Volt Switch!!!

【VGC2021】悪戯ボルトグッドスタッフ | PJCS2021予選4位(1807), 21位(1769)

悪戯ボルトグッドスタッフ

はじめに

ご覧いただきありがとうございます!
社会人1年目になりましたLacquer(@is26yk)と申します。

今回ご紹介するパーティは、僕とケイさん(@vivalavlade)で2ヶ月近く構想を練った後、PJCS予選でケイさんとフォルテさん(@forteVGC)の2人に使用していただいたものです。
2人とも非常に高い勝率で予選を勝ち抜けられたように、パーティのクオリティも相応に高めることができたと思っております。

以下から本文が始まりますが、構築経緯が非常に長いため、目次から読みたい項目へと遷移していただければ幸いです。


戦績一覧

  • ケイさん:PJCS2021予選 最終4位(レート1807, 23勝2敗)
  • フォルテさん:PJCS2021予選 最終21位(レート1769, 24勝4敗)
  • Showdown!1位(レート2022)



構築紹介とSDテキスト

本構築(Link to Paste)は、「悪戯心ボルトロスとザシアンで相手の先発ダイマックスをあしらい、こちらの後発ダイマックスを通す」を基本のコンセプトとしており、ダイマ枠にはランドロスカメックスダイマ無しの一般枠アタッカーとしてゴリランダー、サポートのガオガエンの6匹で構成しました。特にカメックスガオガエンはケイさんのアイデアであり、この2匹がいなければ、ここまで強い仕上がりには至らなかったと思います!


悪戯ボルトは、特殊ダイマアタッカーや追い風、ザシアン等の素早いポケモンに非常に刺さります。それゆえ、サイコメイカー入りやトリックルーム構築等を除き、先発を安心して任せることができます。そこへダイマ無しで相手のダイマ枠と撃ち合える超高性能アタッカー、ザシアンを組ませれば、大抵のパーティを初手で崩せます。さらに、裏に置いたランドロスで隣のザシアンにダイジェットを掛けられれば勝利は目前。シンプルながら強力な戦法です。

一方、悪戯ボルトの刺さらない並びと対戦する場合、キョダイマックスカメックスやガオガエンを中心に立ち回り、ザシアンで詰めます(詳しくは後述)。



構築経緯

悪戯心ボルトロスに慣れるまで

研修がひとまず落ち着いた2月の下旬頃、SDに入り浸るようになりました。というのも、禁止伝説が1体使用できるシーズン15が始まって以来、私はレートに潜れておらず、ザシアンや黒バドレックス等の新規伝説の使用感が知りたくてウズウズしていたからです。

リバティノートやTwitterから流れてきた情報を基に構築を試す中、自分には負けん気ボルトザシアンが最も馴染むということが分かりました。これまで私は、負けん気ウォーグルルナアーラなど、対面性能の高いポケモンで構築を組むケースもありましたし、ボルトザシアンに親近感を覚えるのは必然的だったのかもしれません。

さてここで、負けん気ボルトザシアンの構築を使って気付いたことをいくつか列挙します。

  • GS寄りのルールが関係しているのか(?)、先発のポケモンダイマックスさせるプレイヤーが非常に多い
  • 負けん気ボルトザシアンは優秀だが、ボルトのダイマックス自体が刺さらないシーンも多い。ダイマターンを無駄に消費している、と感じた
  • 禁止伝説にはそれぞれ明確な弱点がある(威嚇サイクルや悪技、草技等)。それらのダイマックスの運用はやや不安定であり、プレイヤーのスキルが強く求められる
  • ザシアンは、ガオガエンからの妨害を除いて弱みが少なく、攻守ともに安定し易い。巨獣斬と身代わりのおかげで素の状態でダイマックスと撃ち合えるため、禁伝でないポケモンダイマ枠を譲れる

これらの気付きをもって、相手の先攻ダイマックスを往なし、こちらは任意のタイミングでダイマックスを通すのが今ルールでは最善なのではないか、と自分なりに結論付けました。同時に、負けん気ボルトをはじめとした先攻ダイマ適性の高いポケモン、これらの使用を辞めることとしました。

「相手の先攻ダイマックスを往なす」ことに長けているポケモンとして、まずオーロンゲが頭に浮かびました。両壁で味方をサポートできるほか、後攻の尻尾や脱出ボタントリック、S操作までこなせます。しかし、オーロンゲを回し始めようとしたタイミングであることに気が付きます。

悪戯ボルトでも似たようなことができるな……!

ボルトロスは、今作から怪電波を習得したことで特殊アタッカーに露骨に強くなっただけでなく、当時、環境のボルトが殆ど負けん気物理アタッカーだった都合上、悪戯サポート個体は読まれにくいと考えました。また鋼技を半減で抑える耐性を持つため、ザシアンの攻撃を受けられるのもポイント。

その時に参考にした構築がこちら。

tog(@to71330469)さんの雨ザシアンです。悪戯心ボルトロス入りの構築が少なかったこともあり、手応えを掴むために雨パーティから入る形となりました。

結論から言うと、自分が下手すぎて回すのが非常に難しかったです。晴れ系統とやり合うときのサイクル戦や、フシギバナの眠り粉かダイマックスかの択でうまくいかなかった。そういった記憶があります。また、968(@Kurohanolu)さんの白バドレックス構築 も重かったように感じました。


そこで、あまり使用することの無かったニョロトノを防塵ゴーグル持ちヒートロトムへ、使いこせなかったドラパルトをゴリランダー(重めだったグラカイに加え、ボルトの電磁波に強いフィールドへの対策)へ変更してみました。この時点でSD1位を達成し、感覚的にも上々。悪戯ボルトの運用に慣れてきたと感じ、ここでケイさんと構築を共有することに。


ボルト軸の課題と葛藤

SD1位を取れた構築は強力でしたが、大きな課題をいくつも抱えており、PJCS本番に向けて改善が求められる状況でした。ボトルネックを含め、本構築のポイントを次に列挙します。

  • 怪電波、電磁波、巨獣斬、身代わり、威嚇といった相手のダイマターンを枯らす手段が豊富
  • キングドラヒートロトムダイマックスを切らないと耐久面で非常に心許ない
  • 雨へのカウンターとしてグドラを入れたものの、カイオーガ軸にはボルトとゴリランダーで十分対応可能
  • グドラがピンで差し込まれていることにより、ボルトの悪戯心が読まれる場面が目立つ
  • ガオガエンを初手から投げてサイクル戦に持ち込むプレイングに弱い
  • トリル要員が怪電波持ちのポリゴン2の場合、白バドレックスの猛攻が絶対に止められない
  • そもそも白バドの攻撃がヒトム以外に強烈に刺さり過ぎている
  • ポリ2を崩せるポケモンがザシアン以外にいないことから、ザシアンに無理が祟る
  • 黒バドレックス+サイコフィールドが引き続き重い

これまでの検証を踏まえた結果、悪戯ボルト+ザシアン+ランド+ゴリランダーの並びが強く、グドラとヒトムが不適格だと考えました。

ケイさんからのアイデア



個別解説


ザシアン(剣の王)

Zacian 朽ちた剣
不撓の剣
意地っ張り
199-220-136-×-140-186
252-76-4-×-36-140 (努力値)
巨獣斬
聖なる剣
身代わり
守る


Zacian-Crowned @ Rusted Sword
Ability: Intrepid Sword
Level: 50
EVs: 252 HP / 76 Atk / 4 Def / 36 SpD / 140 Spe
Adamant Nature
- Behemoth Blade
- Sacred Sword
- Substitute
- Protect

  • A:
    1. 11n
  • H:
    1. 極振り
  • HD:
    1. 珠152レジエレキのトランジスタ補正込みダイサンダー(威力140)を最高乱数以外なら確定耐え
    2. 珠217黒馬バドレックスのダイホロウ(威力140)が82.9~98.5%で確定耐え
  • S:
    1. 最速エルフーン抜き
    2. +1で最速レジエレキ抜き



カメックス(キョダイマックス)

Blastoise ソクノの実
激流
控えめ
177-×-121-150-126-107
180-×-4-252-4-68 (努力値)
ハイドロカノン
熱湯
吹雪
守る


Blastoise-Gmax @ Wacan Berry
Ability: Torrent
Level: 50
EVs: 180 HP / 4 Def / 252 SpA / 4 SpD / 68 Spe
Modest Nature
IVs: 0 Atk
- Hydro Cannon
- Scald
- Blizzard
- Protect



化身ボルトロス

Thundurus オボンの実
悪戯心
穏やか
186-×-93-145-143-131
252-×-20-×-236-× (努力値)
10万ボルト
怪電波
電磁波
挑発


Thundurus (M) @ Sitrus Berry
Ability: Prankster
Level: 50
EVs: 252 HP / 20 Def / 236 SpD
Calm Nature
IVs: 0 Atk
- Thunderbolt
- Eerie Impulse
- Thunder Wave
- Taunt



霊獣ランドロス

白いハーブ
威嚇
意地っ張り
181-198-111-×-101-143
132-116-4-×-4-252 (努力値)
地震
空を飛ぶ
岩雪崩
守る


Landorus-Therian (M) @ Assault Vest
Ability: Intimidate
Level: 50
EVs: 132 HP / 116 Atk / 4 Def / 4 SpD / 252 Spe
Adamant Nature
- Earthquake
- Fly
- Rock Slide
- U-turn

  • A:
    1. 11n
    2. ガオガエン(202-143)に-1ダブルダメ地震が38.6~45.5%
    3. ガオガエン(202-145まで)をダイアースで確定1発
    4. ヒレ(177-136)にダイアース/ダイジェットが61.0~71.8%
    5. CS(156-103)ダイマフシギバナにダイジェットが90.4~106.4%で乱数1発(43.8%)
    6. CS(166-105)ダイマサンダーにダイロックで確定2発
  • H-B:
    1. 182ウーラオスの闇黒強打が63.0~74.6%
    2. 拘り鉢巻194ゴリランダーのフィールド補正込みグラススライダーが74.6~87.8%
    3. 194ゴリランダーのフィールド補正込みウッドハンマーが乱数1発(6.3%)
    4. 珠168エースバーンの-1キョダイカキュウがダイマ時に67.4~79.9%
  • H-D:
    1. 珠167フシギバナのキョダイベンタツ(威力140)が63.0~75.1%
    2. 木炭150コータスのダブルダメ晴れ噴火が63.0~74.6%
    3. 161レヒレのダブルダメ濁流が46.4~54.1%で乱数2発(47.3%)
    4. 珠177サンダーのダイジェット(威力140)がダイマ時に33.4~39.8%
  • S:
    1. 準速
    2. +1で最速ドラパ抜き
    3. +2で最速レジエレキ抜き



ガオガエン

Incineroar シュカの実
威嚇
新着
202-136-121-×-144-81
252-4-84-×-164-4 (努力値)
フレアドライブ
嫉妬の炎
猫騙
捨て台詞


Incineroar @ Shuca Berry
Ability: Intimidate
Level: 50
EVs: 252 HP / 4 Atk / 84 Def / 164 SpD / 4 Spe
Careful Nature
- Flare Blitz
- Burning Jealousy
- Fake Out
- Parting Shot



ゴリランダー

Rillaboom バコウの実
グラスメイカ
意地っ張り
200-194-111-×-91-112
196-252-4-×-4-52 (努力値)
ウッドハンマー
グラススライダー
猫騙
守る


Rillaboom-Gmax @ Coba Berry
Ability: Grassy Surge
Level: 50
EVs: 196 HP / 252 Atk / 4 Def / 4 SpD / 52 Spe
Adamant Nature
- Wood Hammer
- Grassy Glide
- Fake Out
- Protect



おわりに

【VGC2021】スケアリーフェイスロンゲカグヤ | S12ダブルレート最終2003(51位), SDレート1993(1位)

はじめに

閲覧していただきありがとうございます!
Lacquer(@is26yk)と申します。なお未だにSwitchを購入できておりません……。

さて今回ご紹介するパーティは、
私がSDレート1位(1993)を達成した後、こげぱんさん(@kogepannachan)にお渡しし、S12最終日にダブルレート51位(2003)という成績を収めていただいたものです。

構築名『スケアリーフェイスロンゲカグヤ』は、パーティの軸にあたる、怖い顔(Scary Face)オーロンゲとテッカグヤの2匹に由来しています。

それでは本文へと移りますが、
私の構築記事は長くなりがちなので経緯を後半に回してパーティ紹介と個別解説から入ります。


戦績とSDテキスト

私に代わって実機レートで好成績を残してくださったこげぱんさんには本当に感謝しています!ありがとうございました🙇
本構築のSDテキストはこちらから(Link to Paste)。



構築紹介と解説



メインのダイマエースに珠CSカグヤを、ダイマも切れるサブアタッカーとしてランドと悪巧みミトムを、一般枠のアタッカーにウーラオスを、サポーターとしてロンゲとキッスを採用した構築です。

炎と電気タイプをランドやキッス、ミトムで牽制し、通りの良いカグヤの攻撃をロンゲの怖い顔と併せて上から通していくのが基本のコンセプト。
現SD環境には、バナコーポリ2やトルネウツロドラゴ 、ブリザポストリパ、レイスポスピッピ、レジロック入りが遍く存在し、上述のコンセプトが非常に刺さっていました。

元々、先攻でしかダイマックスを切れない欠陥品、弱保カグヤの反省から組み直しただけあって、相手の構築や試合の流れに柔軟に対応できるようなパーティに仕上げています。
その分、カグヤの攻撃をどのようにして、どのタイミングで通すか、ダイマをカグヤにそもそも切るべきか、そして欠伸や怖い顔をいつ誰に当てておくか。このような構想を選出段階から練っておく必要があるため、扱いには少々慣れが必要だと思います。
そのはずでしたが、こげぱんさんは即座に使いこなしてくれました!

最後に本構築の主な戦い方4つ(基本選出を兼ねます)に触れ、個別解説へと移りたいと思います。

  • 初手に攻撃範囲の広いカグヤをロンゲと投げ、非ダイマ枠に集中することでビーストブーストをCに掛けてゆく(以下「BBC」と表記)。いわゆる先攻ダイマックスのパターンです。後発のウーラオスにジェットを重ねるとより一層強力
  • 猫騙しロンゲ+ウーラオスを投げ、襷持ちや低耐久のポケモンを確実に倒して残数で差をつける。もしくは、裏のカグヤの確定圏内に落とし込むことで、後攻ダイマによるBBCを止められなくするパターン
  • ロンゲ+欠伸キッスで相手の先攻ダイマを往なすことから入るパターン
  • ロンゲ+キッス+ランドで序盤から中盤にかけてミトムの悪巧み展開をサポートするパターン



個別解説


テッカグヤ

命の珠
ビーストブースト
控えめ
173-×-123-174-121-113
4-×-×-252-×-252 (努力値)
ラスターカノン
エアスラッシュ
メテオビーム
火炎放射


Celesteela @ Life Orb
Ability: Beast Boost
Level: 50
EVs: 4 HP / 252 SpA / 252 Spe
Modest Nature
IVs: 0 Atk
- Flash Cannon
- Air Slash
- Meteor Beam
- Flamethrower

  • C:
    1. 極振り
    2. HA(207-131)ダイマブリザポスにダイスチルが60.9~72.2%で確定2発
    3. HA(207-131)チョッキダイマブリザポスにダイスチルが41.5~49.0%
    4. 砂下のHA(187-121)ダイマレジロックにダイスチルが48.7~58.3%で乱数2発(96.5%)
    5. 177-151レヒレにダイスチル/ダイジェットが61.3~73.4%で確定2発
    6. HB特化(192-116)奇石ポリゴン2にダイスチル/ダイジェットが50.5~59.4%で確定2発
    7. HB(227-151)クレセリアにダイスチル/ダイジェットが48.0~57.3%で乱数2発(90.6%)
    8. CS(156-121)ダイマフシギバナにダイジェットが88.5~105.1%で乱数1発(31.3%)
    9. HC(177-91)コータスをダイジェットで確定1発
    10. CS(165-111)ダイマサンダーに+1ダイロックで乱数1発(87.5%)
    11. (202-119までの)ガオガエンをダイロックで確定1発
    12. HA(187-110)ダイマメタグロスにダイバーンが54.3~63.9%で確定2発
  • H-B:
    1. 182ウーラオスの闇黒強打が59.0~69.9%
    2. 珠167ボルトロスのダイサンダー(威力130)がダイマックス時に75.1~88.7%で確定耐え
    3. 珠168エースバーンのキョダイカキュウがダイマックス時に乱数1発(62.5%)
  • H-D:
    1. 珠167レジエレキのトランジスタ補正込み10万ボルトがダイマックス時に78.9~93.1%で確定耐え
    2. 磁石152レジエレキのトランジスタ補正込みボルトチェンジダイマックス時に52.0~61.3%で確定2発
    3. 珠177サンダーのダイサンダー(威力130)がダイマックス時に81.2~95.4%で確定耐え
  • S:
    1. 準速
    2. +1で最速100族抜き
    3. +2で最速フェローチェ抜き
    4. +3で最速レジエレキ抜き

CS特化の4ウェポン珠ダイマアタッカー。

広い攻撃範囲、無振りでもダイマックス中の堅牢さを実現できる優秀な耐性、BBCとダイジェットによる抜き性能。以上がテッカグヤの特徴です。ダイスチルのおかげで、ブリザポスやメタグロスといった物理ダイマアタッカーとの勝負に応じ易い点も強みです。

命の珠について。

上述の通り、鋼・飛行・岩・炎という攻撃範囲の広さから、自身が苦手とする炎タイプを含め、多くのポケモンの弱点を突けます。それゆえ、ダイマックスをしない一般枠を相手取る場合、バフ無しの状態からでも火力にはそう困りません。その一方で、ウーラオス等で仕留め損ねたポリ2、クレセといった高耐久ポケモンを崩し切れないジレンマも抱えていました。これを解決するのに最もベストだった持ち物が命の珠でした。オーロンゲやキッスの技枠が足りず、嘘泣きや手助けを採用していないことからも、珠の火力補正が適当だったと思います。

(1.2倍補正アイテムだと特定のタイプしか強化されませんし、拘り眼鏡や弱保だと立ち回りに支障をきたします)

苦手なものとしては、レジエレキによる終盤のスイープ、トリルコータスの噴火が挙げられます。また、ダイマターンを全て消費するとCとSが大きく上昇しているはずですが、技の火力が軒並み下がり岩技(メテオビーム)にも頼れなくなるため、カグヤへの過信は禁物です。



霊獣ランドロス

突撃チョッキ
威嚇
意地っ張り
181-198-111-×-101-143
132-116-4-×-4-252 (努力値)
地震
空を飛ぶ
岩雪崩
蜻蛉返り


Landorus-Therian (M) @ Assault Vest
Ability: Intimidate
Level: 50
EVs: 132 HP / 116 Atk / 4 Def / 4 SpD / 252 Spe
Adamant Nature
- Earthquake
- Fly
- Rock Slide
- U-turn

  • A:
    1. 11n
    2. ガオガエン(202-143)に-1ダブルダメ地震が38.6~45.5%
    3. ガオガエン(202-145まで)をダイアースで確定1発
    4. ヒレ(177-136)にダイアース/ダイジェットが61.0~71.8%
    5. CS(156-103)ダイマフシギバナにダイジェットが90.4~106.4%で乱数1発(43.8%)
    6. CS(166-105)ダイマサンダーにダイロックで確定2発
  • H-B:
    1. 182ウーラオスの闇黒強打が63.0~74.6%
    2. 拘り鉢巻194ゴリランダーのフィールド補正込みグラススライダーが74.6~87.8%
    3. 194ゴリランダーのフィールド補正込みウッドハンマーが乱数1発(6.3%)
    4. 珠168エースバーンの-1キョダイカキュウがダイマ時に67.4~79.9%
  • H-D:
    1. 珠167フシギバナのキョダイベンタツ(威力140)が63.0~75.1%
    2. 木炭150コータスのダブルダメ晴れ噴火が63.0~74.6%
    3. 161レヒレのダブルダメ濁流が46.4~54.1%で乱数2発(47.3%)
    4. 珠177サンダーのダイジェット(威力140)がダイマ時に33.4~39.8%
  • S:
    1. 準速
    2. +1で最速ドラパ抜き
    3. +2で最速レジエレキ抜き

電気の一環を切れるほか、ランドもダイジェットを使えることから、カグヤを無理にダイマックスさせなくて済む、というメリットから採用しました。もちろん威嚇で敵の火力を削いだり、蜻蛉返りで自身の引き先にカグヤのバフを掛けたりする狙いもあります。

本構築におけるランドの立ち位置は、前回の構築『最遅バナスタン』のトゲキッス と似通っており、ダイマも切れるアタッカー兼サポーターといったところ。ランドを採用すると、構築がメインのダイマエースであるカグヤ一辺倒にならず、かつランドでも同じ動き(ダイジェット)が取れることから、構築としての動きに幅が広がるため、冒頭のような説明をしました。

突撃チョッキを持たせたのは、ダイマックスをランドに切らず、レヒレガエンを前にサイクルを回すケースの方が多いと睨んだため。仮にダイマを切る場合でも、晴れコータスやメテオビームウツロイドダイマサンダーを相手取ることが多かったので、チョッキは正解でした。



ウーラオス (一撃の型)

気合いの襷
不可視の拳
陽気
175-182-120-×-81-163
×-252-×-×-4-252 (努力値)
インファイト
闇黒強打
不意打ち
見切り


Urshifu-Gmax @ Focus Sash
Ability: Unseen Fist
Level: 50
EVs: 252 Atk / 4 SpD / 252 Spe
Jolly Nature
- Close Combat
- Wicked Blow
- Sucker Punch
- Detect

  • A:
    1. HB(227-189)クレセに闇黒強打が58.1~68.7%
    2. HB(147-200)奇石サマヨールに闇黒強打が57.1~69.4%
    3. HB(192-156)奇石ポリ2にインファイトが56.3~66.7%
  • S:
    1. 最速

確定急所の悪技と守る貫通が強力なウーラオス。序盤に強力な削りを入れることのみならず、終盤に弱った相手を倒し切ることも得意としています。また悪ウーラオスには、施行回数を確保し技を的確に撃ち分けてもらいたいという考えの下、襷を持たせました。

本構築において、ダイマドラパやグロス、ポリ2、クレセ、サマヨが重くなりがちなところを、ダイマックスを切ることなく1匹でカバーできます。(既述ではありますが)高耐久のポケモンはウーラオスで事前に削っておくと、死に出しのダイマアタッカーで貫けるようになるため、先発に採用することが比較的多め。その際、猫騙しオーロンゲと並べると一方的に相手の非ダイマ枠を殴っていくことができます。

レジエレキを筆頭に強力な電気準伝説や鋼タイプがひしめき合うVGC2021では、レンズキッスだらけの前ルールとは打って変わってフェアリー(ほぼレヒレのみ)が動き辛いです。そのため、闇黒強打の通りの良さに更に磨きが掛かったように感じます。また、ダイスチルを積んだ相手でも容易に突破できるため、グロス入りにも当然投げやすかったです。



トゲキッス

ソクノの実
強運
控えめ
183-×-116-168-144-120
180-×-4-100-68-156 (努力値)
マジカルシャイン
欠伸
この指止まれ
守る


Togekiss @ Wacan Berry
Ability: Super Luck
Level: 50
EVs: 180 HP / 4 Def / 100 SpA / 68 SpD / 156 Spe
Modest Nature
IVs: 0 Atk
- Dazzling Gleam
- Yawn
- Follow Me
- Protect

ダイマ候補(カグヤとミトム、ランド)への闇黒強打の一貫を切りつつ、ウーラオスダイマックス無しで襷まで削れる枠が欲しかったことから、トゲキッスの採用に至りました。

同じような役割を果たせるモロバレルとの違いは、フシギバナに干渉できることです。これにより、ポリバナコータスのトリル展開を止めた後、こちらのダイジェットを通しやすくなります(それゆえロンゲ同様、珠バナのアシッドを確定耐えする調整を施しています)。

欠伸について。

当初は手助けを採用していました。しかしソクノの実を持たせると、電気複合タイプのサンダーやボルトロスを含む浮いているメジャーなダイマ枠に対し、欠伸を不意に刺せるようになるのでは、と考えて技を変更しました。実際に回したところ、ロンゲの猫騙しやカグヤのダイスチル、ランドのダイアースと合わせて施行回数を稼げることが多かったため、非常にオススメです。



ウォッシュロトム

オボンの実
浮遊
控えめ
155-×-128-143-128-135
236-×-4-36-4-228 (努力値)
10万ボルト
ハイドロポンプ
悪巧み
守る


Rotom-Wash @ Sitrus Berry
Ability: Levitate
Level: 50
EVs: 236 HP / 4 Def / 36 SpA / 4 SpD / 228 Spe
Modest Nature
IVs: 0 Atk
- Thunderbolt
- Hydro Pump
- Nasty Plot
- Protect

今作の補完枠ゆえ手短に済ませます。
欲しかった要素としては、ダイマックス枠になれる、水技・飛行技の一貫を切れる、レヒレに抜群が取れる、(万が一トリルを通された場合)晴れコータスツンデツンデにカウンターとなる、積み技を覚え高耐久のポケモンに競り勝てること。これら全てを満たすポケモンはミトムくらいでした。

SD上位で増えつつあったヒードラン入りのスタンパに強かった反面、環境に多いゴリランダーに一撃で屠られるのは少々癪でした。しかし逆に言えば、ゴリランダーを選出誘導し、BBCの引き金にし易くなるとも言えるため、詰まるところ一長一短です。



オーロンゲ

リリバの実
悪戯心
慎重
199-141-93-×-133-82
228-4-60-×-204-12 (努力値)
ウルクラッシュ
猫騙
挑発
怖い顔


Grimmsnarl (M) @ Babiri Berry
Ability: Prankster
Level: 50
EVs: 228 HP / 4 Atk / 60 Def / 204 SpD / 12 Spe
Careful Nature
- Spirit Break
- Fake Out
- Taunt
- Scary Face

  • H-B:
    1. 205メタグロスのダイスチル(威力130)をリリバ込みで81.4~96.5%
    2. 珠168エースバーンの一致補正込みダイスチルがリリバ込みで乱数1発(18.8%)
    3. 鉢巻194ゴリランダーのグラスフィールド補正込みグラススライダーが80.4~95.5%で確定耐え
  • H-D:
    1. 珠167フシギバナのヘドロ爆弾/ダイアシッドが83.4~99.5%で確定耐え
    2. 珠200ヒードランのダイスチル(威力130)がリリバ込みで72.4~86.4%
    3. 161レヒレムーンフォースが66.3~78.4%
    4. 拘り眼鏡150コータスの晴れ補正込みダブルダメ噴火が80.4~95.5%
  • S:
    1. +2で最速ウーラオス抜き

シン・ライチュウ(詳しくは構築経緯で)。

本構築の強さを底上げする存在であり、他5匹どのポケモンと一緒に投げたとしても、先発の役割をしっかり果たしてくれました。また、専用技のソウルクラッシュは相手のCを必ず下げることから、テッカグヤのやや不安なD方面をカバーしてくれます。

私が思うオーロンゲ最大の強みは、想像以上に場持ちが良く、そこから何度も優れたサポート機能を発揮してくれることの2つ。以下、順を追って説明します。

ロンゲの「場持ちの良さ」は、H種族値の高さ(95)と優秀なタイプ相性に起因しています。特に後者につきましては、強力な悪技である闇黒強打を1/4に抑え込めるほか、弱点が毒・鋼・フェアリーの3つに限られます。環境で見かける毒技最大打点と言えば、珠167フシギバナのヘドロ爆弾/ダイアシッドです。これを確定で耐えるよう調整すれば、リリバ込みで全タイプの攻撃を襷無しで大抵1発は耐えることが可能となります。

オーロンゲの「優秀なサポート」とは猫騙しと、悪戯心により先制で繰り出せる豊富な補助技を指します。特にオーロンゲの猫騙しは(本記事投稿時点で)読まれ辛く、初手で突っ張ってきやすいレジエレキや襷ウーラオス、守れない高耐久ポケモン等に刺さりますし、味方のウーラオスや欠伸キッス、ダイマカグヤのBBCとも非常に良く噛み合いました。

挑発と怖い顔について。

ダイジェット以外にまともなS操作手段が無い本構築では、トリルや葉緑素フシギバナが必然と重くなるため、ケアが効く補助技として優先的に選んだ。といった流れです。

「挑発」は、トリルの起動やバナの眠り粉、バレルの胞子、レヒレの瞑想、レイスポスの鬼火、トルネによる2度目の追い風を防ぐために採用しました。仮にトリルを決められたとしても、バレルの胞子やサマヨールの痛み分けを先制して止められるため、相手のダイマエースが動き出すまでの準備に繋げられる場面も多々ありました。

「怖い顔」は、元々使用していたライチュウのエレキネット・ほっぺすりすりに代わる技として採用しました。ダイジェットで敵に競り勝ちやすくなったり、縛り関係を不意に逆転させたり、味方に向かって撃つことでトリルに対応したりと、トリッキーで大変優れた補助技だと思います。



構築経緯

トルネグロスから学んだこと

新環境のことがよく分からず、運用方法が明瞭なRisingさん(@Ripex_)の『トルネグロスグッドスタッフ 』および『先のレジエレキを珠サンダーに置き変えたパーティ』に飛び付いたのがロンゲカグヤの起源です。件の構築を使い、(大したことではありませんが)気付いたことを少しばかり列挙します。

  • 弱点が少なく耐久値の高いポケモンダイマックスさせて動かすと、相手のダイマエースとも張り合い易く運用が楽
  • ダイマ枠の弱保を能動的に発動させ、等倍相手にもゴリ押しするのがやはり定石
  • トリル以外のS操作手段を複数持たせるのがシンプルに強い
  • 襷ウーラオスが破格の性能で前ルールよりも生き生きとしている


イカグヤとの出会いを通して

『トルネグロス』を一週間ほど回し、限界を感じた頃、先の気付きを活かせる並びを探し始めます。そして辿り着いたのが、SDの某チャットルーム開催のトーナメントで戦った次の構築(以下『ライカグヤ』と表記)でした。

『ライカグヤ』は、弱保起動側のトルネロスライチュウに、弱保発動側のメタグロステッカグヤに差し替えた並びであり、概ね同じような特徴を備えています。
※ソクノキッスは私が原案のウルガモスと即席で入れ替えたもの。ガモスより場持ちが良いだけでなく、カグヤを指で守りつつ、マジカルフレイムで重めのナットレイを倒す仕事をこなしてくれました。

イカグヤの時点でSD1位(レート1969)を捉えることができたのですが、次のような課題やアタッカーカグヤの強みに気付いたため、更に改良することを目指しました。

  • カグヤを宿り木残飯型と思って悠長に構えるプレイヤーが存在
  • グロス同様、ダイスチルで固くなれるだけでなくダイジェットも撃てる。このことから、ダイマックスが切れた後でもウーラオスに縛られにくく、上昇したBの高さを活かせる
  • ライチャウがS操作技を2つ(エレキネットとほっぺすりすり)駆使するため、隣のカグヤがジェット込みでスピーディーに動ける
  • ライチュウの避雷針のおかげで電気技に怯むことなく、鋼・飛行・岩の打点を通せる。更に、ダイマを切らない炎タイプをカグヤが対面で落とせることから、総じてカグヤの弱点が実質存在しない
  • ライチュウ側に物理ダイジェットが一貫するため、味方ボルチェンの選択を躊躇しがち
  • イカグヤはほぼ先発限定の並びであり、2試合目以降対策されて負けに繋がりやすい
  • 初手に投げられるポリバナが止められない
  • 鋼タイプがやや重くカグヤから終盤手が出せないのが惜しい
  • 保険が下りないと初動の火力が微妙に足りない。それゆえ、ライチュウが妨害されたり、ボルトに上からジェットを重ねられたりすると非常に苦しい
  • 仮に弱保無しでもBBCさえ発動すればカグヤの突破力に期待できるように


アレンジへ。各メンバーの採用理由


上記の気付きから、テッカグヤを柔軟に動かせる珠4ウェポン型へとすぐに変更。その結果、残りの課題を解決しつつ、珠カグヤを中心にしたパーティへと組み直したいと思うようになりました。

&
ウーラオストゲキッスは珠カグヤとも相性が良く、回していて違和感が無かったため引き続き採用。ただし、ダイジェット使いを前に一撃で散るウーラオスはやはり弱かったので、襷をライチュウから譲ることに。この時、ライチュウをパーティから外すことを決めます。


弱点保険を起動させる以外のライチュウの強みと言えば、電気単体技を吸える、猫騙し、S操作の3つ。さすがに避雷針の役割はソクノキッスに譲るとして、後者2つに関しては、新しく採用するポケモンにカバーさせたいと考えていました。
襷無しで安定感のある猫騙し使い____思い付いたポケモンがオーロンゲとガルーラでした。ここからオーロンゲを選んだ理由ですが、その決め手が嘘泣きと悪戯心+怖い顔。嘘泣きはカグヤの弱保を擬似的に再現し、BBCの起動までサポートできます(怖い顔の強みは個別解説で既に述べた通り)。また、メタグロスを始め、ダイスチルが飛んできやすい環境の中でもオーロンゲの行動回数を増やすことが強いと睨み、リリバの実を持たせました。
※この後、嘘泣きに頼らずとも珠の補正で充分だと感じたほか、ポリバナコータスのトリルと眠り粉がウザ過ぎたため、嘘泣きが挑発に変わります。

&
残りのウツロイドとゴリランダーですが、この2匹こそ物理ダイジェットが重く感じる最大の原因になっていると考えました。そこで、負けん気ボルトロスにはキッスの欠伸を、相手の霊獣ランドにはこちらも霊獣ランドの威嚇を、飛行耐性かつ対レヒレとしてウォッシュロトムを当てるため、それぞれ順に採用していきました。



おわりに

最後の学生時代ということもあり、
「久々に公式の成績を引っ提げてブログを更新したい」
と思っていました。そんな中、こげぱんさんの快諾とプレイングのおかげで願いを叶えることができました。感謝しきれません……!
来年からは社会人なので適度にポケモンをやっていければ、と思います。

最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

【VGC2020】最遅弱保バナスタン | SDレート2073(1位)

はじめに

Lacquer(@is26yk)と申します。
ご覧いただきましてありがとうございます。

⚠️今回の記事はShowdown!での成果を実績として書いているので、不愉快に感じる方にはブラウザバックをおすすめします。

就職活動を無事に終えて久々にポケモンに復帰したのですが、鎧の孤島が解禁されており、元々苦手だったVGC2020ルールに更に拍車が掛かっていました……。そんな中、四苦八苦しながら1ヶ月以上かけてようやく辿り着いたのが冒頭でご紹介したパーティです。

長引きそうな構築経緯を後回しにし、パーティとポケモンの個別解説から書き始めたいと思います。


SDレートとSDテキスト

SDレート2000超えをオリジナルの構築(SDテキスト / Link to Paste)で達成したのは今回が初めてであり、さらにランキング1位を鎧島解禁後の環境で取ることができました。1700台をキープすることですらキツいと感じていたルールだっただけに、ここまで自力で勝ち上がれるようになれたのは本当に驚きです。


構築の紹介と解説

本構築には2つの軸があります。1つは最遅弱保フシギバナ+ポリゴン2の組み合わせ。もう1つは珠ドラパルトです。相手のパーティを見て、どちらの軸ならサイクル戦の中で通せるかを判断します。
基本的には前者のフシギバナがメイン選出です。フシギバナが御三家サイクルに強いことは有名ですが、本構築では、バナ自身に弱保込みでバフを掛けたりポリ2やトゲキッスをダイアシッドで増強したりし、トリル下で一斉に攻撃を仕掛けます。こうすることで、フシギバナの等倍範囲を実質的に広げて受けを効かなくするのが狙いです。シンプルながら強力な戦法であり、ガチガチのトリパや噴火を撃たないコータス以外に対してこの並びは強く刺さりました。また、バナのおかげで残ったポリ2が詰め筋として扱いやすい点も強み。
ドラパルト軸はバナ軸の補完として仕上げました。フシギバナの通りが悪いメンバーで固められたS操作の無いスタン、封印イエッサン入り、そしてセキタンザン系と撃ち合わせます。ドラパルトは攻撃範囲が広いものの抜群を取れる範囲が狭いです。その一方でダイマ技のデバフが優秀なため、味方と連携して殴るのが良いとされています。しかし、本構築は特殊アタッカーが多く、物理アタッカーのスカーフドリュウズガオガエン共に素早さがドラパルトと掛け離れています。それゆえ、ドラパルトには蜻蛉返りを採用してサイクル戦に持ち込みつつ、弱ったところを終盤のダイマドラパ単騎で削り切る戦法を取ることにしました。



個別解説


トゲキッス

ピントレンズ
強運
控えめ
183-×-115-169-135-128
180-×-×-108-×-220 (努力値)
マジカルシャイン
エアスラッシュ
この指止まれ
守る



Togekiss @ Scope Lens
Ability: Super Luck
Level: 50
EVs: 180 HP / 108 SpA / 220 Spe
Modest Nature
IVs: 0 Atk
- Dazzling Gleam
- Air Slash
- Follow Me
- Protect

  • C:
    1. H極振りダイマドラパルト(390-96)に急所補正込みダイフェアリーで確定1発
    2. 砂下207-121バンギラスに急所補正込みダイフェアリーが最低乱数切りで確定1発
  • H-B:
    1. 珠172ドラパルトのダイホロウが77.6~92.3%
    2. 珠168エースバーンの-1アイアンヘッド/キョダイカキュウが63.9~75.4%
    3. 珠168エースバーンの-1ダイスチルが68.3~80.9%
  • H-D:
    1. 189トゲキッスの急所補正込みダイジェット/ダイフェアリーを最高乱数切り耐え
  • S:
    1. 準速パッチラゴン抜き
    2. +1で最速エースバーン抜き

殴って良しサポートして良しの守れるトゲキッス。強運と併せて5割で急所に撃ち込めるピントレンズを持たせることで、対壁構築での削りを強引に任せたり、ダイマ枠をトゲキッスに残す選択肢を取れるようにしたり、と恩恵が大きいです。特に後者のダイマキッスルートは、組み込むだけで構築の対応範囲を広げられるようになります。これを知らなければVGC2020の苦手意識を克服できなかった……。ピントレンズ持ちキッスはそれくらい強力な一手だと思います。
トリル起動のサポートやダイマ以上に重要なのがサイクル中に敵を削っておくことです。後発ダイマックスさせるフシギバナ、ドラパルトの火力で落としきれるように試合を運ぶことを意識していました。
このポケモンダイマックスさせるタイミングは、ダイマドラパの処理が苦しくなりそうな時や、バナコータス系の構築を詰める時、ドラパテラキと対戦する時です。フシギバナと同時選出することが多いのですが、相手のダイマエースによってはトリル下でもバナを差し置いてダイマ枠を譲ることも。
調整はアルカナさん(@alcana_10906)の動画 で紹介されていたトゲキッスをそのままお借りしたもの。この構築で欲しい要素が綺麗にまとめられており、修正する点が見当たりません。なお、後述のスカーフドリュウズと合わせるとCS特化の方が向いていますが、ダイマックス以外の場面での活躍も期待していたため採用は見送りに。ちなみにですが、珠でない172ジュラルドンのダイスチルはもちろんのこと、珠167フシギバナのダイアシッド/ヘドロ爆弾ですら1/3で落ちるので注意が必要です。


フシギバナ (キョダイマックス)

弱点保険
新緑
冷静
187-×-104-167-120-76
252-×-4-252-×-× (努力値)
リーフストーム
ヘドロ爆弾
大地の力
守る



Venusaur-Gmax @ Weakness Policy
Ability: Overgrow
Level: 50
EVs: 252 HP / 4 Def / 252 SpA
Quiet Nature
IVs: 0 Atk / 0 Spe
- Leaf Storm
- Sludge Bomb
- Earth Power
- Protect

メインダイマックスアタッカーその1。御三家に素で強いだけでなく、弱保と合わせて等倍相手にも強く撃ち合えます。さらに、他のトリルアタッカーよりもポリゴン2との相性が良く、バナ自身が落ちても強化した詰め筋を残せるという点で最も評価しています(ポリ2の個別解説欄で説明)。
最遅弱保型ですが、同じ追加効果の専用技を使えるリザや葉緑素型と比べて展開速度に物足りなさを感じるのは間違いありません。しかしダイマックス技の味方との相性の良さ、場持ちの良さ、そして頻繁に弱点保険の発動を狙えることから、少しのミスをしても巻き返せるだけの安定感があり、個人的に最もカントー御三家の中で握りやすい型でした。
弱点保険は、一般枠からの炎技やトゲキッス等のダイジェット以外に、味方のポリ2からの冷凍ビームで能動的に起動させるパターンまで存在します。ダイジェット等のダイマックス技については守るで弱めてから受けられますが、炎技を放つガオガエンについてはフシギバナとのS関係が、コータスについてはHB振りのサポーターかアタッカーかで悩ましいです。そこで炎タイプの一般枠にはキッス、ガエン、ポリ2である程度見極めたり火力を下げたりし、負荷が掛かり過ぎないように立ち回ることを心掛けていました。
最後に守るという技について。フシギバナの守るは眠り粉と選択になることが多いようです。しかし本構築には晴れ要素を組み込んでいないため、眠り粉を非トリル状態では相手へのカウンターとして使うしかなく、ダイマ時のHPに余裕がなくなる恐れがあります。一方で貴重なトリルターン中に眠り粉で試合をうやむやにするのも好ましくありません。トリルの間は味方と共に敵を殴り倒すのが今回のパーティコンセプトだからです。以上の理由から、眠り粉ではなく守るを採用するに至りました。


ドラパルト

命の珠
クリアボディ
陽気
163-172-95-×-96-213
×-252-×-×-4-252 (努力値)
ドラゴンアロー
ゴーストダイブ
空を飛ぶ
蜻蛉返り



Dragapult @ Life Orb
Ability: Clear Body
Level: 50
EVs: 252 Atk / 4 SpD / 252 Spe
Jolly Nature
- Dragon Darts
- Phantom Force
- Fly
- U-turn

メインダイマックスアタッカーその2。フシギバナ軸で苦手な相手に投げ、上から物理ダイホロウを連打して敵を屠ります。
既述ではありますが、本構築では飽くまでドラパルト単体で攻撃をする(ダイホロウを味方が活かせない)都合上、初手からダイマックスを切ることは滅多にしません。隣と連携できないことから簡単に返り討ちに遭い、先制して敵を一撃で葬る役割を果たせないからです。そこで、蜻蛉返りでキッスガエンポリ2とサイクルを回してダメージを蓄積させることで、終盤のダイマドラパで落としきれるように立ち回ります。
技構成について。ダイホロウのBダウンを活かすために物理技で全て編成しました。物理ゴースト技最大火力のゴーストダイブ、全体技になり得るドラゴンアロー、蜻蛉返りは確定。残りの枠に空を飛ぶ/ダイジェットを採用したのは、トゲキッスと並べることで当時のSD上位帯にいた封印イエッサン+ウォーグルと渡り合えるようになるからです。
なおドラパルトの蜻蛉返りは、ケイさん(@vivalavlade)とAgati選手(@AgatiGa)がPlayers Cupで使用されていた共有構築 (構築記事はこちらから)を参考にしたものです。ありがとうございました!

 


ガオガエン

防塵ゴーグル
威嚇
慎重
200-136-126-×-128-92
236-4-124-×-52-92 (努力値)
フレアドライブ
嫉妬の炎
猫騙
捨て台詞



Incineroar @ Safety Goggles
Ability: Intimidate
Level: 50
EVs: 236 HP / 4 Atk / 124 Def / 52 SpD / 92 Spe
Careful Nature
- Flare Blitz
- Burning Jealousy
- Fake Out
- Parting Shot

威嚇と猫騙しによる味方のサポート、耐久値の高さと耐性の豊富さを活かした受け出しやサイクル戦への適性など、従来からの性能が相変わらず魅力的だったので採用しました。火力に殆ど振らずとも、フレアドライブで削りに貢献できるところもポイント。
今作から捨て台詞と嫉妬の炎まで搭載し、使い勝手が本当に良いポケモンになりました。捨て台詞は、相手のダイマックスポケモンの脅威を削ぎながら後発に繋げられるため、ダメージレースをより有利に進めるのに効果的です。嫉妬の炎は、相手依存の追加効果になるとはいえ、事前に一度見せておけば威嚇で下がったAをダイナックルのブーストで戻し辛くさせられます。何よりも本構築が苦手なHB鉄壁ナットレイに大きい打点を期待できる、という意味だけでも採用する価値がありました。
防塵ゴーグルは最後まで悩んだ持ち物です。なぜなら、こちらのダイマエースに一貫して強いラプラスに対し、カウンターとなる突撃チョッキやイトケの実が欲しい場面も多かったからです。しかし今ルールでは、ダイジェットに乗せて胞子を振り撒く襷最速型を含め、モロバレルの方が環境に蔓延っており、そこに隙を見せると一気にパーティが崩れると学んだ結果、ゴーグルに落ち着きました。


ポリゴン2

進化の奇石
ダウンロード
呑気
192-×-134-125-136-58
252-×-92-×-164-× (努力値)
冷凍ビーム
10万ボルト
トリックルーム
自己再生



Porygon2 @ Eviolite
Ability: Download
Level: 50
EVs: 252 HP / 92 Def / 164 SpD
Relaxed Nature
IVs: 0 Atk / 0 Spe
- Ice Beam
- Thunderbolt
- Trick Room
- Recover

  • C:
    1. HS型モロバレル(221-101)に+1冷凍ビームが57~67.9%
    2. ダイマドラパルト(326-96)に+1冷凍ビームが41.1~48.5%
    3. H振りダイマフシギバナ(味方に撃つ場面を想定。374-120)に冷凍ビームが19.3~23%
    4. CSダイマフシギバナ(312-120)に+1冷凍ビームが34~40.4%
    5. 192-136トゲキッスに+1冷凍ビーム/10万ボルトが49~58.3%で高乱数2発
  • H-B:
    1. 珠エースバーンの飛び膝蹴りを確定耐え
  • H-D:
    1. ダウンロード対策のためBより大きく
  • S:
    1. 最遅

フシギバナの相方で本構築のトリル起動役。サマヨールと異なり、ダイアシッドに乗せて特殊技を撃ち分けられること、(10%で凍らせないことを前提にしますが)味方のフシギバナの弱保を発動させられること、そしてダイアースによるD上昇+キョダイベンタツの定数ダメージ+自己再生で詰めやすいことがポリゴン2の強さです。
トリックルームを選ぶタイミングは試合によってまちまちであり、必ずしも優先的に選択するとは限りません。これはフシギバナが行動する前に弱点保険を発動させるのが望ましく、トリルを起動しない方が良い場面も多いからです。
他にも書きたいことがあるのですが、凛也さん(@gozira2004)の構築記事 に詳しいのでそちらをご参照ください。


ドリュウズ

拘りスカーフ
型破り
陽気
185-187-80-×-86-154
×-252-×-×-4-252 (努力値)
10万馬力
地均し
アイアンヘッド
岩雪崩



Excadrill @ Choice Scarf
Ability: Mold Breaker
Level: 50
EVs: 252 Atk / 4 SpD / 252 Spe
Jolly Nature
- High Horsepower
- Bulldoze
- Iron Head
- Rock Slide

最も考察の足りない補完枠だったので簡単に。
このポケモンの最大の強みは型破り地均しです。スカーフを持たせることでドラパルトより先に動きつつ、クリアボディを無視して地均しの追加効果を与えられます。これによりダイマトゲキッスをドラパ(+テラキ)と対面させる時に扱いやすくなります。
セキタンザンと撃ち合う場合、10万馬力を選択すると敵のドラパルトの波乗りと合わせてほぼ出落ちさせられます。



構築経緯(復帰後のリハビリ過程)

ポケモン復帰直後

就活終了直後の6月17日に鎧島が解禁され、その少し前に使用可能となった夢特性御三家と合わせて、VGCルールが全く知らない環境へと変わっていました。そもそもキョダイマックスラプラスガオガエンフシギバナなどが解禁されていたことすらあまり理解できていなかったという状況。
久々にSDに潜るようになったものの当然全く勝てず。エースバーンとゴリランダーが異常に強くなってるし、ウーラオスの性能ヤバいし、バンドリとジュラルドンがかなり減ってるし、トゲキッスはめちゃくちゃ急所狙ってくるし。何なんだ一体……。
「もはや君の知っているVGC2020ではない」


構築記事を参考に潜りまくる

一部のSDアカウントを共有するプレイヤーに環境の基礎知識を教わったものの、自ら構築を組んで勝てるまでには至りませんでした。
そこで、構築の作り方や記事内容から、自分と相性が良さそうだと感じていたプレイヤーを数人ピックアップし、彼らのパーティを借りてSDに潜っていくことにしました。以下、参考にしたパーティのいくつかを載せていきます。

liberty-note.com

ファイツさん(@faitu_wcs_poke)のキッスマンムーの対面性能に惹かれて使用しました。手応えとしては半々。トゲキッスの守ると襷持ちの守るが強いことを実感した以外に、頻繁にダイスチルに詰まされることから、アタッカー型コータスとの相性の悪さを再確認できました。SDレートは1800後半で終了。


liberty-note.com

ノギネンさん(@noginen_)の構築です。ファイツさんのパーティを回していて感じたトゲキッスの強さですが、これをどこまでスカーフドリュウズで後押しできるかが気になり試しました。扱いやすい反面、汎用性の高い並びではないため参考程度に留めたのですが、ここでの感覚を思い出し、後に本構築の補完として採用することになります。


liberty-note.com

三ツ矢さん(@CobalionMitsuya)の構築。「ウォーグルは流行りの御三家サイクルを断ち切れるしダイマドラパにも有利」みたいなことをこげぱんさん(@kogepannachan)が以前言っていたような……。その時の記憶からウォーグルを近く試そうと考えていましたが、そんな中でピンと来たパーティがこれでした。スカーフ追い風型とかいうニッチな型よく掘り出してきたな、と感心していました。
当時の不慣れなプレイングでもワルビウォーグルがしっかりカバーしてくれるため、使い勝手はとても良く、SDレートでも2000超えを果たすことができました。しかし、トゲキッスなど明らかに重いポケモンを複数抱えている点がどうしても気になってしまい、自分なりにアレンジもできそうになかったので区切りをつけました。


alcana10906.hatenablog.com

トゲキッスの項目でも挙げたアルカナさん(@alcana_10906)の構築です。追い風もトリルも無いパーティを本格的に使うのは久々でしたが、動画でお勉強をして潜ったところストレートに強かった……。使用時のメモが残っておらず多くは語れませんが、柔軟にダイマックスプランを組み立てたり、受け回しが容易に効いたりするだけの安定感が備わっていたことをよく覚えています。このパーティを使ったからこそ、(上位を含めた)環境調査を進め、プレイングスキルを磨くことができました。


本題の構築経緯へ

ファイツさんの構築を使う中で、対面性能の高い並び+トリル要素の形が今年のルールでは特に扱いやすいことに気付くところから始まります。
しかし構築を組み始めた当初、何も考えることなく使いやすいポケモンで固めてしまい、以下のような物理偏重なパーティばかりに。

当然ダイスチルを先発に連打されまくって死んでました。水タイプのポケモンも軒並み重いですし、改めて振り返ると相当あり得ないですね……。


転機になったのは、三ツ矢さんのパーティ、アルカナさんのパーティ、そしてPlayers Cupのオセアニア枠で予選を抜けていた@MaddoVGCのパーティを触ったことでした。

三ツ矢さん、アルカナさんのパーティは扱いやすい分、上位帯でプレイングを鍛えるのに特に役立ちました。しかしそれと同時にトリルが欲しい場面もちらほら。

一方、MaddoVGCのパーティから学んだのは、一見対面性能が高そうなエスバキザンが実は対応範囲が非常に狭く、手に馴染まないということ。そしてトリックルーム中のエースは岩タイプや地面タイプ、コータス以外でも十分強いということ。はっきり言って、オニシズクモ自体の通りは環境的にかなり悪いのですが、バレルや水タイプに強いポケモンでさえあれば十分務まることがよく分かりました。


そしてMaddoVGCのパーティからアレンジしたものがこちら。オニシズクモラプラスに、懸念していた物理耐久をカバーするためにゴリランダーをガオガエンに変更。

この構築の手応えは、エスバキザンを除いて悪くなかったのですが、ストリンダーなどの電気タイプや催眠ミロカロス入りのパーティに手を焼くことが目立ちました。

電気と水タイプに圧倒的に強いポケモンが欲しかったことから、ここでようやくフシギバナに辿り着きます。そして同時に、元々パーティに組み込んでいたポリゴン2との相性の良さに気付き、フシギバナを遅い個体で採用することになります。

この時点でがかなり環境に刺さることを偶然にも発見しました。
そして、上の4匹の並びで相手取るのが難しいセキタンザン系、ウーラオスなどをトリル無しで処理するのに最も適していたのが、色々試した中でドラパルトとドリュウズでした(なお個人的に最適であると感じた程度の根拠でありうまく説明することはできません)。



おわりに

死ぬほど苦手なルールでしたが、シーズン6移行前にここまで安定感のある構築を組むことができて満足です。何より第8世代特有のダイマックスに慣れることができた安心感が大きい……。
シーズン6ルールには適性がありそうなので今以上に励んで参ります。

最後までお読みくださいましてありがとうございました。

WCS2017を準優勝したSamのパーティを振り返ってみた。

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はじめに

 久々のブログ更新。Switchを持たない&就活中のvgcプレイヤー、Lacquer(@is26yk)と申します。閲覧いただき誠にありがとうございます。

 コロナウイルスの影響を受け、ほぼ全ての就活の選考が延期。Web選考の方は順調に進み、空いた時間で就活の準備に注力して参りました。が、思いのほか時間が余ること余ること……。
 かと言ってvgc2020を久々にやってみたらまま退屈。就活で今年のルールから離れすぎたせいで興味を失ってしまったのかも分かりません。

 そんな中でTwitterを眺めていたところ、美琴さん(@misaka3510r)が過去ルールの公式大会の試合を振り返るツイートを拝見。

 「同じ要領でブログ書くのも面白いかも。」

 そう考えた私は、最も尊敬するSam Pandelis(@zeldavgc)がvgc2017の世界大会で準優勝した構築の分析、解説を試みることに決めました。

 Samとは殆ど関わりがないため、拙い知識と文章力で補う形になりますが、最善を尽くして投稿します。

そもそもSamの構築とは

f:id:ykhr7:20200421123554j:plain

 上のパーティが彼がvgc2017ルールの世界大会で使用したものです。
 ガブリアスアローラキュウコンウインディバルジーナデンジュモクカプ・テテフの6匹で構成されています。持ち物を見てみると、ガブリアスにのみZクリスタルを持たせ、他のメンバーには防御面を強化するアイテムばかり配っていることが分かります。

 本構築の肝は「積み技」(詳しくは後述)にあります。つまり、メインアタッカーとなるポケモンたちに積み技を使用させ、彼らの対面性能を底上げするのが狙いです。アタッカーを仕立て、その高い火力で相手を圧倒することが主な勝筋となります。
 なお、積み技を主軸とするパーティのことを「積み構築」と表現したいと思います。

 以下に当時のSamのDay2予選トップカットの動画、そして決勝戦の動画(4本目)を添付しておきます。

vs Jang Wonseokf:id:ykhr7:20200425013035p:plainf:id:ykhr7:20200425013047p:plainf:id:ykhr7:20200425013103p:plainf:id:ykhr7:20200425013117p:plainf:id:ykhr7:20200425013127p:plainf:id:ykhr7:20200425013138p:plain
youtu.be

vs Sebastian Escalantef:id:ykhr7:20200425013153p:plainf:id:ykhr7:20200425013203p:plainf:id:ykhr7:20200425013217p:plainf:id:ykhr7:20200425013226p:plainf:id:ykhr7:20200425013237p:plainf:id:ykhr7:20200425013245p:plain
youtu.be

vs Paul Ruizf:id:ykhr7:20200425013307p:plainf:id:ykhr7:20200425013355p:plainf:id:ykhr7:20200425013523p:plainf:id:ykhr7:20200425013642p:plainf:id:ykhr7:20200425013654p:plainf:id:ykhr7:20200425013702p:plain
youtu.be

vs Ryota Otsubof:id:ykhr7:20200425013818p:plainf:id:ykhr7:20200425013827p:plainf:id:ykhr7:20200425013941p:plainf:id:ykhr7:20200425013925p:plainf:id:ykhr7:20200425013841p:plainf:id:ykhr7:20200425013950p:plain
youtu.be


~何が魅力的なのか~

 当時の世界大会を優勝されたのは日本人のバルドルさん(@barudoru)ということで、国内外で彼に多くの注目が集まりましたが、私はSamのパーティも大変魅力的であったと捉えています。

 魅力的と評した根拠として私は、単純なビートダウンやコントロール系として練り上げた構築とは異なり、積み構築に求められる要素を細分化し、役割分担の末、個々のメンツでこれらを緻密に再現している点を挙げます。

 前項で本構築の肝は積み技にあると述べましたが、積み技を使う盤面を作る(以下、「積み展開」と表記)には、味方の援護を受けたり、敵を縛る状況を作り上げたりすることが望ましいです。というのも、積み技を使うターンのポケモンは、自身の能力上昇に徹することから、相手から見れば隙だらけの状態。つまり攻撃の的になり得ます。それゆえ積み展開には、お膳立てをする要素が基本的には欠かせません。

 次の項目では、私が積み構築に必要と考える要素を挙げたいと思います。


積み構築に必要な要素

 積み構築に必須となる要素とは具体的に、積み技、(アタッカー自身の)高い耐久値、耐久補佐、S操作、瞬間火力、妨害手段の6つ。

積み技

 本ブログでは、自身の攻撃面を強化する変化技を積み技と表現します。具体的には、剣の舞、蝶の舞などが挙げられます。
 本構築で採用されている積み技(兼メインアタッカー)は以下の通りです。

  • f:id:ykhr7:20200423184105p:plain 剣の舞 (ガブリアス)
     剣の舞は攻撃を2段階上昇させる積み技です。
     攻撃種族値(130)だけでなく、耐性、耐久面(108-95-85)の種族値配分も申し分ないガブリアスは剣の舞を積む機会に恵まれやすいです。とはいえ、当時のルールはカプ(フェアリー)を中心に成り立っていたため、眼鏡ムーンフォースやフェアリーZの存在に気を付ける必要がありました。
  • f:id:ykhr7:20200423184211p:plain 瞑想 (カプ・テテフ)
     瞑想は特攻と特防を1段階ずつ上昇させる積み技です。
     カプ・テテフは、高い特攻種族値(130)とサイコメーカーにより無振りでも大きな火力が出せるため、耐久面に厚く努力値を寄せることで瞑想を積みやすくなります。
  • f:id:ykhr7:20200423184234p:plain 蛍火 (デンジュモク)
     蛍火は特攻を3段階上昇させる積み技。
     脅威の特攻種族値173により、素の火力ですら凄まじい(フィールド補正込みのカプ・コケコに並ぶとか並ばないとか)。さらに特性ビーストブーストにより、倒す度に特攻が上昇するおまけつき。その種族値の極端な配分から、耐久面に努力値を割きやすいと言えます。

高い耐久値

 本構築のアタッカーは、その火力を種族値の高さや補正、そして積み技に依存します。さらに、積み技を使用するためには場持ちを良くしなければなりません。以上の理由から、積みアタッカーの努力値の多くが攻撃面でなく、耐久面に割かれる傾向にあります。

耐久補佐

 積み技を使用している最中に敵からのダメージを耐えるため、アローラキュウコンオーロラベールを採用しています。また、ウインディの威嚇もここに分類したいと思います。
 オーロラベールと威嚇のサポートを受けると、ピンチベリーの発動機会を調整しやすくなります。この結果、デンジュモクカプ・テテフウインディの場持ちが更に向上し、攻撃の施行回数を稼ぐことに繋がります。

  • f:id:ykhr7:20200423192100p:plain オーロラベール (アローラキュウコン)
     光の粘土により8ターンの間、ダメージを2/3倍に抑えるオーロラベールは、味方の耐久をサポートするうえで強力な手段です。リフレクターや光の壁と異なり、オーロラベール1つで物理・特殊技の双方に軽減効果を発揮するため、技枠を取らないなどのメリットも。
  • f:id:ykhr7:20200423192145p:plain 威嚇 (ウインディ)
     ウインディの威嚇は、敵2体の物理攻撃ステータスを一段階ずつ下げる効果があります。また威嚇は、場に出た瞬間に作用する性質から、盤面上の耐性を切り替えつつデバフを撒くという意味で強力と考えます。

S操作

 バルジーナの追い風とアローラキュウコンの凍える風、ウインディの地均しが該当します。
 S操作が積み構築にも必要であると考える理由は2つあります。1点目は、(上述の通り)アタッカーの努力値を素早さにあまり割けないということ。2点目は、先手を取って相手のポケモンを縛る(もしくは縛っているかのように見える)状況を作ることで、保守的な動きを取らせる、つまり積み技を使用する隙を作るのに役立つということ。
 なお、キュウコンウインディのデバフが効かないメタグロスに対してはバルジーナが強く、サポーターも補完関係にあると言えそう。

  • f:id:ykhr7:20200423193100p:plain 追い風 (バルジーナ)
     味方全体の素早さを、使用した次のターンから(※かつての仕様)3ターンの間、2倍にします。
  • f:id:ykhr7:20200423193315p:plain 凍える風 (アローラキュウコン)
     敵全体の素早さを1段階ずつ下降させる全体攻撃技です。追い風と異なり挑発が効かないほか、氷タイプの技であることからドラゴンタイプをはじめ、多くのポケモンにそこそこのダメージを期待できます。使い方としては、味方を守らせている内に選択し、敵味方の縛り関係をひっくり返すのがメジャーです。
  • f:id:ykhr7:20200423193552p:plain 地均し (ウインディ)
     味方と敵全体の計3匹の素早さを1段階ずつ下降させる範囲技です。味方にもデバフがかかることから、守ると合わせて使うといった工夫が必要です。また地面タイプの技であるため、飛行タイプや浮遊のポケモンには効かない点も留意。

瞬間火力

 本構築ではガブリアスの地面Zが最も高い瞬間火力を叩き出します。S操作の項目で解説したことと重複しますが、積まなくとも問答無用で縛る一撃をちらつかせることで、先方に保守的な択を選ばせて積み技の試行回数を稼ぎます。Zクリスタルの使用が許されたルールだからこそ、自然と組み込めた要素だったのかもしれません。
 ウインディの手助けも積み技無しの状態から火力を底上げするため、この項目の中で紹介したいと思います。

妨害手段

 バルジーナの挑発、アローラキュウコンの金縛りと吠えるが該当します。

  • f:id:ykhr7:20200423213141p:plain 挑発 (バルジーナ)
     挑発は、トリックルームや追い風といったS操作、エルフーンのZ自然の力、積み技など、変化技全般を阻止します。
  • f:id:ykhr7:20200423213254p:plain 金縛り、吠える (アローラキュウコン)
     金縛りは、4ターンの間、敵が直前に繰り出した技1つを使用できなくする効果から、拘りアイテム持ちが多かった当時のルールで特に有用であったと言えます。
     一方で吠えるは、トリックルーム起動を妨害する、積んだ相手を無理矢理リセットするといった妨害工作から、味方に向かって撃つことで後攻交代のサポートをするといった使い途まで期待できます。
 

基本選出の考察

 先の動画を見ると、「サポーター2匹+アタッカー2匹」の構成で選出されることが多い印象。
 先発のサポーターはアローラキュウコンが、先発のアタッカーはガブリアスが務める傾向にあり、既述の積み構築特有の要素を先発で全て埋める形となります。
 先発にガブリアスが投げられやすい理由として、キュウコンや他のアタッカーが苦手とする、バークアウトウインディに積み技なしで有利を取れることが挙げられます。ウインディは当時のルールで使用率トップの存在であり、物理と特殊攻撃の双方にデバフを撒ける駒として重宝されていました。そのウインディ入りのパーティに対し、ガブリアス以外を先発で投げると、バフが相殺されて積み展開に支障をきたします。それゆえ、ガブリアスを先発アタッカーに投げることが多かったのではないかと考えます。
 後発のサポーターはウインディが、後発のアタッカーはデンジュモクが担います。ウインディはアタッカー兼サポーターとして、構築全体の潤滑油のような役割を果たします。一方、デンジュモクは、ガブリアスの圧力を含め、諸々のサポートの下で蛍火を積み、最後の関門として対戦相手の前に立ちはだかります。


個別解説

 ここからは本構築のポケモンを一匹ずつ簡単に解説していきます。なお調整先を調べるのは面倒なので、今回は省略させてもらいます。

ガブリアス

20200426120315
  • 持ち物:地面Z
  • 特性:鮫肌
  • 性格:意地っ張り
  • 技:
    1. 地震
    2. 岩雪崩
    3. 剣の舞
    4. 守る

 本構築の先発を務めることが多いメインアタッカー。積み要員その1。
 持ち物の地面Zにより、積み技を使用しない状態から高い威力を叩き出せるほか、地震を味方を巻き込まない単体技として使用することができます。
 当時の環境的にドラゴン技の通りが悪いため、サブウェポンには岩雪崩を採用。これにより、地面技の効かないテッカグヤなどの飛行タイプや、ウインディ地震以外の打点を持てます。

アローラキュウコン

20200426120319
  • 持ち物:光の粘土
  • 特性:雪降らし
  • 性格:臆病
  • 技:
    1. 凍える風
    2. オーロラベール
    3. 金縛り
    4. 吠える

 サポーターの中でもアローラキュウコンは、耐久補佐からS操作、妨害工作まで万能にこなします。それゆえ、最も汎用性のある起点作り要員であり、必然的に先発に据えられやすいです。しかし、メタグロスや他天候要素が絡むパーティ相手には、バルジーナウインディが代わりに先発で投げられるようです(同速のカミツルギ相手に選出していたのか気になるところ)。

バルジーナ

20190513163841
  • 持ち物:サイコシード
  • 特性:防塵
  • 性格:穏やか
  • 技:
    1. イカサマ
    2. 追い風
    3. 挑発
    4. 羽休め

 サイコシードを持っているため、テテフと合わせて選出すれば、特殊技で畳み掛けてくる相手(カプ・コケコやウツロイドなど)に対して強気に動けます。オーロラベールを張れなければ耐久面で不安定なアローラキュウコンと異なり、素でも安心してS操作に着手できるところが持ち味。
 悪戯心持ちの補助技を受け付けない悪タイプ、かつ地面技を透かせる飛行タイプの複合であり、決勝戦では、バルドルさんの2Z選出のどちらにも対応できる駒として後発に置かれていました。

ウインディ

20200426120301
  • 持ち物:マゴの実
  • 特性:威嚇
  • 性格:意地っ張り
  • 技:
    1. フレアドライブ
    2. 地均し
    3. 手助け
    4. 守る

 2匹目のサポーターとして、裏に控えることが多いウインディキュウコンが苦手な鋼技や、ガブリアスバルジーナが苦手とするフェアリー技を後発から受けることができます。威嚇とピンチベリー、フレアドライブ自傷によりHPの調整がし易く、場持ちが良い点も特徴的。
 また既述ではありますが、攻撃種族値が110、フレアドライブの威力が120と高いことから、アタッカーの役割もこなします。
 選出に組み込まれやすい理由には、鋼タイプが不在の本構築において、通りの良いフェアリー技を唯一半減で受けられるといった背景事情もあります。

デンジュモク

20200426120307
  • 持ち物:イアの実
  • 特性:ビーストブースト
  • 性格:臆病
  • 技:
    1. 10万ボルト
    2. マジカルシャイン
    3. 蛍火
    4. 守る

 積み要員その2。決勝戦でも鬼門と評価されたデンジュモクです。高い特攻種族値(173)により積まずとも最低限の火力は出せますし、ビーストブーストにより周囲を倒す度に特攻ステータスが上昇します。
 デンジュモクの積み技、蛍火の効果は脅威の特攻ステータス+3。これだけ積み技の上昇幅と種族値が甚だしいと、努力値を攻撃面に殆ど振る必要がなさそうです。実際Samは多くの努力値をHPと素早さに配分しています。
 選出の項目で述べた通り、基本的には、ガブリアスの火力や味方のサポートに守られる形で蛍火を選択し、終盤の詰めを担います。
 サブウェポンにはマジカルシャインを採用しており、これがメインウェポンの通らない地面タイプ、特にガブリアスに刺さります。マジカルシャインは全体技かつ無効化される恐れがないことから、10万ボルトよりも安心して選択し易いというメリットがあります。

カプ・テテフ

20200426120311

 本構築の「カプ枠」。積み要員その3。特性サイコメーカーにより、他のカプからフィールドを奪い返すだけでなく、先制技から味方を守って着実に行動を通すことができます。もちろん選出しなくとも、先制技の使用を相手に躊躇させる意味でも有用です。またサイコフィールドのもう1つの強みは、エスパー技であるサイコショックの威力を1.5倍する(当時の)仕様にあります。
 一見、積み要員のカプ枠を採用するのであれば、レヒレやコケコでも事足りるように思えます。しかし、①当時の環境に本構築が苦手とする(チョッキ持ちを含めた)カプ・コケコが少なくなかったこと、②先方の構築によっては積み展開のためにバルジーナの特防を上昇させる必要があったことから、サイコショックを覚えたテテフが最も「カプ枠」に適していたのではないか、と私は考えます。フィールド込み瞑想サイコショックで①の課題は早急に対処できますし、サイコシードを起動させることで②を解決します。


おわりに

 他者の構築をブログでひたすら語るのは今回が初めてでしたが、良い経験になりました。私が構築を作るときに足りない視点、つまり個々の役割への意識を学ぶ好機であると感じたからです。
 締まらない結びになってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

参考文献
WCS2017アナハイム世界大会レポート Day3編 - バルドルのなみのり日記
2017 Pokémon World Championships Video Game Masters Division | Pokemon.com

 

【WCS2020】SD1位(最高レート1753)到達GACT ※未完成記事 

はじめに

 某down! の初期環境では圧倒的な強さを誇りましたが、今ではすっかり通用しなくなってしまったため、簡潔にまとめて公開します。かなり雑な努力値配分なので、構築経緯だけでも参考になれば幸いです。

SDレートTeam
1753(1位)f:id:ykhr7:20200101214429p:plainf:id:ykhr7:20200101214451p:plainf:id:ykhr7:20200101214500p:plainf:id:ykhr7:20200101214513p:plainf:id:ykhr7:20200101214521p:plainf:id:ykhr7:20200101214529p:plain

某down!レート

f:id:ykhr7:20191230211326j:plain


構築経緯

 GACTと呼ばれる並び、トリトドン/ウインディ/アーマーガア/バンギラスの補完の良さに目を付けたのが始まりです。ウインディでデバフを撒きつつ、トドンかアーマーガアで詰める、もしくは竜舞弱保バンギラスで突破を目指す動きが強いと感じました。
 しかし、相手のトドンやジュラルドン、カビゴン、鬼火といった要素が重くのし掛かりました。
 そこで、それらのケアのため、残りの2枠にミミッキュサマヨールを選択。

  • f:id:ykhr7:20200101220027p:plain
    本構築におけるミミッキュの強みは、バンギラスとの噛み合いの良さにあります。ダイマックスさせた場合、相手のウインディより先にダイフェアリーを撃ち込めるため、ミストフィールドを広げてバンギラスに鬼火を通しません。一方、ダイホロウを選択すると、相手全体の物理耐久を下げるため、威嚇を入れられようが、バンギラスイカサマの火力を純粋に高められます。
  • f:id:ykhr7:20200101220126p:plain
    サマヨールは、ここまでで解決できそうになかったジュラルドンをトリル状態のトリトドンと対面させるために投入しました。ドラパルト+αの並びを除けば、ウインディと合わせて、様々なポケモンの前でトリルを起動させるだけの耐久を誇ることが採用の根拠です。


個別紹介(解説は省く)

アーマーガア

f:id:ykhr7:20200913202130p:plain
フィラの実
ミラーアーマー
慎重
204-119-126-×-121-104
244-92-4-×-36-132 (努力値)
ブレイブバード
アイアンヘッド
ビルドアップ
羽休め


f:id:ykhr7:20191230210233p:plain
Corviknight @ Figy Berry
Ability: Mirror Armor
Level: 50
EVs: 244 HP / 92 Atk / 4 Def / 36 SpD / 132 Spe
Careful Nature
- Brave Bird
- Iron Head
- Bulk Up
- Roost


トリトドン

f:id:ykhr7:20191230202627p:plain
ウイの実
呼び水
冷静
209-×-102-154-102-39
180-×-108-220-×-× (努力値)
濁流
大地の力
クリアスモッグ
自己再生


f:id:ykhr7:20191230210144p:plain
Gastrodon @ Wiki Berry
Ability: Storm Drain
Level: 50
EVs: 180 HP / 108 Def / 220 SpA
Quiet Nature
IVs: 0 Atk / 0 Spe
- Muddy Water
- Earth Power
- Clear Smog
- Recovor


バンギラス

f:id:ykhr7:20191230203035p:plain 弱点保険
砂起こし
意地っ張り
202-176-131-×-121-112
212-44-4-×-4-244 (努力値)
岩雪崩
イカサマ
竜の舞
守る


f:id:ykhr7:20191230210545p:plain
Tyranitar @ Weakness Policy
Ability: Sand Stream
Level: 50
EVs: 212 HP / 44 Atk / 4 Def / 4 SpD / 244 Spe
Adamant Nature
- Rock Slide
- Foul Play
- Dragon Dance
- Protect


ウインディ

f:id:ykhr7:20191230204049p:plain
イアの実
威嚇
臆病
196-×-105-121-101-157
244-×-36-4-4-220 (努力値)
火炎放射
バークアウト
鬼火
守る

f:id:ykhr7:20191230204825p:plain
Arcanine @ Iapapa Berry
Ability: Intimidate
Level: 50
EVs: 244 HP / 36 Def / 4 SpA / 4 SpD / 220 Spe
Timid Nature
IVs: 0 Atk
- Flamethrower
- Snarl
- Will-O-Wisp
- Protect


ミミッキュ

f:id:ykhr7:20191230204444p:plain
命の珠
化けの皮
陽気
131-142-100-×-125-163
4-252-×-×-×-252 (努力値)
陰撃ち
じゃれつく
ウッドハンマー
挑発


f:id:ykhr7:20191230211748p:plain
Mimikyu @ Life Orb
Ability: Disguise
Level: 50
EVs: 4 HP / 252 Atk / 252 Spe
Jolly Nature
- Shadow Sneak
- Play Rough
- Wood Hammer
- Taunt


サマヨール

f:id:ykhr7:20191230205256p:plain
進化の輝石
お見通し
呑気
147-×-196-×-154-27
252-×-228-×-28-× (努力値)
ナイトヘッド
痛み分け
サイドチェンジ
トリックルーム


f:id:ykhr7:20191230212522p:plain
Dusclops @ Eviolite
Ability: Frisk
Level: 50
EVs: 252 HP / 228 Def / 28 SpD
Relaxed Nature
IVs: 0 Atk / 0 Spe
- Night Shade
- Pain Split
- Ally Switch
- Trick Room

  • H-B:
    1. 189ドラパルトの珠ダイホロウ(ゴーストダイブ)を最高乱数切り耐え
  • H-D:
    1. 余り

剣盾 第7世代からの変更点など

はじめに

f:id:ykhr7:20191114162323j:plain

 第7世代から仕様変更された箇所と以前から引き続いている要素の中で、個人的に特にVGC環境に影響を及ぼすかもしれないと感じたものを以下にまとめました。少し雑かもしれませんがご容赦ください。なお、本記事の情報は海外の解析を基にしたものです。

変更点

  • S操作技(追い風や電磁波、凍える風など)を使用した瞬間から効果が反映される
  • ギルガルドのシールドフォルム時のBとD種族値が10ずつ減少
  • ギルガルドのブレードフォルム時のAとC種族値が10ずつ減少
  • 目覚めるパワーのデータが削除
  • 恩返し、八つ当たりのデータが削除
  • フリーフォールのデータが削除
  • 追い風が技レコード(今作の教え技にあたる)に含まれなくなった
  • 毒々、羽休めが技マシンに含まれなくなった
  • ピンチベリー(フィラ系の木の実)の回復量が50%から33%に減少
  • 体重に応じて威力が変化する攻撃技はダイマックス(キョダイマックス)状態のポケモンに無効
  • キングシールド中に触れてきた相手のAステータスを1段階下降
  • マルチアタックの威力が120に上昇
  • ゴチルゼル猫騙しを覚えるようになった
  • 精神力やマイペース、鈍感、肝っ玉が威嚇を無効化
  • 特性びびりのポケモンが威嚇された時にSが上昇


継続されている要素

  • サイドチェンジが技レコードに含まれる。また(画面上では分かり辛いが)ダイマックス、キョダイマックスしたポケモンと場所を入れ換えられる
  • ハイパーボイスや大地の力、熱風、イカサマ、アイアンヘッド、バークアウトが技レコードに含まれる
  • 3色パンチやルーム系の技が技レコードに含まれる
  • エレキネットや凍える風が技マシンに含まれる


新要素

  • ダイマックス、キョダイマックスすると最大HPが元の1.5~2.0倍になる(ダイマックスレベルで倍率が定まる)
  • ダイマックス技は「味方全体に特定のステータス上昇を掛ける」、「敵全体に特定のステータス下降を掛ける」、もしくは「天候やフィールドを変える」のいずれかの効果を有する(次の資料を参照)。効果は必ず技の使用後に発生f:id:ykhr7:20191114225407j:plain
  • ダイマックス中は拘り系アイテムの効果が無くなる。命の珠などの補正はかかる
  • ギルガルドはダイウォールでシールドモードに戻れない
  • ダイマックス、キョダイマックス技は一概に元の技の威力に応じて高くなるとは限らない(例としてインファイトダイマックス技は威力が95)。またタイプごとに最高火力が異なる
  • インファイト、じゃれつく、濁流、リーフストーム、竜の舞、悪巧み、アンコールなどが技レコードに採用
  • 袋叩きが技マシンに採用
  • これまでカプ専用の特性とされた◯◯メーカーが一部の新ポケモン夢特性に割り当てられる
  • 筋金入りという、攻撃対象を変更させる技や特性に干渉されない(ジュラルドンの夢)特性が登場
  • リベロという、変幻自在と同じ効果を持つ特性が登場
  • のどスプレーという、音技使用時にCを上昇させる持ち物が登場
  • ソウルビートという、使用者の全てのステータスを1段階ずつ上昇させ体力の33%を消失させる変化技が登場(末尾に新技の一覧表あり)
  • 命の滴という、自身と隣のポケモンの体力をそれぞれ25%回復する変化技が登場
  • 魔法の粉という、対象をエスパータイプに変える変化技が登場
  • f:id:ykhr7:20191114225939j:plain


技の新習得者

 VGCルールにおいて重要な既存の技、新規の技を新たに覚えるようになったポケモンを抜粋して紹介します。

【WCS2019 Ultra Series】 ブレイブルナレック | 世界大会Day1予選使用 (6-3)

構築紹介(SDテキスト)と導入

f:id:ykhr7:20190814231252j:plain

こんにちは、Lacquer(@is26yk)と言います。アクセスありがとうございます!

今回はSNOWさんの「ルナレックツンデ」を参考に僕でも回しやすいようアレンジした構築(SDテキスト / Link to Paste)を紹介します。某down! では過去最高のGXE84.3%と共に1位を取れたこともあり、相応の完成度に仕上がったと思っています。

RecordCountryNameTeam
6-320180828191127Alister Sandoverf:id:ykhr7:20190828145900p:plainf:id:ykhr7:20190828145853p:plainf:id:ykhr7:20190828145915p:plainf:id:ykhr7:20190828145927p:plainf:id:ykhr7:20190828145937p:plainf:id:ykhr7:20190828145953p:plain

また、今年は世界大会のDay1から出場するKeiさん(@vivalavlade)に本構築を提供しました。
彼は最終ラウンドの9試合目で負けてしまい惜しくもDay1予選落ちとなってしまいましたが、それでも6-3という素晴らしい結果を残してくれました‼️


戦績

  • WCS2019 世界大会 Day1 6-3
  • Showdown! レート1位(1874 / gxe 84.3%)


f:id:ykhr7:20190817102910j:plain


構築経緯

ルナレックツンデとの出会い

世界大会に向けて日食ネクロレックを練っていくなかで、選出がトリル寄りに凝り固まりやすく柔軟な動きが取り辛いことと、ルナアーラやオーガレックの対処に難があることに頭を抱えるようになりました。そして、トリル要員の日食ネクロの動かし辛さや、脱出ガエン、水Z型のレヒレにこれらの原因があるのではないかと考えました。

hazemomizi.hatenablog.com


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そこでまず、ネクロ同様トリルを覚えられ、さらにそれ無しでも動かせる素早さを持つルナアーラに着目(ソルガレオでない理由は単純に自分に扱える代物ではなかったから)。
久々にルナアーラを使うということで、通りの良い専用Zを持たせてその使用感を確かめたい……。このことも相まって、ルナと選出が被りがちなレヒレに水Zを持たせていた日食ネクロレックとは距離を置くことにしました(脱出ガエンともここで縁を切ります)。

メガレックウザ特有の強さと使い勝手を手放す訳にはいかなかったことから、手始めとして、SNOWさん(@BlueYossi)がPJCS本選に持ち込まれた「ルナレックツンデ」の構築記事を読み、早速PokePasteを使って某down! に潜ってみました。

snow-pokepoke.hatenablog.com

Meさん式ゼルネレックと日食ネクロレックを通して鉢巻レック+トリルの扱いに慣れていたため、すぐさま勝てるようになり某down!のレートも上昇。


そんな中でBo3 Cup Summerの前日、ソルガレックの練習をしていたカ・エールさん(@hirosipoke)と久々にSDでマッチングしました。
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(どうせカエールさんのことだし、ルナアーラ入りにはガエンレヒレから投げてくるに違いない。)

そう思い剣舞ミミッキュから入る先発にしたのですが当然通用せず。裏のソルガレオが重くなるのは目に見えていましたし、その他諸々から見ても完全に悪手でした(カ・エールさんとの試合はこちら)。

(俺が下手クソなのもあるけど、やっぱりガエンレヒレめちゃくちゃ重いな……。)

こうしてSNOWさんのパーティにアレンジを加えることを決めました。


新メンバーの追加

前述の通り、ガエンレヒレから投げられると、壁やバクアで耐久面を整えられ、ルナZの通りが非常に悪くなりますから、ルナアーラを先発に置くのは心細いです。これを解決するため、試行錯誤している最中、あることに気が付きます。

(威嚇に誤魔化されることなく、確実に対面でガオガエンをしばくだけの圧力のあるポケモン……。これが今のパーティには一匹もいない。)

そうこうしている内に頭に浮かんできたのがこのポケモン

また、元々のSNOWさんのパーティは、バレルやドーブルといった催眠要員に苦戦しやすいという弱みや、ルナアーラのミラーに不安を抱えているようにも感じました。そこでカプ・コケコに着目。

  • f:id:ykhr7:20190809163930p:plainエレキフィールドを展開して催眠を防げるほか、構築的に重めな水タイプやイベルタルに大きい打点を持つカプ・コケコ。フリーフォールを覚えさせておくことで、ルナアーラのミラーマッチにも対応しやすくなったり、レックウザ剣舞(詳細は後述)を積むための起点を作ったりできます。


レックウザの型の変更

レックウザには鉢巻を持たせて運用する程の脳筋プレイヤーだったのですが、環境にメガガルーラルナアーラが増えていたことを受け、耐久性能を高め、それらを起点にできるピンチベリー持ちの剣舞型に変える案をケイさんに持ち掛けました。これのお陰でオーガレックやルナアーラ入りのパーティをはじめ、様々な構築相手により柔軟な動きを取れるようになりました。


個別解説


メガレックウザ


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バンジの実
デルタストリーム
陽気
212-204-121-×-131-168
252-28-4-×-84-140 (努力値)
画竜点睛
神速
剣の舞
守る


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Rayquaza-Mega @ Aguav Berry
Ability: Delta Stream
Level: 50
EVs: 252 HP / 28 Atk / 4 Def / 84 SpD /140 Spe
Jolly Nature
- Dragon Ascent
- Extreme Speed
- Swords Dance
- Protect

ピンチベリー込みの耐久を生かし、特定の相手を前にしたときや、起点が生まれると判断したときに剣舞を積みます。また、ガエンやルナアーラ、コケコによるダメージの蓄積した相手を神速でスイープしたり、天候をグラカイから奪い返したりする役割も持ちます。

タイプ一致で通りの良い画竜点睛、神速、コンセプトとなる剣の舞、そして盤面を整えるための守るで技は確定。

耐久調整についてですが、ルナアーラやガルーラを中心に焦点を絞って考えたため、ゼルネのムンフォやコケコのZマジカルシャインを耐えるようなHD極振りのものは避け、HPとSに多くの努力値を割きました。しかし、殆どAに振っていない陽気個体、つまり前文で述べた役割を果たすためだけに特化した調整となっているため、運用するうえでしっかりと状況の判断をしたり、ダメージ感覚を身に付けたりする必要があります。




ルナアーラ


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ルナアーラZ
ファントムガード
控えめ
228-×-119-207-128-124
124-×-76-252-4-52 (努力値)
シャドーレイ
冷凍ビーム
トリックルーム
守る


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Lunala @ Lunalium Z
Ability: Shadow Shield
Level: 50
EVs: 124 HP / 76 Def / 252 SpA / 4 SpD / 52 Spe
Modest Nature
- Moongeist Beam
- Ice Beam
- Trick Room
- Protect

Twitterのアイコンのイラストに恥じぬようしっかり活躍させることができました、ルナアーラです。通りが良く瞬間火力の高いルナZ、重要なS操作のトリル、そして特性のファントムガードにより対面での強さと場の操作に長けています。また、ウォーグルという相方を手に入れたことで、先方のガオガエンに臆することなく動かすことができました。

ルナZの元となるシャドーレイトリックルーム、守るまでは確定として、残り一つの技枠に何を入れるべきか。これはDay1予選の直前まで悩みの種でした。
最もメジャーであろうサイコショックは、ウツロイドとゴースト技の通らないノーマルタイプのみを役割対象とすることから、その必要性をあまり感ぜられず、採用には至りませんでした。
そして、カイオーガを前にしたときに、ガエンの蜻蛉返りやレックウザのガエンへの素引きをし易くするためのワイドガードか、ゼルネのジオコン対策の吠える、追い風、凍える風などの技が候補に挙がりましたが、最終的には冷凍ビームを選びました。これは、SDのみならず、世界大会でも耐久振りレックウザが増えることを見越したものです(使うときは味方のメガシンカ前レックのエアロックで乱気流補正を打ち消す)。副産物として、ボーマンダランドロスだけでなく、イベルタルアローラペルシアンにまで手を出せるようになり、味方との集中砲火の掛け方、手数を増やすことにつながりました。

なお調整は、SNOWさんの構築記事からそのまま頂きました。本当にありがとうございました。




ウォーグル

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イアの実
負けん気
意地っ張り
206-161-109-×-111-101
44-28-108-×-124-4 (努力値)
ブレイブバード
馬鹿力
追い風
守る


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Braviary @ Iapapa Berry
Ability: Defiant
Level: 50
EVs: 244 HP / 28 Atk / 108 Def / 124 SpD / 4 Spe
Adamant Nature
- Brave Bird
- Super Power
- Tailwind
- Protect

昔から愛用してるポケモンのうちの一匹、ウォーグル。前述の通り、その特性負けん気でガエン等の威嚇要員の選出を大きく抑制する、もしくは対面でガエンを倒すのが最大の務めであり、これによってルナやレックを動かしやすくなります。耐久面では、相手のルナZを透かしたり、乱気流込みで様々な攻撃にも対応できたりする点が長所となるため、ルナレックの組み合わせによく噛み合います。
なお、相手が初手にモロバレルを投げてくる場合、ウォーグルの刺さりはあまり良くない(バレルの隣のポケモンの展開に対応するため、ルナのトリルを選択するのが定石となるのだが、このときバレルの胞子が止まらなくなる)ので、バレル入りには選出を控える傾向にあります。

技は、ピンチベリーの発動を調整するメインウェポンのブレイブバード、ガエンやツンデに撃つ馬鹿力、主要なS操作技の追い風、隣をガエンやレックウザ等に切り替えるまで安全にやり過ごすための守るの4つ。
なお、相手のガエンに馬鹿力を撃つときは、裏のフェアリータイプや原始グラードンメガレックウザルナアーラ等に受け流される恐れがあるため、やや不安定な択となります。

ウォーグルの調整は、EMOLGAME掲載のこちらの構築記事からそのまま頂きました。ありがとうございました。




ガオガエン


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フィラの実
威嚇
慎重
202-135-113-×-154-79
252-×-20-×-236-× (努力値)
フレアドライブ
バークアウト
蜻蛉返り
猫騙


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Incineroar @ Figy Berry
Ability: Intimidate
Level: 50
EVs: 252 HP / 20 Def / 236 SpD
Careful Nature
IVs: 29 Spe
- Flare Blitz
- Snarl
- U-turn
- Fake Out

猫騙し、特性の威嚇、そして蜻蛉返りにより自分の操作しやすい盤面を作るのに欠かせないポケモンです。タイプ相性補完を取れている点も長所と言えます。

草タイプ等に撃ったり自主的にピンチベリーを発動させたりするフレアドライブ、コンセプト上必要な蜻蛉返りと猫騙しは確定とし、今回はバークアウトを4つ目の技枠に加えました。日食ネクロレック等のように脱出ボタンを持たせておらず、ガエン自身が場に残りやすいこと、そして火力を求めてDDラリアットや叩き落とすを採用するより、味方の特殊耐久を高められるバークアウトの方が有用だと考えたからです。

持ち物は、原案の突撃チョッキではなく、グラードン等の物理アタッカーに後投げから威嚇を入れたい場面が多かったため、物理耐久まで高められるピンチベリーにしました。

調整は、特殊耐久を極力高め、また、ウォーグルの追い風下で最速90属の先に蜻蛉返りを撃つことができ、なおかつ相手のガエンとの素早さ関係をはっきりさせるため、S個体値(29)を弄ったものです。




カプ・コケコ


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突撃チョッキ
エレキメーカー
陽気
172-136-106-×-108-191
212-4-4-×-100-188 (努力値)
ワイルドボルト
ボルトチェンジ
自然の怒り
フリーフォール


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Tapu Koko @ Assault Vest
Ability: Electric Surge
Level: 50
EVs: 212 HP / 4 Atk / 4 Def / 100 SpD / 188 Spe
Jolly Nature
- Wild Charge
- Volt Switch
- Nature's Madness
- Sky Drop

敵の体力を削ぎルナレックで縛れるように調整したり、フリーフォールで敵の妨害・味方の援護をしたりします。また前述のとおり、イベルタルカイオーガ、レヒレへの貴重な打点を持つポケモンです。

役割対象がD方面に厚い個体が多いことからワイルドボルト、盤面操作とダメージを蓄積させるボルトチェンジ、避雷針に妨げられることなく敵の体力を削れる自然の怒り、そしてフリーフォールを採用しました。

持ち物は、イベルオーガやルナアーラ等からの攻撃に満を持して耐えるための突撃チョッキ。これにより場持ちをよくし、徹底的に相手の体力を削る(ルナレックに繋げる)ことに専念することができます。

調整は、控えめルナアーラの専用Z確定耐えと最速120族抜きを抜くことをメインに意識。特にメガボーマンダについては、コケコに先に倒して欲しい場面が多かったため、後攻ボルトチェンジをするためにSを落とすようなことはしませんでした。




ツンデツンデ

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防塵ゴーグル
ビーストブースト
勇敢
167-201-231-×-123-16
252-252-×-×-12-× (努力値)
岩雪崩
ジャイロボール
トリックルーム
身代わり


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Stakataka @ Safety Goggles
Ability: Beast Boost
Level: 50
EVs: 244 HP / 252 Atk / 12 SpD
Brave Nature
IVs: 0 Spe
- Rock Slide
- Gyro Ball
- Trick Room
- Substitute

僕の大好きな、そしてVGC2018からお世話になっているポケモンです(今年も一緒にやれて良かった)。ゼルネアスを軸とした展開に大きく切り返せる身代わり持ちの個体であり、トリルに引きずり込んだ後、ガエン等の猫騙しや威嚇要員に誤魔化されない点で非常に強力でした。また、持ち物の防塵ゴーグルのおかげで、モロバレルによる干渉も受けないため、対ゼルネ性能は凄まじかったです。

技は、イベルやガエンなどに有効であり本構築では希少な全体技の岩雪崩、最高火力のジャイロボール、トリル下での制圧力を高めたり、トリルが切れる直前に選択したりする身代わり、そしてトリックルームの4つに決まりました。

持ち物の防塵ゴーグルですが、相手のモロバレルを見てコケコを連れていくと、地面弱点が被ったり選出単位で耐久面に穴が空いたりするため、ツンデツンデ単体でもバレルに対応できるよう選択しました。

調整は、ルナZ耐え、もしくはルナZ+ゼルネのムンフォ耐えまでDを高めるものも考えましたが、イベルタル等への削り方を妥協できずHA特化にしました。


選出

本構築では、特定のアーキタイプに対する個別具体的な解説が細かく長文になります。そのため、今回は基本選出の解説のみとさせて頂きます。ご了承のほどよろしくお願いいたします。


基本選出1

先発: f:id:ykhr7:20190818170054p:plain+f:id:ykhr7:20190818170107p:plainorf:id:ykhr7:20190818170120p:plain
後発: f:id:ykhr7:20190818170131p:plain, f:id:ykhr7:20190818170154p:plain, orf:id:ykhr7:20190818170251p:plain

ルナウォーグル、ルナガエンを並べる本構築における基本的な投げ方です。
ルナZで初手から圧力をかけ、後発のレックウザやツンデの確定圏内に押し込んでも良いですし、トリルの刺さりが目立つようであればいきなり起動にかかるのも良いです。また、ルナアーラウォーグルと並べているときは、2体とも中速で追い風にもトリルにも合わせられますから、相手の先発を見て使い分けることができます。
また試合の中盤からは、削れた相手をレックウザやコケコ、ツンデで落としたり、対面の圧力からレックウザ剣舞を選択できたりするタイミングが現れるので、うまく後発を展開できるよう意識します。


基本選出2

先発: f:id:ykhr7:20190818171202p:plain+f:id:ykhr7:20190818171216p:plain, f:id:ykhr7:20190818171748p:plainor f:id:ykhr7:20190818171813p:plain
後発: f:id:ykhr7:20190818171839p:plain+f:id:ykhr7:20190818173744p:plainorf:id:ykhr7:20190818171852p:plain

隣のポケモンメガレックウザの初手剣舞をサポートする投げ方。ウォーグルレックウザの隣に置いた場合、乱気流で耐性を強化しつつ、追い風を起動して後発のルナアーラの圧力まで高めることができます。
後発のルナやツンデのスイッチトリルにより、一気に流れを引き寄せる動きに切り替えられる点が当選出最大のポイントとなっています。


さいごに

某down! (程度かもしれませんが) でほぼ敵無しと言えるほどの最高傑作を握っても、それをプレイング含めて、実際に使ってくれる選手にどのように伝えるか……。実機が使えない僕にとっては、まずこれを解決できなければ、VGCをやっていることに意味はありません。
世界のプレイヤー相手に自分の考えがどれほど通用するかを確認するためには、どうしても欠かせないプロセスだからです。

しかし、ケイさん持ち前のプレイングや感覚、実力に加え、周囲の方々の手厚いサポートにより、構築の強さを伝えるにはそう苦労しませんでした。むしろルナレックの完成度をより高めてもらいましたし、何より今年も十分過ぎる成績を世界大会にて示してもらいました!

ケイさんをはじめ、皆さん本当にご協力ありがとうございました!

では、ここら辺でお開きにしたいと思います、最後まで読んでいただきありがとうございました。