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【WCS2019 Sun Series】 グラゼルネ 前編 (個別解説まで)

はじめに

2019ルールでの投稿になります、Lacquer(ラッカー)です。今回はshowdown!でうまくいったことを報告したいと思います、よろしくお願いします。
大会前に身内に使い方を徹底的に伝えるにあたってこのブログを使ったため、選出方法の項目が長くなり過ぎてしまい、構築の個別紹介までの前編と、選出についての後編に切り分けています。
なお今回のデザイン編集は、雨サナツンデ簡略版の記事のそれに寄せて少し見易くしているつもりです。


構築紹介とSDテキスト


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【Groudon Xerneas: Link to Paste

一般的なグラゼルネとグライベルのパーティを足し合わせ、そこにルンパッパを差し込んだ形になっています。


構築経緯

サンルールが始まった頃、Keiさんが構築したイベルオーガ軸のパーティをひたすらアレンジしていった結果行き着いたものです。そのパーティのコンセプトは、イベルとガエンで相手の火力を削ぎ落とし、オーガとツンデの火力をもって殴っていくというものでした。

環境の中心にいるガエンとゼルネに強いツンデに着目し、どのような取り巻きでまとめていけば強いのか。そのことを考えていく中でオーガよりもグラと組ませた方が、対ゼルネオーガが安定する(その他諸々)といった利点が多いことに気付きました。
そして、グライベルで組んでいた頃は、相手のソルガルデやイベルタルが重くなりがちである点に嫌気が差し、イベルタルをゼルネアスに変更。
ここまでで手薄くなってしまったオーガ軸と催眠技に備えるため、ルンパとコケコを加え完成しました。



戦績

2018年11月27日現在、INC直前期の違法バトルシミュレータのレートです。今回の構築に至るまでの長い間、強くないパーティでひたすら迷走していたので総合のGXEが低いです、ご容赦願います。

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パーティコンセプト

オーガ軸を中心に様々なパーティが入り乱れているサンルールですが、それらのほぼ全てに対応できることを目指して作った構築です。最終的にガエンゼルネを通せるよう、サイクル戦を勝ち抜きます(無理にジオコントロールを積まない姿勢が大切)。苦手なオーガ軸は選出段階のルンパやコケコで惑わし、鋼枠やトリックルームなどについてはガオガエングラードンで対応します。それゆえ、火力の高さを重視した配分や、上から押し倒すような戦い方は今回採用していません。

詳しくは個別解説や選出方法(後編へ)の項目にて詳しくお伝えします。



個別解説


グラードン

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持ち物: オボンの実
特性: 日照り
性格: 意地っ張り
実数値: 190-200-162-×-131-126
努力値: 116-92-×-12-164-124
技: 断崖の剣 炎のパンチ 剣の舞 守る

H-B:
A233カミツルギリーフブレードが76.8%〜91.5%で確定耐え、-1状態のA233カミツルギリーフブレードが51.5%〜61%でオボンの実込みで確定3発、A154ガオガエンの晴れフレアドライブが52.1%〜61.5%でオボンの実込みで確定3発、A222グラードンの拘り鉢巻き75%断崖の剣をオボンの実込みでほぼ2発耐え(ワイルドさんの記事より引用)
H-D:
C156ルンパッパの命の珠晴れハイドロポンプとC222カイオーガの晴れ75%しおふきをオボンの実込み耐え(ワイルドさんの記事より引用)、C157ルンパッパの草結びを最高乱数以外耐え、c201ゼルネアスの+1(ジオコン後にバクア一回込み)ムーンフォースを最高乱数上2つ以外耐え
S:
※準速70族抜きを抜く実数値124程度で良かったのですが、その場合の余った努力値の有効的な振り分け方が思い付かず、参考元の配分のままになっています。

グラードンは、元々ツンデツンデをメインに構築を作っていたとき、カイオーガと比べグラードンの方がより石垣の苦手な相手に対応しやすい、と考えて使い始めたポケモンです。
調整については上にも書いてありますが、ワイルドさんのレシラムグラードンの記事から拝借したものです、ありがとうございました。持ち物のオボンの実は、絶妙に威嚇込みのカミツルギリーフブレード+αをうまく耐えられる場面を作ってくれることが多く、これに大変助けられました(ピンチベリーでは発動前に押し切られてしまう)。
グラードンと言うポケモンがどのように強いのか、サンルール当初はこれがよく分からなかったため、カイオーガを軸にしたパーティばかりを使っていました。しかしグラードン軸を回してみた結果、地面技の通りの良さとその高い耐久値のおかげで、カイオーガとは異なり、攻撃と防御の要として機能するということが分かりました。また、雨から天候を書き換えることで、トリル下のルンパッパの素早さをコントロールしたり、ガオガエンの炎技の火力を底上げして不意の一撃を与えさせたりと、味方のサポートを兼ねられる点も嬉しいです。
メインウェポンの断崖の剣は、その命中に難があるため物議を醸していますが、両方に外しさえしなければ良しという場面が多いので僕はあまり気にしていません(そもそも、メインのアタッカーとしてグラードンを採用していないからなのかもしれないが)。



ゼルネアス

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持ち物: ゼルネアスナイト
特性: フェアリーオーラ
性格: 臆病
実数値: 205-×-116-176-122-166
努力値: 28-×-4-196-28-252
技: ムーンフォース サイコショック ジオコントロール 守る

C:
220-103モロバレルへの+2サイコショックが93.6%〜110.9%で中乱数一発(62.5%)、192-101クロバットへのジオコン無しサイコショックが55.2%〜65.6%で確定2発、200-154ガオガエンへの+2ムーンフォースが81%〜96%
H-D:
C222カイオーガの雨75%潮吹きが83.9%〜99.5%で確定耐え
S: 最速

"ゼルネアスナイト"はパワフルハーブのことです。
グライベルを参考にしていた頃、レヒレ入りのジガルデソルガレオクロバットの黒い霧で誤魔化すやり方に嫌気が差したり、イベルタルに対して打点を持てるポケモンが多めに欲しいと考えたり……。その結果、イベルタルが抜けてこのポケモンが加わりました。
控えめでなく臆病最速型を選んだのは、ミラーで少しでも上からムーンフォースを撃ち込んでcダウンを狙ったり、より多くのイベルタルを何もさせずに倒したりするためです。相手の盤面を見て、ジオコントロールを積むべきか、積まずにムーンフォースで殴るべきかをしっかり判断する必要があります。
サイコショックを採用したのは、マジカルシャインを切り身代わりを入れる個体に感化されたものであり、タイプ的な攻撃範囲を増やすのはアリかもしれないと考えたからです。エスパー技に本来弱いはずのモロバレルは、ウタンの実を持っていることが多々あるため、サイコショックの役割対象とは言い難いです。しかし、チョッキドクロッグクロバットフシギバナウツロイド(そしてオッカバレル)といった毒タイプのポケモンに対し、ジオコントロール後であればゼルネアス単体で対応し易いという意味で非常に強力でした。



ルンパッパ

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持ち物: ウイの実
特性: すいすい
性格: 控えめ
実数値: 176-×-91-126-131-118
努力値: 164-×-4-36-84-220
技: 熱湯 草結び 凍える風 猫騙

C:
175-161カイオーガに草結びが61.7%〜73.1%、200-156ガオガエンに雨熱湯が確定2発
H-B:
c182テテフのフィールド込みサイコショックが76.7%〜90.9%で確定耐え(ピンチベリーが必ず発動)、c189ルナアーラのフィールド込みサイコショックが80.1%〜94.3%で確定耐え、a154ガオガエン-1蜻蛉返りが34%〜40.9%
H-D:
c183ゼルネアスの+1ムーンフォースを84%〜99.4%で確定耐え、c222眼鏡カイオーガの雨75%潮吹きが確定3発
S: スカーフ最速カイオーガを雨状態で抜ける

相手のカイオーガに後出しできること、そして最大火力の潮吹きを撃たせないことを両立しやすいポケモンとして組み込みました。
持ち物にピンチベリーを選んだのは、猫騙しの施行回数を稼いだり、サイクル戦の中で相手の水、地面、鋼、草技を受ける回数を増やしたりするため。

グラードン入りのパーティだと、草タイプの枠としてフシギバナカミツルギモロバレルが採用されがちですが、対雨性能に怪しさを感じる場面が多いです(オーガの隣にいることの多いルナアーラや日食ネクロズマに苦戦するほか、オーガ自身の強力な特殊技にs操作も相まって押されがち)。モロバレルについてはウタンの実を持たせれば問題なさそうですが、草結びでダメージを与えて潮吹きの火力を下げる、もしくは眠らせて行動不能にするまで行動に猶予を与えてしまいます。

また、猫騙しを挟みつつ、ガオガエンとサイクルを回すことで、トリル下でも相手のモロバレルの胞子を適宜シャットアウトしたり、ディアルガカイオーガなどの攻撃をいなしたりしながら、味方のサポートやトリルターンの時間稼ぎができる点も高評価です。



ガオガエン

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持ち物: フィラの実
特性: 威嚇
性格: 慎重
実数値: 200-135-116-×-152-80
努力値: 236-×-44-×-228-×
技: フレアドライブ バークアウト 蜻蛉返り 猫騙

H-B:
a222珠グラードンの-1(威嚇込み)75%断崖の剣が最高乱数以外耐え
H-D:
c183ゼルネアスの+2ムーンフォースを最高乱数以外耐え(6.3%で確定1発)、c222カイオーガの-1雨75%根元の波動が69%〜82%で確定耐え

威嚇、猫騙し、後攻蜻蛉返りといったパーティに欲しい要素を一匹で満たしてくれるポケモンです。ゼルネのジオコンやツンデのトリルをサポートしたり、天候を持続するのに欠かせませんでした。また、グラードンの項目で既に述べたことですが、攻撃面では、グラードンの日照りでフレアドライブの火力を一気に高めることができるため、晴れ状態の間はアタッカーとして役割をシフトさせられます。

持ち物のフィラの実は、ゼルネがジオコンを使う以前にバークアウトを当てることで、体力が少し削れても+1状態のムーンフォースを耐えられることから、その発動機会は多く、特殊耐久だけ底上げする突撃チョッキよりも使い勝手が良いと感じました。

このパーティにおけるガオガエンのメインの役割は、相手の火力を下げながら受け回すことなので、火力面ではなく耐久面に調整の重きを置いています。元々はジオコントロール後のc183ゼルネアスのムーンフォース確定耐えにしていましたが、珠グラードン相手に苦戦した過去の経験から調整をやや変更しました。



カプ・コケコ

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持ち物: 突撃チョッキ
特性: エレキメーカー
性格: 臆病
実数値: 169-×-106-125-106-187
努力値: 188-×-4-76-84-156
技: 10万ボルト エレキネット ボルトチェンジ 目覚めるパワー炎 (フリーフォール)

C:
残りの努力値を振り切ったもの。192-101クロバットにフィールド補正込み10万ボルトが最低乱数切り(93.8%)で確定1発、175-161カイオーガに同条件下の10万ボルトが68.5%〜82.2%、201-126イベルタルに同条件下の10万ボルトが75.6%〜90.5%、142-72チョッキカミツルギに目覚めるパワー炎が76%〜90.1%
H-B:
a222グラードンの-1(威嚇込み)75%断崖の剣が82.8%〜99.4%で確定耐え
H-D:
c222カイオーガの雨75%潮吹きが78.6%〜92.8%で確定耐え、c167フシギバナの珠ヘドロ爆弾が82.8%〜98.2%で確定耐え、c201ゼルネアスの+2状態の75%マジカルシャインが 66.2%〜78.6%で確定2発
S: 最速エンニュート抜き

グラゼルネガエンルンパで回していたところ、フシギバナドーブル入りルナゼルネ、トルネ入りゼルネオーガ、そしてクロバットトルネロスファイアローといった浮いているポケモンに苦戦することが多発。そこで、催眠対策と大きい電気打点を兼ねられるコケコに着目しました。上に列挙した中でも、特に対トルネオーガについては、ルンパッパがトルネロスに弱いことからカイオーガのメタとして機能し辛かったのですが、飛行技に耐性を持つコケコを入れたことにより、その弱点をカバーできるようになりました。

カイオーガフシギバナなど、強力な特殊打点を持つポケモンを前にすることが多かったり、ガオガエンとサイクルを何度も回したりするため、突然チョッキを持たせています。

なお、極端に火力の乏しい配分となっていますが、これは飽くまで、コケコを削りや締めの一押しのための駒として使うことを意識した結果です。



ツンデツンデ

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持ち物: 防塵ゴーグル
特性: ビーストブースト
性格: 勇敢
実数値: 167-201-231-123-16
努力値: 244-252-×-×-12-×
個体値: S0
技: 岩雪崩 ジャイロボール トリックルーム 守る

H-B: a233カミツルギの聖なる剣を確定耐え
S: 最遅

カプ・コケコ同様、ゼルネアス入りのトルネオーガを睨むために加えたポケモンです(詳しくは選出方法の項目で)。

ツンデツンデの最大の強みは、パーティに全く異なる動き方、選択肢を与えられる点と考えています。これは、ゼルネアスに耐性がある、トリックルームを自身で起動できる、さらに岩と鋼タイプの大きい打点を持つため、ツンデ1体だけでガエンゼルネに強くスイッチトリルの展開まで匂わせることができるようになるからです。もちろん相手のガオガエンの威嚇は苦しいですが、こちらもガオガエンを出すことで、そのとんぼ返りや猫騙しのプレッシャーでツンデツンデを十分サポートできます。

なお持ち物についてですが、某プレイヤーさんがブログで公開されていたように、メンタルハーブにした方が断然使いやすいです。(詳しくは次の記事へ)