手のポリ2がダウンロードで自身のCを上昇させてしまう可能性があり悩ましいです。




カプ・コケコ


20180808115819
拘り眼鏡
エレキフィールド
控えめ
145-×-105-161-96-182
×-×-×-252-4-252 (努力値)
エレキボール
放電
ボルトチェンジ
マジカルシャイン

雨パーティで相手取るには厄介なメガリザードンYやレヒレを髙火力電気技で叩いたり、ボルトチェンジで雨天候を取り返したりするコケコは、「雨サナツンデ」のような極度に前のめりな雨パーティを構成するうえでは欠かせないポケモンです。
10万ボルトや雷を切ったため奇妙な技構成のコケコになりました。元々は雷採用かつパメラさんのコケコと同じ調整にしていたのですが、H252/D4リザYをなるべくフィールド補正込み拡散放電の一撃で吹き飛ばすためにCS極振りに変更。
以下、放電とエレキボールについて解説します。
放電という技は、ライボルトコントロール (たいきさん)のパーティに加わっているレヒレやカグヤに対し、避雷針に遮られることなく大ダメージを与えられるため、今ルールの環境初期ではかなり活躍しました。現在の環境はかつてのそれと異なり、ライボルトコントロールトゲデマルが減っているらしいので、別の技に変えるのもありかもしれません。
フィールド補正込みの眼鏡エレキボールの火力は絶大で、少し削れたカビゴンを一撃で粉砕したり、ナットレイを大幅に削ったりと初見殺しには十分。後述の格闘Zツンデでそれらのポケモンの処理を期待できない場合、この技で突破することも多々あります。


カプ・コケコ (Day2)


20180808115819
拘り眼鏡
エレキフィールド
控えめ
155-×-106-151-98-179
76-×-4-180-12-228 (努力値)
放電
ボルトチェンジ
マジカルシャイン
目覚めるパワー炎

(こちらも今回2度目の登場の)パメラさんのコケコの調整を参考にしアレンジを施したものです。C161眼鏡レヒレムーンフォース、C182珠テテフのムーンフォース、C211リザYの晴れ補正込み火炎放射耐え、フィールド補正込みのボルトチェンジでH177レヒレを確定1発(それゆえ控えめ個体)、フィールド補正込み拡散放電でH252/D4リザYを乱数1発(50%)、そして最速110族抜き。ここまで耐久に厚くしたのは、世界最高峰のリザY使いMelvin Kehを意識して最低限の耐久を確保したかったのと、対レヒレ性能を耐久面で確保したい場面があると考えたからです。
NAICでHDカミツルギに何度も当たり苦戦した、避雷針+リザードンY(ウォーグル)の並びが多かったというケイさんの感想を受け、技構成を変更することに。やはり世界大会直前の国際大会だったということで、強く意識したのを覚えています。
役割破壊のめざ炎を採用するということで、元々は技の撃ち分けが可能で、かつ火力上昇補正の掛けられる命の珠を持たせていました。しかし、本来の役割対象(レヒレなど)へのダメージ量の低さと自ら調整を崩すことに嫌気が差したこと、そしてケイさんがよく分からない技構成の眼鏡コケコを使いこなせることから、持ち物を眼鏡にDay2前日、急遽変更し直してもらいました。




メガサーナイト

20180808120905
サーナイトナイト
フェアリースキン(テレパシー)
冷静
175-×-103-211-163-105
252-×-140-52-60-× (努力値)
Spe 24 (個体値)
サイコショック
ハイパーボイス
トリックルーム
守る

対雨ミラーを特に意識し耐久面で調整を施しました。雨補正込みのメガラグラージの滝登りやキングドラのZ濁流、ルンパッパのZハイドロポンプ、EF補正込みC161コケコのZ10万ボルト、パメラさんのメガゲンガーのヘドロ爆弾、晴れ補正込みC216までのメガリザードンYのオーバーヒートを耐えます(キングドラとルンパッパについては最高乱数切り耐え)。
S個体値24は、トリックルーム下で実質85族抜き(環境にいるほぼ全ての85属の個体がSに努力値を割いているため)、追い風下で最速135族とスカーフ75族抜き。サーナイトをトリル主体で運用する場面が多く、素早さを抑えておくとトリル下での動かしやすさに大きな違いが出ます(前述の無振りレヒレ抜きが最たる例)。
血迷った挙げ句、威嚇無しのパーティでメガサーナイトを使うことになってしまいました。その物理耐久の低さから当初は運用に自信がなかったのですが、猫騙しとサイドチェンジのおかげであまり困ることはなく安心しました。また、ツンデのサイドチェンジを使うと、ツンデ方向に飛んでくる特殊単体技や格闘タイプの技をうまく受けることができます。
ジャラやバレルへの圧力の違いから元々はサイコキネシスにしていたのですが、瞑想レヒレを意識して世界大会ではサイコショックに変更しました。
スキン特性の火力補正弱体化に加え、Cに割いた努力値の少なさもあり火力面で不安でしたが、他のポケモンの攻撃と重ねる際に支障が出ない程良い火力でした。




ツンデツンデ

20180722115227
格闘Z
ビーストブースト
勇敢
167-201-231-×-123-16
244-252-×-×-12-× (努力値)
Spe 0 (個体値)
ジャイロボール
馬鹿力
サイドチェンジ
守る

数人のプレーヤーから度々twitter上で言及される、画像がアップされるなどして晒されてしまった本構築のシンボルマークです。愛称は「箱」。ナットレイカビゴン、度々見られた日本晴れクレセ+ヒードランをも粉砕できるアタッカー。役割破壊の格闘Zだけでなく、タイプ一致技の火力の高さも持ち合わせているため腐りにくいです。また、トリル展開のサポートも不穏な技サイドチェンジでこなすことができます。
ツンデツンデというと、性格を寂しがりにしB個体値を下げることでBBAが掛かるようにする調整が有名ですが、勇敢でB個体値の下げていないものを採用しました。これはトリル下でナットの上を取ったり、カミツルギの聖なる剣を耐えたりするためのみならず、対メガクチートをツンデに任せる盤面があり得ると判断したからです。
このポケモンはタイプ的に見て脆く、最初に公開されたときは目もくれなかったのですが、使用していく中でその攻撃性能の高さと極端な遅さというポテンシャルに驚きました。特にジャイロボールの火力は持ち物や手助けの補正なしでも絶大。威嚇を入れに後投げされたランドロスを大幅に削ります。
技枠が足りず岩雪崩を切っていますが、ごくたまにいるリザYをトリル下で上手く運用する(やや荒い立ち回りを仕掛ける)プレーヤーと対戦する時を除き、弊害が出たことは殆どなかったです。……と思っていたのですが、オニシズクモを相手取る時はやはり欲しかったですね。
また、弱点から来る脆さが目立つ一方、実は耐性が多くサイドチェンジとの相性は極めて良好だと思いました。この技を使うと、メガサーナイト方向に飛んでくる毒や鋼タイプの技、高火力の物理技、トリル展開阻害の挑発を代わりに受けられます。エルフーンのアンコールからサナを守りながらメガゲンガーエスパー技を通す、といった使い方をしたこともありました。




選出

レーティングやpjcsのオンライン予選はBo1形式であるため、以下の選出のうちのどれか1つを選択するだけで済みますが、先述の通り、海外の大会は予選からBo3形式です。そのため、相手のパーティや選出に応じて以下に挙げる選出を使い分けて戦っていきます。

1. 雨選出
先発 f:id:ykhr7:20180615134948p:plain+f:id:ykhr7:20180615135001p:plain
後発 f:id:ykhr7:20180615135027p:plain+f:id:ykhr7:20180615135039p:plain

水技の通りがよい場合の投げ方です。他にも、バンギラスが同居しないもののトリトドンが加わるメタグロス軸に対し基本的にこの投げ方をします(択が発生しやすくあまり心臓に良くない試合になりがち)。
またスカーフランドとリザYの並びに対してもこの選出をします。猫騙しでリザYを止めながらペリッパーをコケコに下げることで、相手のランドを大地の力以外で拘らせつつ(とんぼ返りでも構わない)、次のターンにはリザを縛り次のサイクルにまでつなげます。


2. 対リザYスタンなど
先発 f:id:ykhr7:20180615135314p:plain+f:id:ykhr7:20180615135325p:plain
後発 f:id:ykhr7:20180615135402p:plain+f:id:ykhr7:20180615135416p:plain

リザY軸に組み込まれているランドがスカーフでないとき、もしくは詳細の掴めていないリザYスタンと初戦を交える際にこの選出をします。リザY入りのパーティと戦うと天候合戦において不利になりがちですが、ルンパの猫騙しとコケコのボルトチェンジでこれを制しにいくプランです。


3. トリル選出
先発 f:id:ykhr7:20180615140008p:plain+f:id:ykhr7:20180615140031p:plainorf:id:ykhr7:20180824175113p:plain
後発 f:id:ykhr7:20180615140103p:plain+f:id:ykhr7:20180615140156p:plain

ナットレイメガラティアス、メガフシギバナが入ったパーティ、雨ミラー、カミツルギの入ったリザYスタン、マンダスタンを相手取る時はこの選出です。
トリル起動後、即座にサナツンデの並びで一気に制圧していきます。格闘鋼フェアリーの攻撃範囲は広いですが、リザYには通りづらいのでペリッパーが肝となります。また、トリルが切れる直前にペリッパーで追い風展開を狙うことも。
バンギラスの加わったテテフグロス軸と初戦を迎える場合も実はこの投げ方(初手サーナイトとコケコ)です。1ターン目はコケコがテテフ方向へボルトチェンジサーナイトが守る。2ターン目はボルチェンによって場に出たツンデがサイドチェンジ、サーナイトトリックルーム。この動きは、メタグロスが雨展開を前に選出され辛いことを利用したものであり、2ターン目のサイドチェンジはテテフからサーナイトへの挑発やサンダーの吠えるを対策したものです。それに初手でテテフと対面するとルンパッパが完全に腐るから、という理由もあります。


4. 雨サナ追い風展開
先発 f:id:ykhr7:20180615142127p:plain+f:id:ykhr7:20180615142158p:plainorf:id:ykhr7:20180615142230p:plain
後発 f:id:ykhr7:20180615142245p:plain, f:id:ykhr7:20180615142258p:plainorf:id:ykhr7:20180615142307p:plain

追い風を使ううえで、ラグよりもサナの方が通りがいい(グロスはいないもののトドンが入ったようなパーティなどを相手にする)場合の投げ方です。なお先述の個別解説にもありますが、サナは追い風状態で最速135族(メガライボルトメガミミロップ)抜きです。


5. スイッチトリル
先発 f:id:ykhr7:20180615142127p:plain, f:id:ykhr7:20180615142158p:plainorf:id:ykhr7:20180615142230p:plain
後発 f:id:ykhr7:20180615142245p:plain+f:id:ykhr7:20180616011210p:plain

対トドン入りテテフグロスなどの時の投げ方。トドンやメガバンギが入ったそのパーティからグロスが選出されることは少ないため、サナが割と刺さります。面倒なトドンのルンパ以外での処理ルートとして、サイドチェンジでツンデを残しながらハイパーボイスでダメージを蓄積させ格闘Z圏内に押さえ込むやり方もあります。


6. 対メレラキ
先発 f:id:ykhr7:20180615142357p:plain+f:id:ykhr7:20180615142407p:plain
後発 f:id:ykhr7:20180615142445p:plain+f:id:ykhr7:20180615142435p:plain

ルンパの猫とコケコのボルチェンのどちらかでメレシーの頑丈を潰しながらツンデを投げ、相手の展開したトリル下でガードシェアを使うメレシーを優先して倒します。あとは任意のタイミングで必中であるツンデの格闘Zと雨下のペリの暴風を合わせてラッキーを落とします。丸くなるには気を付けましょう。なお2匹目のガードシェア要員、ツボツボが後ろから投げられた場合はほぼ負けなので降参します()




雑感


このパーティの天敵

hiromoti.hatenablog.com
上に挙げたカ・エールさんのカビクレセ構築やガルーラレヒレピッピの並びなどが挙げられます。
特に「ヒョイヒョイカビクレセ」に関しては、S7のレート戦や、INC Januaryの1700帯後半の戦い(この負け試合でカ・エールさんの予選1位が確定)、オセアニアインターナショナルの予選抜けを懸けた最後の試合とことごとく立ちはだかってきましたが、択を制することができず勝てませんでした。サイドチェンジが絡むとカビやナット(2体同時選出されることさえあり得る)の処理は非常に厳しくなります。


単体で厳しめの相手

このパーティは殆ど受けに回れないため、一貫性が高く火力のあるブルルやギルガルドの攻撃が厳しいです。上からの圧力で殴られる前に潰す、行動を躊躇させるといったやり方でそれらのポケモンをごまかしているので、改良するのであればその点だと思います。
またこのパーティは立ち回りに慣れてきた頃ですら、油断するとトリル下・非トリル下に関わらずレヒレに詰まされます。その点も留意すべき弱みです。


威嚇ガオガエンの解禁について

自分はその頃から再び実機を没収されることになってしまったためあまり詳しい訳ではないのですが、3月頃にこのポケモンが解禁されたらしく環境に一気に台頭してきました。
この環境の変化はラグとツンデにとってはやや向かい風でしたが、次に挙げるリターンの影響の方がはるかに大きく、結果として雨サナツンデの追い風になりました。

  • 雨パーティの通りがそれだけ良くなった
  • まさしく天敵中の天敵、カ・エールさんのパーティ「ヒョイヒョイカビクレセ」が大幅に減少した
  • リザY軸の通りが悪くなりその数を減らした



信じられないくらい長い記事でしたが最後まで読んでいただきありがとうございました!f:id:ykhr7:20180722100205p:plain

【WCS2018】 雨サナツンデ 簡略版記事

はじめに

当記事は「雨サナツンデの構築記事が長過ぎるんだけど……!」という声を受け、かなりざっくり要約したものです。

「もっと詳しく読みたい」という方には、以下のリンクから飛んでもらうことをオススメします。あちらの記事はデザインの編集もかなり頑張りました!笑


「雨サナツンデ」本文

hazemomizi.hatenablog.com

1月にオーストラリアのVGCプレイヤー、Alister Sandover選手に提供し、WCS2018のDay2にてスイスドロー4勝3敗、世界ランク34位で終えてもらった雨パーティの構築記事です。



構築紹介

f:id:ykhr7:20180904164843p:plain

昨年12月に勝海さんからもらった雨パーティの原案をアレンジし、今年の1月にAlister Sandover選手(以下、ケイさん)に提供しました。各国の大会、そして世界大会で使用してもらい、最終的には世界ランク34位を記録しました。



戦績



パーティコンセプト

雨ビートダウン(メガラグラージ+ペリッパー+ルンパッパ+コケコ)と、メガサーナイト+ツンデツンデを絡めたトリル展開の2つを相手のパーティや選出に応じて使い分けます。もちろんサーナイトを雨追い風展開に組み込むこともあります。
水技を通すか、サーナイトのフェアリー技を通すか。両者ともに通りが良く火力もあります。

サーナイトが苦手とする環境トップのメガメタグロスメガリザードンYに雨展開が強い一方、雨パの苦手なメガボーマンダ軸やナットレイカミツルギにサナツンデの並びが比較的強く出られる仕組みです。



個別解説

f:id:ykhr7:20180904165357p:plain
メガラグラージ (世界大会前)
持ち物:
ラグラージナイト
特性: すいすい
性格: 意地っ張り
実数値: 193-222-130-×-130-105
努力値: 140-252-×-×-×-108
技: 滝登り 地震 冷凍パンチ 守る

H: HP192ムクホーク(及びHP187アギルダー)の命懸け耐え
H-B: A205ドリュウズのZ地震耐え
H-D: C222ギルガルドのZシャドーボール耐え、C187ウルガモスギガドレインを最高乱数切り耐え
A: 拡散地震がHP177レヒレに38.9%〜46.3%で確定3発
S: 雨(及び追い風)下で最速スカーフブルル(及び最速135族)抜き

f:id:ykhr7:20180904174910p:plain
メガラグラージ (世界大会)
実数値: 179-222-131-×-131-118
努力値: 28-252-4-×-4-220

H-D: C222ギルガルドのZシャドーボールを最高乱数切り耐え
S: 雨(及び追い風)下で最速スカーフ霊獣ランドロス抜き

WCS2018環境の中心であるメタグロスやゲンガー軸の構築に刺さりやすく、雨天候の補正を受けて素早さと水技の威力が上昇します。浮いているポケモンが少ないものの、雨パーティが全体技に欠けやすいという弱点をカバーするため、地団駄ではなく地震を採用しました。また、冷凍パンチはグロス軸に入ることの多いサンダーやバレルに打点を持つために採用しています。世界大会では、ケイさんの参加するDay2でもスカーフランドロスが必ず居ると睨み、それのとんぼ返りによるサイクルを許さないようSを高めました。


f:id:ykhr7:20180904173632p:plain
ペリッパー (世界大会)
持ち物:
気合いの襷
特性: 雨降らし
性格: 控えめ
実数値: 136-×-121-160-91-117
努力値: 4-×-4-244-4-252
技: 塩水 暴風 追い風 守る

H-B: A194メガガルーラの恩返しを殆ど確定耐え
S: 準速

雨展開を狙う際に追い風によってビートダウンの形を保つ、味方のラグの地震を透かす、そしてメガサーナイトを加えた雨追い風展開を狙うために採用しました。
雨パーティでは処理にもたつきがちなバレルに対し、大打点を持てるところも評価のポイントです。


f:id:ykhr7:20180904173655p:plain
ルンパッパ
持ち物:
水Z
特性: すいすい
性格: 控えめ
実数値: 155-×-96-156-120-122
努力値: ×-×-4-252-×-252
技: ハイドロポンプ エナジーボール猫騙し守る
H-B: A233カミツルギリーフブレードを確定耐え、珠A134オニシズクモの虫食いを最高乱数切り耐え

猫騙しと守るを両立することで、高火力水Zを発動するタイミングをうまく調整したり、相手の攻撃の集中を誘ったりできます。



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カプ・コケコ (世界大会前)
持ち物:
拘り眼鏡
特性: エレキフィールド
性格: 控えめ
実数値: 145-×-105-161-96-182
努力値: ×-×-×-252-4-252
技: エレキボール 放電 ボルトチェンジ マジカルシャイン

C: フィールド補正込み拡散放電でH185/D136リザYを高乱数一発(81.3%)、H181/D138ナットレイに同条件下のエレキボールが60.7~71.8%
S: 準速

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カプ・コケコ (世界大会)
実数値:
155-×-106-151-98-179
努力値: 76-×-4-180-12-228
技: 放電 ボルトチェンジ マジカルシャイン 目覚めるパワー炎

H-B: フィールド補正無しA182ブルルのウッドハンマー確定耐え、A197メガメタグロスの地団駄が乱数1発(31.3%)
H-D: 眼鏡(及び瞑想1積み)C161レヒレムーンフォース確定耐え、晴れ補正込みC211リザYの火炎放射確定耐え、珠C182テテフのムーンフォース確定耐え
C: フィールド補正込みボルトチェンジでH177/D150レヒレ確定1発、HP185/D136リザYに同条件下の拡散放電が中乱数1発(50%)
S: 最速110族抜き

雷や10万ボルトを採用していない特異な技構成のコケコです。リザYやマンダに大きく圧力をかけたり、ボルトチェンジで雨天候を維持したりします。世界大会に向けては、HDカミツルギの増加に備えてめざパ炎持ち珠コケコで調整していました。しかし、レヒレやリザYをフィールド補正込みでも電気技の一撃で落とせないことに不安を感じ、耐久調整を施した眼鏡型に変更しました。


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メガサーナイト
持ち物:
サーナイトナイト
特性: フェアリースキン(テレパシー)
性格: 控えめ
実数値: 175-×-103-211-163-105
努力値: 252-×-140-52-60-×
個体値: S24
技: ハイパーボイス サイコショック トリックルーム 守る

H-B: 雨補正込みA222メガラグの滝登り最高乱数切り耐え
H-D: 雨補正込みC156ルンパのZハイドロポンプとC161キングドラのZ濁流を最高乱数切り耐え、フィールド補正込みC161コケコのZ10万ボルト確定耐え、C233メガゲンガーのヘドロ爆弾確定耐え、晴れ補正込みC216リザYのオーバーヒート確定耐え
S: 追い風下で最速スカーフブルル(及び最速135族)抜き、無振り85族と同速

雨ミラーマッチなどを意識した配分で、後述のサイドチェンジツンデやルンパの猫騙しと併せてトリル展開を狙います。また、環境に多く雨展開が苦手とするHDマンダ軸に刺さりやすいという特徴があります。
S実数値の105ですが、努力値が割かれることの多い85族(特にレヒレ)をトリル下で大抵抜けるため、ツンデとの連携で動かれる前に倒し切れます。


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ツンデツンデ
持ち物:
格闘Z
特性: ビーストブースト
性格: 勇敢
実数値: 167-201-231-123-16
努力値: 244-252-×-×-12-×
個体値: S0
技: ジャイロボール 馬鹿力 サイドチェンジ 守る

H-B: A233カミツルギの聖なる剣を確定耐え
A: H181/B151ナットレイをZ馬鹿力で確1
S: 最遅

サイドチェンジでトリル起動のサポートをしつつ、呼ぶナットレイカビゴンを格闘Zの一撃で粉砕します。
ジャイロボールと格闘Zの攻撃範囲により、サイクルの中で投げられる相手のランドロスガオガエンに大打撃を与えられます。
また、サイドチェンジはDの高いサナと補完が優れるため優秀な補助技です。